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2014年12月アーカイブ

クリスマスが終わり、2014年のゴールが見えてきました。
皆さまにとって、どんな一年でしたか?

1月4日(日)に開催されるKidsサンデー
追加プログラムが決定しましたのでお知らせします!

NPO法人 人と自然の会の皆さんによる
『サイエンスショー スティックぶんぶんゴマづくり』です☆

アイスのスティック(棒)を使って、ぶんぶん♪よく回る
ぶんぶんゴマを作ります。
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◆時間:13:00~15:00
◆場所:4階ひとはくサロン 
◆対象・定員:5歳以上、200名


そして!年明け最初の開館日、1月3日(土)は、
今年設立20周年を迎えた、連携活動グループ NPO法人 人と自然の会さんが
昔ながらのお正月あそびを用意して皆さんをお待ちしています!

昔のキッズたちが大好きだったお正月遊び、
凧揚げ、コマまわし、羽子板などにチャレンジして、お正月を思いっきり楽しんじゃおう!

『ひとはくのお正月~日本の昔あそび~』
◆時間:13:00~15:00
◆場所:ホロンピアホール(博物館3階から連絡通路で会場へ)
◆対象・定員:なし

もちろん、3日も4日も 『アンモナイトのレプリカづくり』など
フロアスタッフによるプログラムもありますよ!
くわしくはコチラ!

ひとはくは明日28日から年末年始のお休みに入ります。

今年も一年ありがとうございました。
そして来年も皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。

ステキな年末年始をお過ごしくださいね!

(たかせゆうこ/Kidsひとはく推進プロジェクト)

きょうは今年最後の開館日
本日のフロアスタッフとあそぼう「キラキラ万華鏡」もにぎわっておりました。

キラキラ光るモルフォチョウの標本も観察しましたよ。


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また、12/24(水)に行われた うきうきワークショップ「チョコで作る恐竜の歯」も
たくさんのお客様にご参加いただきました。ありがとうございます。

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お正月もイベントをたくさん用意しておりますので、来年もひとはくに、ぜひお越しください。
新年は1月3日(土)より、開館いたします。スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。

みなさま、よい年をお迎えくださいませ。

                                                                     (フロアスタッフ まつだ)

☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆...☆

+。::゚ハッピークリスマス+。::゚
みなさんのところにサンタさんはやってきましたか?

ひとはくでは、ただいまアンモナイト化石のレプリカをつくるイベントを行っております♪
好きな色をえらんで、カラフルなアンモナイトをつくってみよう♪
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▲レプリカ見本とイベントの様子

本日、参加できなかった方は明日 12/26(金)お正月(1/3(土)・1/4(日)にも行いますので、ぜひ作ってくださいね。

s-anmo1.jpg ◀くわしくは、こちらをクリックしてください

また、12/27(土)のイベントは
フロアスタッフとあそぼう 「キラキラ万華鏡」 を行います。キラキラ光る万華鏡をつくろう!
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当日10:00から4階ひとはくサロンにて、参加申し込みの受付を開始。定員になり次第終了します。

時間:13:30~14:00 場所:4階実習室
定員:10名 参加費:200円

クリスマス・お正月のイベントはうきうきカレンダーでチェック!
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▲くわしくは、こちらをクリックしてください。



  博物館の年末年始おやすみ    

2014年12月28日(日)~2015年1月2日(金)

新年は1月3日(土)から、開館いたします♪
                                      (フロアスタッフ まつだ)

もうすぐ、冬休みですね。

冬は虫がいなくて寂しいな〜と思っているキミたちへ、朗報です!!

「あすたむらんど徳島」さん(徳島県立 あすたむらんど 子ども科学館:徳島県板野町)にて、
12月30日(火)から1月18日(日)の間、「真冬の昆虫展」を共催いたします。
会期中、1月5日(月)・6日(火)の二日間は、移動博物館車「ゆめはく」が出動し、「むしむしたいけんinとくしま」を実施いたします!

