7月2日から始まる企画展「クモ展」のフロアスタッフへのレクチャーが研究員から行われました。この企画展は、「クモは不気味で気持ち悪い?」というイメージを変えるため、ポスターも明るい色や水玉でまとめてみました。
「クモ」といえば、「クモの巣」が特徴ですが、我々が普段見慣れたものから、少し形の違うものまでさまざまなものが展示されています。博物館の窓についていたものもあります。
クモや昆虫が紡ぎ出す糸の構造やその遺伝的基盤を解析し、微生物を活用することによって、新しいタンパク質素材を開発して、化粧品や衣類に応用している会社もあるそうです。
クモは、虫ですが昆虫ではありません。節足動物門というグループに属し、昆虫などの六脚亜門、エビ・カニの仲間の甲殻亜門、ムカデ・ヤスデなどの多足亜門、そしてクモの属する鋏角(きょうかく)亜門の4つに分けることができます。鋏角亜門は、昆虫が触角を持つ部分にハサミ状の鋏角を持つのが特徴で、ウミグモ、カブトガニ、サソリ、ダニも同じ仲間です。
私たちが認識するクモは、鋏角亜門のなかのクモ目(もく)というグループに属し、世界で52000種以上記録され、135科のグループに分類されます。
今回の企画展では、食事や子育てなど、私たちとシンパシーを感じる部分とともに、クモの多様性に焦点を当てています。特に、もっとも種多様性が高く、発達した眼を頼りに餌を捕まえる行うハエトリグモ科と、微小ながらクモ目の中で2番目に種多様性の高いサクラグモ科について、写真とともに標本の展示を行っています。クモの生物としての新たな一面、捕食の様子、網(クモの糸)の特徴など、深く知ることができる展示となっています。どうぞお楽しみに!
◎参加したスタッフのコメント
・クモは昆虫ではない、クモの巣(網)には、様々なタイプがあることなど、新たな発見がありました。新しい知識を得ることができました。
・楽しくしくわかりやすい展示解説となるように、努力します。
◎山﨑研究員より
企画展は2025年の1月13日までのロングラン展示となります。10月には、「摩訶不思議なクモの世界」のセミナーも計画しています。来館される皆様に普段はあまり知られていない「クモ」への新たな認識を持っていただけるとうれしいです。(この記事に関しましては、生涯学習課にお問い合わせください。文責 生涯学習課)