ひとはく・ちがくレター(令和2年8月16日号)
兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)の恐竜タスクフォースを中心とした研究員が関わる講演会や展示、イベント、出版物、出演などについてお知らせいたします。お問い合わせ先について、別途表記のないものは当館となります。詳細は各URLでご確認ください。なお、今後の新型コロナウイルスの影響等によっては、各イベント等の開催について変更が生じる場合があります。その際は、当館ホームページ上でご案内申し上げます。この内容は当館の化石剖出と石割調査ボランティアの方々には、メールにてお送りしています。
<お知らせ>
丹波市山南町の篠山層群大山下層より発掘された、小型獣脚類恐竜の卵・卵殻化石"ヒメウーリサス・ムラカミイ"が、世界最小の恐竜類(非鳥類型恐竜)の卵化石としてギネス世界記録TMに認定されました。
https://www.hitohaku.jp/research/h-research/20200805news.html
●石割ボランティア募集のお知らせ
川代1号トンネル建設工事により産出した篠山層群由来の岩砕の石割調査を行うため、兵庫県内から広くボランティアを募集します。この調査は化石を採取し、学術研究、教育普及活動、地域振興などに役立てることを目的とします。
日 時:2020年9月19日(土)~10月4日(日)10:00~15:30
※9月23日(水)、28日(月)を除く14日間
場 所:県立人と自然の博物館 ジーンファーム横の岩砕置場
対 象:兵庫県内に居住地、勤務地もしくは在学地を有する満18歳以上の方
定 員:60名
参 加 費:なし
そ の 他:期間中、連続セミナーあり。募集は2020年9月6日(日)まで。
https://www.hitohaku.jp/infomation/news/rock-research-v14jul.html
●篠山層群から新卵属・新卵種の卵化石を発見!
筑波大学生命環境系の田中康平助教とカナダ・カルガリー大学、カナダ・王立ティレル古生物博物館、兵庫県立人と自然の博物館などの国際研究チームは、兵庫県丹波市の新たな化石層準から卵・卵殻化石を発見し、同地域における小型恐竜の多様性を明らかにしました。
兵庫県丹波市は前期白亜紀(約1億1000万年前)の地層(篠山層群大山下層)が露出し、竜脚類恐竜(丹波竜)や卵殻化石などを産する国内の一大恐竜化石産地として知られています。2019年1~3月にかけて行われた大規模発掘調査等により、これまでに恐竜化石が見つかっていた地層よりも上位の層準から、形状を留めた卵化石(4点)や卵殻片の化石(約1300点)が収集されました。これらの卵殻は4種類に分けられ、うち1種類は新卵属・新卵種(ヒメウーリサス・ムラカミイと命名、丹波竜の発見者の村上茂氏にちなむ)、別の1種類は新卵種(サブティリオリサス・ヒョウゴエンシスと命名)であることが分かりました。すべて獣脚類恐竜に属すると考えられ、ヒメウーリサス・ムラカミイは現時点で世界最小の非鳥類型恐竜類卵であることが分かりました。
これにより、骨化石では分からなかった多様な小型獣脚類恐竜の存在が明らかになりました。これまでの報告も合わせると、兵庫県丹波市では合計6種類の恐竜卵殻化石が確認されたことになり、前期白亜紀の地層において、世界で最も卵殻化石の種類が豊富な地域であることが判明しました。兵庫県丹波市は世界有数の卵化石産地であると言えます。
※本研究成果は2020年6月19日付「Cretaceous Research」でオンライン公開されました。
https://www.hitohaku.jp/research/h-research/20200623news.html
<ひとはく主催の企画>
●臨時展「世界最小の恐竜卵を発見!~篠山層群より発掘された獣脚類恐竜の卵・卵殻化石~」
2019年1~3月にかけて丹波市山南町において実施した大規模発掘調査により、発見した卵や卵殻片、並びに小型脊椎動物等の化石について、調査研究を進めたところ、これら卵殻化石には小型獣脚類恐竜の卵殻が4種類含まれ、内1種類は新卵属・新卵種、また内1種類は新卵種であることが明らかになりました。新卵属の化石は世界最小の恐竜卵と考えられています。この研究成果は論文にまとめられ、Cretaceous Research誌(査読付き国際学術雑誌)に投稿し、受理・出版されました。本論の出版を受け、当館にて臨時展示を実施します。
期 間:令和2年6月30日(火)~9月13日(日)※延長になりました
場 所:兵庫県立人と自然の博物館 3階展示室「丹波の恐竜化石」
展 示 物:産出化石8点、記載論文、パネル4点
参 加 費:無料(入館の際に観覧料のみ必要)
https://www.hitohaku.jp/exhibition/planning/eggshell-fossil2020.html
●臨時展示「アジア初!海の地層で見つかった7200万年前の海鳥化石」
2014年7月、化石愛好家の桔梗照弘氏(相生市在住)によって、淡路島に分布する和泉層群から原始的な鳥類化石が発見されました。同標本につき、調査研究を進めたところ、ヘスペロルニス類と呼ばれる後期白亜紀に絶滅した海鳥であり、白亜紀末期の海の地層から産出したヘスペロルニス類としては、アジア初の化石記録となることが明らかになりました。この研究成果は論文にまとめられ、Cretaceous Research誌(査読付き国際学術雑誌)に投稿し、受理・出版されました。本論文の出版をうけ、当館にて臨時展示を実施します。
期 間:令和2年6月12日(金)~8月31日(月)
場 所:兵庫県立人と自然の博物館 3階展示室「丹波の恐竜化石」
展 示 物:産出化石1点、記載論文、パネル2点
参 加 費:無料(入館の際に観覧料のみ必要)
https://www.hitohaku.jp/exhibition/planning/seabird-fossil2020.html
●R01世界最小の恐竜卵を発見!~丹波から世界へ,未知の恐竜化石を追え!(筑波大学 田中康平先生)
2020年6月23日に筑波大学と当館で共同発表した篠山層群から発見された新卵属・新卵種の卵・卵殻化石について、筑波大学生命環境系助教の田中康平先生をお招きして、講演会を行います。
日 時:令和2年8月29日(土)10:30~11:30
場 所:兵庫県立人と自然の博物館ホロンピアホール
対 象:小学生~大人
定 員:150名