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ひとはくは、12月28日から1月2日までお休み。1月3日・4日はお正月開館いたしますが、1月5日から2月6日の間は、メンテナンス休館となります。

みんな、橋を渡って、徳島へ、ドライブだっ!!
あすたむらんどは、子ども科学館のほか、プラネタリウムや「わんぱく砦」もあり、子どもたちが一日遊べる施設です。
交通案内などの情報は、あすたむらんど徳島のホームページでお確かめください。

「真冬の昆虫展」では、ひとはくから、昆虫標本105箱を展示いたします。

こんな感じで、モルフォチョウが、壁にずらりとならびます。
名付けて青一色記念撮影してください。
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タマムシやカナブンたちも、かわいいよ。記念撮影してください。
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そのほか、セミやカマキリなど、身近な虫たちも。
まだひとはくではデビューしていない新作もあります。

大きな虫さん模型は、2体。カブトムシ(左端)とオオスズメバチ(右から2番目)が参ります。
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昆虫迷路や世界のカブトムシの生体展示もあり、もりだくさんです。

1月5日・6日は、「むしむしたいけんinとくしま」
1月5日は午後から、6日は朝から夕方まで開催。
世界の生きたカブトムシにさわれます(ひとはくのときより、種類が多い!)。
イモリくんたち、連れて行きます。
残念ながら、大っきな虫かご(蚊帳)は、設置いたしません。(中に入ってくれる虫さんが、いないから)
ぬり絵もできますので、ぜひいらしてください。

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(八木 剛 記)

今年も残すところ、あとわずか...楽しいクリスマスまでもうすぐですよ♪

さて、博物館のおやすみ のお知らせです。

 年末年始  2014年12月28日(日)~2015年1月2日(金)

新年は1月3日(土)より、開館いたします♪お正月はぜひ、ひとはくへお越しくださいませ。


また博物館はメンテナンスのため、1月5日(月)から長期休館いたします。

 冬期メンテナンス休館  2015年1月5日(月)~2015年2月6日(金)

2月7日(土)から開館となります。

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クリスマス・お正月のイベントはうきうきカレンダーでチェック!

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▲くわしくは、こちらをクリックしてください。


ご参加お待ちしております。 
                                        (フロアスタッフまつだ)

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毎週土日祝日
に好評上映中の、フロアスタッフ手作りによる「デジタル紙芝居」

今日は、間もなく上映開始の新作デジタル紙芝居についてご紹介させて頂きます♪

 




  新作    デジタル紙芝居『オランとウーたんのジャングル探検記』

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舞台はボルネオ島のジャングル。
二匹の子どものオランウータン、オランウーたん
〝世界一おいしいくだもの〟をさがしに、ジャングル探検にでかけます。

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〝世界一おいしいくだもの〟って、どんなかたちをしていて、どんなにおいがするのかな?

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ジャングルには、また見たことのないふしぎな植物や動物がたくさん!
はたして、オランとウーたんは〝世界一おいしいくだもの〟をみつけられるのでしょうか?
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 『オランとウーたんのジャングル探検記』初演12月20日(土) です!





今後の上映スケジュール

12月   20日(土)・21日(日)・23日(火/祝)

  1月   3日(土)・4日(日)

※上映時間などの詳細は、ひとはくHPのイベントカレンダーでご確認ください。

http://www.hitohaku.jp/MusePub/EventCalendar/

 


「オランとウーたんのジャングル探検記」以外にも、たのしい紙芝居をたくさんご用意しております!
 詳細は コチラ 

その日によって上映作品も変わりますので、コチラ で上映予定を確認して是非観に来てくださいね♪



フロアスタッフ一同、おまちしております。

 




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フロアスタッフ たにぐち はるな

 


クリスマスまでもう少しですね。
街の楽しい雰囲気にわくわくします(^^)♪

実は、フロアスタッフに新しい仲間が加わりました!
ご紹介します、石倉さんです。

======石倉さんからのメッセージ======

まだまだドキドキの日々ですが、楽しいです。
みなさまに気持ち良く博物館をご利用いただけるよう
頑張りますので、どうぞよろくしお願いいたします。

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優しい雰囲気をもっている石倉さんに、
フロアスタッフ一同、日々癒されています。
ぜひ、みなさん会いに来てくださいね!

