8/21(日)、衛藤研究員・中濱研究員が実施された「地域の自然たんけん隊 in 但馬」に同行しました。
「地域の自然たんけん隊 in 但馬」は、ひとはくの研究員が持つ複数の分野から、但馬地域の自然を楽しむことができる、ひとはく30周年記念のイベント事業です。
本イベントは5回に渡って行われますが、今回はその第2回にあたる
「但馬牛がチョウを守っている!?-放牧地での調査実習-」を実施しました。
(第1回は、雨天のため中止となってしまいました...)
第2回では、但馬で実施されている放棄地放牧の生物多様性の調査を行います。
現在、荒廃農地や放棄地の管理が地域の方を悩ませており、人口減少のなかでも農地を維持できる方法が模索されています。
そこで但馬では、耕作放棄地で牛を放牧することで、農地管理を実施しています。
畜産も現在、温室効果ガスなど持続可能性という点から問題視されており、放牧がこの解決方法のひとつと考えられています。
これらのことから耕作放棄地での放牧は、農地維持・管理の観点からも、畜産の観点からも持続可能性がある取組であると期待されています。
今回のセミナーでは、この取組が自然科学の観点でも持続可能性があるという考えから、耕作放棄地での生物多様性の調査を実施しました。
説明を受け、実際に放棄地へ徒歩で向かいます。
道中にも様々な植物や虫がたくさんいました。
道中では、アゲハモドキに遭遇。
とてもきれいですが、こちらはジャコウアゲハに擬態した蛾なんだそうです。
現地に着くと、放牧された牛たちがお出迎えしてくれました。
この放棄地で放牧されている牛たちは、全て出産を控えた雌牛です。
出産安定期の牛が放牧に向いているそうで、この日も新たに一匹の雌牛が仲間入りしたとのことでした。
ここから参加者の皆さんと一緒に、調査を行います。
まずは、メジャーを用いて調査範囲を決定します。
今回は場所が狭いため、調査する場所は30mとしました。
大体両手を広げたくらいの範囲で、ここを横切ったチョウチョを計測します。
計測では、種類が分かるよう虫取り網で捕獲しながら実施しました。
久しぶりの虫取りに、参加者の皆さんも夢中になりながら調査していました。
悪天候ということもあり、ここではなかなかチョウチョは見つけられませんでした。
そこで今度は、放棄地のなかでも森林に近い場所で再調査を行います。
こちらにはジャノメチョウやヒメウラナミジャノメなど、様々なチョウチョが飛んでいました!
最後に調査の結果をまとめ、和やかな雰囲気の中、セミナーが終了しました。
調査ではありましたが、虫取りなど久しぶりの体験が多く、私にとっても楽しい夏の思い出となりました。
(文責:研究補助スタッフ 佐藤萌)