ひとはく周辺(深田公園)には
トウネズミモチ(モクセイ科)の
高木(高さ約10m)があります。
1月中旬~下旬、その木には
たくさんの果実が成っていて、
ヒヨドリ(ヒヨドリ科)が
それを食べに来ています。
画像をクリックすると、写真が拡大するものがあります。
▲たくさんの果実が成っている
トウネズミモチ
この木にヒヨドリが1~2羽くらい
来ているのに気がついて観察をはじめて
から3~4日目には、朝から夕方まで
(いろんな時間帯に)枝葉が広がった
空間に、複数のヒヨドリが頻繁に出たり、
入ったりしていて、たいへん
にぎやかでした。
▲朝、トウネズミモチの枝にいる
複数のヒヨドリ
果序(果実がついている軸)に
たくさん成っていた果実は、観察をはじめて
5日目の昼には(枝によって異なりますが)、
6~9割くらい食べられてしまいました
(1~4割くらいしか果実が残っていない)。
▲果実がほとんどなくなった
トウネズミモチの果序
少し離れて見ると、果実がなくなった
果序の軸が赤く見えて目立つように
なりました。
果序の軸を観察すると、
太陽の光がよく当たる方の軸の面は、
より赤みが強いようです。
▲トウネズミモチの果序の
光がよく当たる方の面
▲トウネズミモチの果序の
光があまり当たらない方の面
果序の軸の赤い色と、葉の緑色
の組み合わせによって、この木の
枝葉は目立ちます。
▲トウネズミモチの果序の赤い軸
これが「もうすぐ果実が
なくなるよ~」と知らせて
いるようです。
この果序の軸の赤さは、
まるで「閉店セール」や
「大売出し」などと書かれた
赤い旗のようですね。
この木に来るヒヨドリの数が急に少なく
なりましたが、
メジロが来て果実を食べていましたよ。
メジロくらいの小さな鳥だと、果序の
先の方に残っている果実も食べることが
できるのでしょう。
(これまでも果実を食べに来ていました
が、写真が撮りやすい感じでした。)
▲メジロが、少なくなった果実を
ねらっているところ
▲メジロが、果実をくわえたところ
トウネズミモチ食堂は、果実がなく
なり 間もなく閉店で~す
(6日目以降はヒヨドリを
ほとんど見なくなりました)。
余談ですが・・・
トウネズミモチの葉を透かして見ると、
葉の周りが縁どりがされていて
(黄色っぽく明るく見えて)キレイです。
また、葉面を見ていると、しあわせな
気分になりますよ。
▲トウネズミモチの葉を透かして見る
ちなみに、トウネズミモチの仲間
(同属)のネズミモチと、それぞれの
葉を並べて透かして見ると・・・
画像をクリックして、
写真を拡大して見てください。
▲ネズミモチ(左)とトウネズミモチ(右)
の葉を透かして見る
ネズミモチの葉脈は、中央脈を除いて
ほとんど透けないのですが、
トウネズミモチの葉脈は、中央脈以外
も透けて明るく見えます。
その形をよ~く見ると・・・
ねっ。 しあわせな気分になった
でしょう?
皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。
研究員 小舘