さて、そんな石倉さん初めてのイベント
「画はくの日」が12/13(土)、(日)に行われました!
今回のテーマは「2階生物多様性フロア」です。

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まずは、「コウノトリ」のお話から。
兵庫県のシンボルにもなっているコウノトリ、
ヨーロッパのコウノトリと兵庫県のコウノトリの違いなど、
みなさん真剣に聞いています。

お話が終われば、さっそく作業開始!
みんなどの標本を描くのでしょうか?
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お父さんと一緒に作業、描いているのは鳥類の標本です。
どの色が本物に近いかな?
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色を塗って、完成!
可愛らしく描けた絵にみんなの笑顔、すごく素敵です(*^^*)
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たくさんのご参加、ありがとうございました!

次回のフロアスタッフとあそぼうは
12/20(土)、21(日)、23日(火・祝)に行われる
ゆらゆらゆれる「クリスマスモビール」です。
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クリスマスにぴったりの可愛らしいモビールを作ってみませんか?

みなさんのご参加、
心よりお待ちしております!

フロアスタッフ きただにさやの





ユニバーサル・ミュージアムをめざして61

インクルーシブ。 ん? 何のこと?-2

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

 2014年12月7日の日曜日に、ひとはくの博物館セミナー「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」を開きました。「障がい者と社会のあり方」について、皆で本音をぶつけてみようというのが、このセミナーの主旨です。セミナー参加者には、あらかじめ要求を出していただき、それに応えながら、よいセミナーを作り上げていく。まるで"インクルーシブ・セミナー"です。

 

☆   ☆

 

 セミナーを準備する前に、ある参加者から「三谷さんの書いた原稿の意味が、今ひとつ判(わか)らないのだが、それを説明して欲しい」と注文を受けていました。わたしが「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」の57 (1) と58 (2) に書いた、「誰が美しいと決めるのか?」の事です。こうおっしゃるのも無理はありません。その方は高次脳機能障がいの一種で、ろうに似た聴覚失認という症状あり、カタカナや、ひらがなばかりだと意味が取れないという症状もお持ちだからでした。この原稿で使った大事な言葉は「バリアフリー・デザイン」、「ユニバーサル・デザイン」、「インクルーシブ・デザイン」の三つです。三つとも、そろって外来語です。読んでもカタカナばかりで、さっぱり意味がわかりません。

 

 その上「誰が美しいと決めるのか?」の文章では、「ユニバーサル・デザイン」と「インクルーシブ・デザイン」の二つに、どんな違いがあるかがわかっていないと、議論できません。ところで、わたし自身、かつてはそんな言葉が区別できなくて困ったことがありました (3) 。そこで、今回のセミナー「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」ではこの三つを取り上げ、わたしなりの解説を試み、自由に議論していただこうと思ったのです。

 

 聴覚失認の方というと、「聞いてもわからない」、「頭の中から言葉が消えてしまった人だ」と誤解している方が、よくいらっしゃいます。わたしも似た経験があるので強調しておきます。頭の中から「言葉」が消えてしまうことは決してありません。そうではなくて、言葉を形作る音が、まるで風や波、洗濯機のモーターが廻る音と同じように聞こえてしまい、意味をなさないのです。しかし認識は、しっかり保っていらっしゃいます。

 

 そうした人と会話をする時には、「要約筆記(ようやく・ひっき)」という技術があります。喋った言葉を、そのまま文字に直していくのは「口述筆記(こうじゅつ・ひっき)」ですが、それだと書き手が疲れます。いつ喋り始めるかわからないので、息も抜けません。その上、何から何まで記録したのでは、読む聴覚失認者にとっては情報が多すぎて、頭がパンクしてしまうのです。そこで、要点だけを書いて行く「要約筆記(ようやく・ひっき)」が生まれました。

