ひとはく周辺(深田公園)で、
雪が積もりました。
多いところで4~5㎝くらいの
厚みがあります。
深田公園にある野外施設の
円形劇場の上方にある
緑道沿いを観察していると・・・
※画像をクリックすると、写真が拡大するものがあります。
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▲円形劇場(右側)の上の緑道沿い
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▲円形劇場の階段に積もった雪
円形劇場の階段の上の方の段に
積もった雪に 径が5~10mmの穴が
ポツポツとあいています。
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▲雪の上に あいている穴
穴の配置によっては、それが目や鼻、
口に見え、全体が顔に見えたりします。
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▲位置によっては人の顔に見える穴
見上げると、ケヤキ(ニレ科)の枝の広がり
(これを樹冠(じゅかん)という)が
あります。
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▲ケヤキの枝の広がり(樹冠)の一部
観察していると、どうやら枝に積もった雪が
融けて枝を流れて集まり、水滴となって
ポタポタと落ちているようです。
つまり、その水滴によって
樹冠の下に積もった雪に
ポツポツと穴が
あいていたのです。
あらためて見上げて、
枝をよく見ると、水滴が
太陽の光でキラッとして
いるところもあります。
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▲キラッと光る部分があるケヤキの枝
近くの樹林の中に入ってみることにしました。
ケヤキと同じように秋から冬にかけて葉を
落としてしまう落葉樹(らくようじゅ)である
タカノツメ(ウコギ科)や コナラ(ブナ科)など
の樹冠の下では、さきほどのケヤキと同様に
林床(りんしょう)に積もった雪にポツポツと
穴があいています。
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▲タカノツメの樹冠下の林床に
積もった雪にあいた穴
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▲タカノツメの枝の広がり
(樹冠)の一部
下記の写真は、落葉樹である
ウリカエデ(ムクロジ科)の
枝に積もった雪が融けて水滴
(あるいは氷っぽいもの)に
なっている例です。
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▲ウリカエデの枝の雪が融けて
水滴になっている例
ところが、ソヨゴ(モチノキ科)などの
冬でも緑色の葉を枝につけている常緑樹
(じょうりょくじゅ)の樹冠の下は、
林床に積もった雪には もっと多くの
(大きさも 色々な)穴があいていました。
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▲ソヨゴの樹冠下の林床に
積もった雪にあいた穴
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▲ソヨゴの枝の広がり(樹冠)の一部
常緑樹の場合、落葉樹に比べて葉を枝に
残しているため、そこに降り積もった雪
の量も多く、また、葉ごとに融けた水滴
を集めて落とす頻度も多くなると考えら
れます(逆に、樹冠下の林床に積もって
いる雪の量は少ない?)。
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▲ソヨゴの枝葉に積もった雪
が融けている例(氷っぽい
ものも見える)
雨水と同様に枝葉に積もった雪を
早く落とす工夫が それぞれの樹種
によって あるのかもしれません。
太陽の光で、あるいは気温が
上がることで、枝葉の雪が
融けだして水滴になり(小さな
氷っぽいものもあるかも)、
林床に落ちる音(林床の
落ち葉に当たる音?)は、
林内が明るいだけに不思議な
気分になりました。
皆さんも 周辺の環境で生きものの観察を
してみませんか。
研究員 小舘