参 加 費:無料(別途入館料が必要となります)
備 考:申込締切8月21日(金)※延長になりました。小学生は保護者も一緒にご参加ください。定員を超えた場合には、抽選とさせて頂きますのでご了承ください。
https://www.hitohaku.jp/infomation/event/dino-egg2020.html
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020R01
●A26淡路島の特色ある地形と地質(加藤研究員)
淡路島と沼島の地形・地質について、鳴門の渦潮を造り出す地形・地質の仕組みや、五色浜の多様な石ころの由来などの話題を例にお話しします。
日 時:令和2年9月6日(日)13:30~15:30
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階中セミナー室
対 象:中学生~大人
定 員:20名
参 加 費:800円(高校生以下400円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A26
●H05エチオピアの大地に人類進化の謎を探る(加藤研究員)
エチオピア大地溝帯での類人猿(ゴリラの祖先)化石の調査から、人類誕生の時代を探る研究についてお話します。
日 時:令和2年9月11日(金)14:00~15:30
場 所:兵庫県立人と自然の博物館ホロンピアホール
対 象:大学生~大人
定 員:10名
参 加 費:800円
備 考:兵庫県立有馬高等学校の生徒と一緒に受講していただきます。
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020H05
●はかせと学ぼう!「化石を掘り出そう!」(久保田研究員)
ヘラやハケを使って、本物の化石を掘り出していきます。どんな化石が見つかるのかはお楽しみです。掘り出した化石はお持ち帰りできます。
日 時:令和2年9月12日(土)13:00、14:00、15:00の3回(所要時間:約40分間)
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階オープン・ラボ
対 象:小学1年生以上
定 員:4組(各回先着順)
参 加 費:500円
備 考:当日4階インフォメーションにて10:00より参加申込の受付を開始します。定員になり次第終了します。
https://www.hitohaku.jp/MusePub/eventdetail/?id=18245
●A28, A29化石発掘体験セミナー(恐竜技師チーム)
恐竜化石の周りの泥岩には、多くの化石が入っている可能性があります。発掘セミナーでは、石を細かく割って新たな化石を探し出します。
日 時:令和2年9月13日(日)10:30~11:30、14:00~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館外 恐竜ラボ
対 象:小学1年生~大人
定 員:10名
参 加 費:800円
そ の 他:コロナウイルス感染症予防対策のため、対象年齢は小学1年生以上に変更します。ただしひとりで作業のできる方に限ります。必ず参加者全員の詳細をご明記ください。※発見された化石は持ち帰ることはできません。※気象状況により中止の場合あり。
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A28
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A29
●A07地球の生命史と恐竜の時代(佐藤研究員)
地球の生命史をたどりながら、恐竜がいた中生代がどんな時代であったかを解説します。
日 時:令和2年9月19日(土)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階大セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:30名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A07
●A08篠山層群の発掘調査―その経緯と特色(池田研究員)
篠山層群は恐竜をはじめとする白亜紀脊椎動物化石を産出する国内有数の地層です.国内の同様の地層とくらべどのような特色があり,今後何が期待できるのか,これまでの発掘調査の経緯を振り返りながら解説します。
日 時:令和2年9月20日(日)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階大セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:30名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A08
●A11岩石の特徴を調べ、分類してみよう(基礎編)(加藤研究員)
火成岩、堆積岩、変成岩といった岩石の基本的な分類とそれぞれのでき方、見分け方を、岩石標本を見ながら学びます。
日 時:令和2年9月21日(月)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階大セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:30名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A11
●A13中生代の植物(半田研究員)
中生代にはどのような植物があったのでしょうか。恐竜の背景にあるのはシダ?イチョウ?ヤシ?篠山層群から見つかった植物化石についてもお話しします。
日 時:令和2年9月22日(火)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階大セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:30名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A13
●A34化石貝類学入門(二枚貝・巻貝・アンモナイト)(生野研究員)
貝類には骨はありませんが、硬い殻をもつ仲間は化石としてよく保存されます。本セミナーでは、化石が豊富に産出する軟体動物(二枚貝・巻貝・アンモナイト)に焦点をあて、実際に発見された化石の例を交えながら、彼らがどんな生物だったのかについて解説します。