 

 ただ「要約筆記」をするのには技術が必要です。講演会などでは、ろう者や聴覚失認者のために、手話通訳者と共に要約筆記者が活躍しますが、よい要約筆記者であるためには練習が必要なのです。でも要は慣れだという事にしておきます。わたしに立派な「要約筆記」はできませんが、今回のセミナーでは、白紙を大量に持ち込むことにしました。この白紙に喋ったことの要点を書いて、参加者にお示しすることにしたのです。――実際は、わたしがヨチヨチと左手で書くのを見かねた別のセミナー参加者の方が、筆記を引き受けて下さいました。セミナーが終わってから、書いた紙はコピーを取って、皆で一部ずつお持ち帰りいただきました。筆記を引き受けて下さった○○さん、ありがとうございました。

 

☆   ☆

 

 今回のセミナー「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」では、「バリアフリー・デザイン」、「ユニバーサル・デザイン」、「インクルーシブ・デザイン」の違いについて、わたしなりに説明をしてみました。こうすれば、ひとはくブログ「誰が美しいと決めるのか?」も、どうしてそう書いたのか、意味がわかってもらえるのではないかと考えたのです。

 

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 まず「バリアフリー・デザイン」からです。

 

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 バリアとは「障壁(しょうへき)」のことです。生活をする上で、いろいろ障壁になることがある。その障壁、つまりバリアを取り除けば、困っている人が生活しやすくなる。具体的には、視覚障がい者の進路をガイドする黄色の点字ブロックや、車イス利用者のために階段をスロープにするといったことが当たると思います。

 

 しかし、困難が困難だと認識されない人にとってはどうでしょう? 解決が技術的に難しいとか、お金がかかりすぎる場合です。困難が「困難である」と認識できないのならば、当然のことながらバリアを取り除く努力はされません。多数者が無知であっても起こります。例えば宗教上の理由で学校に通うことのできなかった(=母語以外の言葉はしゃべれない)人が、突然、異民族の中に投げ込まれたとしましょう。そんな人が近所に住んでいても、多くの人は(=その人にとって異民族のコミュニティでは)どう対処したらいいかわからないでしょう。「難民」には、そんな人が現にいます。

 

 「バリアフリー・デザイン」に対して、わたしが抱くイメージを図に表すと、次のようになります。

 
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 バリアフリー、つまり、バリアから自由になる人が一部にいるのに、同じ社会に暮らしながら、バリアが無くならない人もいる。これは理不尽です。なくさなければ、ご近所として平穏には暮らせません。それなら「バリアフリー・デザイン」は止めて、最初から、もっと多様な人が住む生活を想定したらどうでしょう? この方が居心地はいいでしょう。それが「ユニバーサル・デザイン」です。

 
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 「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」が、「ユニバーサル・デザイン」に根ざした社会のあり方です。障がいがある人やない人、年齢、性別、民族や母語、人種にかかわらず、さまざまな人が、いっしょに生活できるようにしようという考え方です。「ユニバーサル・デザイン」なら、「バリアフリー・デザイン」のように、困難があっても無視されるということは、(建前上は)無くなります。

 

 都道府県や市町村、あるいは公(おおやけ)の施設では、「ユニバーサル・デザイン」の考え方を採り入れている所が多くあります。この考え方なら、知らない内に人を差別する畏(おそ)れはなくなります。そもそも、そのような地方自治体や公(おおやけ)の施設で働いている全ての人が、「人権」を理解しているかと言えば、そんなことはありません。当然、ルールを無視する人もいるのです。そこで、「ユニバーサル・デザイン」の考え方をマニュアルにして、考え方は理解できなくても、「こんな場合は、こうしましょう」と、例をあげておく事がよくあります。マニュアルがあれば、「なぜそうするのかは理解できなくても、取りあえず、そうしておく」事が可能になるからです。

