春です。
ひとはく近くのソメイヨシノは満開です(4月7日)。
![somoeyoshino ga mannkai 220407 s-IMG_6791.jpg](/blog/assets_c/2022/04/somoeyoshino%20ga%20mannkai%20220407%20s-IMG_6791-thumb-250xauto-32846.jpg)
▲満開のソメイヨシノ
さて、タイトルの「ほうしけいとえいようけい」これを漢字で書くと、
「胞子茎と栄養茎」となります。
じつは、ここで取り上げる「胞子茎」は、皆さんご存知の
ツクシのことです。
ひとはくは、深田公園の中にあります。本館に近いところに
「円形劇場」という野外施設があり、その上方に「のり面」
(年間3回くらい草刈りがされている場所)があって、そこに
ケヤキの木が植えてあります。
![ennkeigekijyou no ue no norimenn s-IMG_6864.jpg](/blog/assets_c/2022/04/ennkeigekijyou%20no%20ue%20no%20norimenn%20s-IMG_6864-thumb-250xauto-32844.jpg)
▲円形劇場の上方にある「のり面」
その「のり面」のケヤキの下には、3月下旬~4月初旬に
ツクシがたくさん見られます。
今年の4月7日の時点では、暗褐色のツクシは、ほとんどなく
代わりに緑色のスギナがたくさん見られました。
![sugina to tsukushi 220407 s-IMG_6857.jpg](/blog/assets_c/2022/04/sugina%20to%20tsukushi%20220407%20s-IMG_6857-thumb-250xauto-32840.jpg)
![sugina to tsukushi 220407 s-IMG_6875.jpg](/blog/assets_c/2022/04/sugina%20to%20tsukushi%20220407%20s-IMG_6875-thumb-250xauto-32842.jpg)
▲地面からでてきた緑色のスギナ
(ここでもう1回)じつは、このスギナは、「栄養茎」で
近くに出ていたツクシと地中でつながっていたかもしれません。
つまり、スギナという植物の、役割が異なる2つの体をそれぞれ
別の呼び方(ツクシとスギナ)で呼んでいるということになります
(でも、どちらも『スギナ』という名前の シダ植物です)。
暗褐色の「胞子茎」であるツクシは胞子を撒くための体。
スギナと呼ばれている緑色の「栄養茎」は光合成をおこない
栄養をつくる体です。
ちなみに「胞子茎」「栄養茎」の「茎」とは、葉がなく茎だけ?
に見えるので、そのように呼ばれるのだと思われます
(シダ植物で、胞子のうを付ける葉を「胞子葉」(ほうしよう)と呼びます)。
早春に、まず ツクシ(胞子茎)が地面から出て、そのあと
スギナ(栄養茎)が出てくるのです。
![sugina to tsukushi 220407 s-IMG_6880.jpg](/blog/assets_c/2022/04/sugina%20to%20tsukushi%20220407%20s-IMG_6880-thumb-autox376-32838.jpg)
▲スギナの栄養茎(左)と胞子茎(右)
スギナの観察をしていると、近くのケヤキの枝で、
シジュウカラ の オス が急に鳴きだしました。
![shijyuukara no osu 2204007 s-IMG_6817.jpg](/blog/assets_c/2022/04/shijyuukara%20no%20osu%202204007%20s-IMG_6817-thumb-250xauto-32834.jpg)
![shijyuukara no osu 2204007 s-IMG_6834copycopy.jpg](/blog/assets_c/2022/04/shijyuukara%20no%20osu%202204007%20s-IMG_6834copycopy-thumb-250xauto-32836.jpg)
▲ケヤキの枝にいたシジュウカラ
シジュウカラの鳴き声の ツツピー、ツツピー が
ツクシー、ツクシー に聞こえます。
変化が激しい?春ですね~。
研究員 小舘 誓治