日 時:令和2年9月26日(土)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階大セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:30名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A34
●A35恐竜の陰に隠れた小さな生物(篠山層群産カエル・トカゲ化石)(池田研究員)
兵庫県丹波市、丹波篠山市に分布する篠山層群からは丹波竜に代表される恐竜類とともに、カエルやトカゲと行った我々が一度は目にした事がある小さい生き物の化石が多産します。本講座では、普段あまり注目されないカエルやトカゲ化石に焦点を当て、これまでの研究成果を概説します。
日 時:令和2年9月26日(土)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階中セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:24名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A35
●A30葉の化石を調べよう:ブナとケヤキのなかま(半田研究員)
神戸層群の葉の化石を観察します。今年はブナやケヤキのような、二次脈が羽状の葉を調べてみましょう。
日 時:令和2年10月3日(土)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階実験セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:10名
参 加 費:500円(高校生以下350円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A30
●A36篠山層群の恐竜たち(久保田研究員)
丹波地域に分布する篠山層群からは丹波竜をはじめ、7種類の恐竜の歯や骨化石のほか、卵殻化石も発見され、世界から注目を集めています。このセミナーでは獣脚類恐竜を中心にご紹介します。
日 時:令和2年10月3日(土)13:30~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階大セミナー室
対 象:高校生~大人
定 員:30名
参 加 費:700円(高校生以下500円)
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A36
●はかせと学ぼう!「化石のレプリカをつくろう!」(久保田研究員)
日 時:令和2年10月10日(土)13:00、14:00、15:00の3回
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階オープン・ラボ
対 象:小学生以上
定 員:4組(各回先着順)
参 加 費:100円
備 考:当日4階インフォメーションにて10:00より参加申込の受付を開始します。定員になり次第終了します。
https://www.hitohaku.jp/MusePub/eventdetail/?id=18915
●A31, A32化石発掘体験セミナー(恐竜技師チーム)
恐竜化石の周りの泥岩には、多くの化石が入っている可能性があります。発掘セミナーでは、石を細かく割って新たな化石を探し出します。
日 時:令和2年10月18日(日)10:30~11:30、14:00~15:00
場 所:兵庫県立人と自然の博物館外 恐竜ラボ
対 象:小学1年生~大人
定 員:10名
参 加 費:800円
そ の 他:コロナウイルス感染症予防対策のため、対象年齢は小学1年生以上に変更します。ただしひとりで作業のできる方に限ります。必ず参加者全員の詳細をご明記ください。※発見された化石は持ち帰ることはできません。※気象状況により中止の場合あり。
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A31
https://www.hitohaku.jp/MusePub/seminar/?id=2020A32
●はかせと学ぼう!「アンモナイト石けんをつくろう!」(佐藤研究員)
シリコン型に石けん素材を流し込み、アンモナイト化石のレプリカを作製します。石けんが固まって完成するまでに約30分を要します。
日 時:令和2年10月18日(日)13:00、13:30、14:00、14:30の4回
場 所:兵庫県立人と自然の博物館4階オープン・ラボ
定 員:各回先着15名
参 加 費:300円
そ の 他:当日4階インフォメーションにて10:00より参加申込の受付を開始します。定員になり次第終了します。
https://www.hitohaku.jp/MusePub/eventdetail/?id=18093
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<ひとはく以外が主催の企画>
●世界最小の恐竜卵を発見!~丹波から世界へ,未知の恐竜化石を追え!(丹波市恐竜課)
2020年6月23日に筑波大学と県立人と自然の博物館で共同発表した篠山層群から発見された新卵属・新卵種の卵・卵殻化石について、筑波大学生命環境系助教の田中康平先生をお招きして、講演会を行います。
日 時:令和2年8月29日(土)15:00~16:00
場 所:丹波市山南住民センター 2階集会室
対 象:小学生~大人
定 員:先着50名
参 加 費:無料
備 考:申込締切8月21日(金).丹波市会場で講演会にご参加される方は、事前申込により、住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレスをご記入の上、メール又はFAXでお送りください。電話でのお申込みはできません。
申込先:丹波竜化石工房ちーたんの館 メール kyouryu@city.tamba.lg.jp/FAX0795-77-0891
https://www.hitohaku.jp/infomation/event/dino-egg2020.html
次号は令和2年9月16日(水)に発行予定です。
※都合により前後する場合があります。予めご了承ください。
恐竜タスクフォース 久保田克博