 

 実際には、マニュアルに忠実に従っていたとしても、本質を理解していないために、バリアがバリアのまま残される――それでもマニュアルには従っているのだから、設置者の責任ではない!――事がよくあります。例えば階段の手前で「危険、注意!」の点字ブロックはあるのだが、点字ブロックと階段の手すりが遠くに離れすぎているために、視覚障がい者の手が手すりに届かなくて、実質的に「注意!」は用をなさないといったことがあります。また車イスを使えば自力で上り・下りできるはずのスロープが、上半身にマヒがあるために力が足らず、現実には上り・下りできなかったり――中でも下りるのは恐い――と言ったことは、しょっちゅう、驚くほど身近で起きています。

 

 つまり、「よくできたマニュアル」があり、それに従っていたとしても、「実際に使う人の意見は、何も聞いていない」という愚かな事が起こっているのです。言いかえると、「ユニバーサル・デザイン」とは、具体的な生活者ではなく、どこにもいない「人というもの」=「抽象的、観念的、非現実的な人」を対象に組み立てた、仮想空間にある「仮の図面」に沿った建物や社会だと言えるのかもしれません。きつい言い方かもしれませんが、これは現実に起こっている事です。

 

 「ユニバーサル・デザイン」に対して、わたしが抱くイメージを図に表すと、次のようになります。

 

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 非現実的な、目の前にいない人を想定して作る「ユニバーサル・デザイン」は重大な欠陥があるのですから、別のデザインを考えましょう。計画の作り始めから困難を抱えた人が参加する「インクルーシブ・デザイン」はどうでしょうか。

 

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 「インクルーシブ・デザイン」では、作り始めから高齢者や障がい者など、いろいろな立場の人が、その人なりの要求を出し、デザイナーといっしょになって、その要求を実現するように計画します。その人が美しい、使いたい、行ってみたいと思うようなデザインを創造していくのです。「美しいはずだ」とか、「使いたいはずだ」、あるいは「行ってみたいはずだ」というのではなく、「当事者がデザイナーといっしょになって社会を創る」という考え方です。協働(きょうどう)という言葉がありますが、それに近いのかもしれません。ただ、あくまで具体的に困っている A さんや B さんと、デザイナーの a さんや b さんが共同で創り出す、具体的な「美しい」もの、「使いたい」もの、「行ってみたい」ところという意味です。

 

 「インクルーシブ・デザイン」(4) に対して、わたしが抱くイメージを図に表すと、次のようになります。

 

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 「インクルーシブ・デザイン」には、丁寧(ていねい)な共同作業が必要です。当事者は、「困っている事の本質」をよく理解して主張しなければ、ただのワガママになってしまいます。またデザイナーも、自分のことではなくても(=実感ができなくても)「本当に困っている事の本質」は理解する必要があります。

 

 「インクルーシブ・デザイン」はいいことずくめのように思えます。しかし、現実に、社会の全てにわたって実現することは難しそうです。「ユニバーサル・デザイン」に比べて、何倍ものお金が必要ですし、マニュアルも、なかなか作れないでしょう。第一、あまりにも多くのデザイナーが必要です。しかも、デザイナーなら誰でも、敏感な人権感覚を持っているわけではありません。これは当たり前です。

 

 そのような中で、「インクルーシブ・デザイン」を実践しようと努力している場所があります――「できている」と言っているのではありませんよ。それは教育現場です。生涯学習施設でも努力している場所はあるのですが、ここでは学校教育を取り上げます。

 

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 なぜ教育に「インクルーシブ・デザイン」なのでしょうか? それは公共財であり、社会的共通資本である「教育」という営みでは、一人ひとりの要求や才能、興味などを尊重しなければならないからです。そのために教育は、もともとインクルーシブ・デザインとは相性が良いのでしょう。「インクルーシブ教育」(5) という言葉もあります。

 

