2021年12月5日付の神戸新聞三田版に都市部のシダということで
ホウライシダとモエジマシダについてコラムを書きました。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/202112/0014891714.shtml
ホウライシダはこんなものです。
[神戸新聞のリンクが切れるかもしれないので、以下にテキストを入れます]
ホウライシダは暖地性のシダ植物で、涼しげな園芸植物のアジアンタムの仲間です。熱帯温室などでよく植えられています。阪神間の瀬戸内側、尼崎市から神戸市、明石市、さらには伊丹市、宝塚市にかけては水路脇や人家の石垣に雑草のごどく生えています。ところが、標本情報を確認するとこの地域の標本がほとんどです。姫路市、洲本市ではわずかに1地点です。十分に調べられていない可能性もあるのですが、在野の研究家の丸岡氏が集中的に調べている三木市でもわずか1地点のみ、同じく牛島夫妻が植物誌を公表している猪名川町では記録がありません。阪神間南部に集中的に分布していると見てよさそうです。三田市では屋敷町の旧九鬼家住宅資料館の周りに生えていることを知っていたのですが、それ以外の場所は知りません。六甲山地よりも北側ではかなりまれですので、みかけたらご一報下さい。
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この記事を見て、散歩道の近くでそれらしいシダがあるといって、連絡してくれた方がありました。
博物館から自動車で10分ほどの神戸市北区長尾町宅原ということででかけてみました。
これは立派にホウライシダで、ちゃんと胞子もできていました。
ご本人は、園芸植物のアジアンタムと思っていたようです。
わかりやすい違いは葉のへりにできる胞子嚢群(ほうしのうぐん;胞子ができるところ)の形です。