ひとはくの周辺(深田公園)には、ケヤキ
(ニレ科)の木がたくさん植えられています。
ケヤキの樹皮は、幹が太くなると、ある
程度の大きさで鱗片状か不規則に剥がれて
落ちていきます。
剥がれた樹皮は結構な厚さと硬さがあります。
しかし、幹が細い若い木は、比較的薄い
樹皮で幹に剥がれたところがありません。
また幹の表面には、皮目(ひもく)と
呼ばれるガス交換(呼吸)をするところ
(小さな粒々に見えます)が目立ちます。
※画像をクリックすると、写真が拡大するものがあります。
▲ケヤキの太い幹(幹の直径が46.8㎝)
(幹の表面が剥げている)
▲ケヤキの細い幹(幹の直径が10㎝以下)
(幹の表面の粒状のものが皮目)
樹高約5mで、幹の太さが、直径
(DBH※)で8.6㎝と4㎝の
2本株立ちのケヤキの木(比較的
若い)を観察してみると・・・
※DBH(胸高直径)とは、地表から1.3mの
高さの幹直径のことです。
▲若いケヤキの木
キマダラカメムシ(カメムシ科)が幹にいました。
口吻(こうふん)というストロー持参で、
どうやら樹液を吸いに来ているようです。
▲ケヤキの幹にいたキマダラカメムシ
時間帯によっては、クマゼミ(セミ科)が
ケヤキの幹や枝に たくさん います。
クマゼミもストロー持参(口吻のこと)で
やって来て樹液を吸います。
▲ケヤキの枝に口吻を刺して樹液を吸うクマゼミ
まわりで何か音がしたり、人の気配?などを
感じるとクマゼミが飛び立っていきます。
そのクマゼミの口吻が刺さっていたところを
観察すると樹液が にじみ出ています。
▲クマゼミが飛び去った直後に幹から出て
きた樹液(上段の2枚の写真の中央に
水玉みたいになっていて、すでにアリ類
がきています)
少し時間が経ったと思われるところでは、
樹液が垂れているのも見られました。
▲少し時間が経って樹液が流れているところ
他の目的でケヤキの幹に来ているのかも
しれないアリ類(アリ科)ですが、
樹液がでているところにすぐに集まってきます。
▲クマゼミが開けた穴から出ている樹液に
集まるアリ類
同様にハチ類も樹液がでているところに来ています。
▲クマゼミが開けた穴から出ている樹液の
ところに来ているハチ類
「喫茶ケヤキ」は、様々なお客さんで
この日も賑わっていました。
皆さんも 周辺の環境で生きものの
観察をしてみませんか。
研究員 小舘