数日前からセミ類の鳴き声が、
にぎやかになってきたなあ
(本格的な夏だ)と感じていました。
ひとはくの周辺(深田公園)で、
地面に形がきれいな丸い穴が
2つ開いている(近い位置にある)
のをたまたま見つけました。
これらの穴は、前日には無かった
ような気がします。
※画像をクリックすると、写真が拡大するものがあります。
それらの穴の大きさを測ってみると、
どちらも直径1.5㎝くらいでした。
▲直径1.5cmくらいの丸い穴
周辺部で似たような大きさの穴を
探しましたが、アリ類が出入りしている
穴はあるのですが、直径1.5cmくらいの穴は
他にはありませんでした(約2×4㎡範囲)。
▲アリ類が出入りしている穴
近くの木を確認していると、落葉樹の枝先の
葉にアブラゼミ(セミ科)と思われる抜け殻
が比較的近い位置に2つついていました。
あきらかに今年の抜け殻です。
▲落葉樹の葉についていた
アブラゼミの抜け殻2つ(7月)
抜け殻の触覚の根元から第3番目の節が
長く、毛がたくさん生えていることから
どちらもアブラゼミの抜け殻だと思われました。
▲見つけた抜け殻の写真
もしかしたら、地面に開いていた丸い穴は、
アブラゼミの幼虫が出てきた穴ではないか、
と想定して、
いったい、どれくらいの距離を移動した
ことになるのかを知るために、移動したと
思われる経路のそれぞれの距離や長さを
測ってみました。
<測定したそれぞれの距離や長さ>
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・地面の穴から木の根元までの距離:
約70㎝と約95㎝。
・木の根元から枝分かれするまでの
幹の長さ:約67㎝。
・枝別れした枝の長さ(葉までの長さ):
約40㎝と約50cm。
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上記の測定値を使って計算すると、
短かい方の距離の組み合わせで約177㎝、
長い方の距離の組み合わせで約212㎝、
となります。
(大雑把に言うと)地面の穴から出て
約2mの移動(旅)をして羽化したこと
になりますね。
ちなみに、地面から抜け殻までの高さは
どちらも約70㎝でした。
あまり高い位置ではなかったので
目につきやすかったのかもしれませんが、
アブラゼミの幼虫にとってはこの距離でも
大変だっただろうと想像します。
皆さんも 周辺の環境で生きもの
の観察をしてみませんか。
研究員 小舘