 教育の受け手――学校教育では生徒――の一人ひとりの要求を満たす教育では、担任はデザイナーに当たります。ひとりの先生がひとりの生徒を世話するのが理想でしょう。しかし、現実にはそうもいかないのです。それで副担任を置きます。授業や教室の運営を主にするのは担任ですが、一人ひとりの生徒が教育を受ける時、何かに困っていると、副担任がそれに応じた補助をします。地域によって、またクラスによっても違うのでしょうが、副担任が複数いる場合もあります。繰り上げ算ができなかったり、漢字が書けなかったりする生徒に合わせた教え方をしてくれますし、突然、海外から来た生徒には言葉の面倒もみてくれます。簡単な挨拶は、ハングルや北京語、広東語、南米のスペイン語やポルトガル語、フィリピンのタガログ語といった、生徒の母語に合わせた言葉を使ってくれる公立学校があるそうです。

 

 生活する上での困難、特に「障がい」の考え方は大きく変わりつつあります。新しい「障碍観(しょうがい・かん)」では、〈医療モデル〉から〈社会モデル〉に移行しつつあります。〈医療モデル〉では、「障がい」はケガや病気といった「治すべきもの」でしたが、〈社会モデル〉では、いびつな社会の仕組みが「障がい」を新しく作り出していると考えます。「健常者」という抽象的、観念的、非現実的な「ひと像」を持ち続けるより、現実的で多様な人を目の前にして、具体的な対処法を考える方がよい。わたしは、それが〈社会モデル〉だと解釈しています。

 

 「コミュニケーション障がい者にわかりやすい文章とは?」ということを考えて、この話題を終わりにします。

 

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 この図は、IFLA(国際図書館連盟)という組織が本や文章を読みにくい人のためにまとめた、「読みやすい図書」の対象となる人びとを表す図です (6) 。円がだいたいの対象グループを表し、四角形は読みやすい図書を示しています。この図と具体的な「インクルーシブ・デザイン」との関係は、わたしにも、まだよくわかりません。さまざまな人の読みにくさを同時に満たす文章の書き方を工夫しているのですから、ひょっとすると、これは「ユニバーサル・デザイン」の試みなのでしょうか?

 

 「バリアフリー・デザイン」、「ユニバーサル・デザイン」、「インクルーシブ・デザイン」のそれぞれに欠点はあります。大切な事は他人の〈こころ〉を理解することですが、社会には大勢の多様な人が生活しています。一律に「他人の〈こころ〉」を理解しようと言っても、機嫌の悪い、理解する余裕のない時は誰にでもあるものです。必ずしも理解できるとはかぎりません。そこで、デザインが必要になるのです。

 

 人と人の触れあいにデザインを利用しようとする時は、「ユニバーサル・デザイン」とか「インクルーシブ・デザイン」とかといった言葉には囚(とら)われずに、誰も区別することなく、しかし丁寧に、対応する事が必要ではないでしょうか。

 
☆   ☆

 このようなセミナーでした。いかがだったでしょう? 全国の皆さん、感想をおよせ下さい。

 

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 (1) 「誰が美しいと決めるのかー1」
http://www.hitohaku.jp/blog/2014/10/post_1923/

(2) 「誰が美しいと決めるのかー2」
http://www.hitohaku.jp/blog/2014/10/post_1924/

(3) 「ユニバーサル・ミュージアムをめざして4:ことばの整理」(2012年4月10日付けひとはくブログ)
http://www.hitohaku.jp/blog_old/2012/04/post_1498/

(4) たんぽぽの家が出した「インクルーシブデザインの手法によるユーザー参加型デザインの仕組みづくりに関する調査研究」という報告書:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/jiritsushien_project/seika/research_09/dl/result/08-07a.pdf
の21ページから57ページには、
具体的な制作の過程が載っていて、よくわかります。

(5) 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

(6) 三谷雅純 (2013)  「生涯学習施設は言葉やコミュニケーションに障がいを持つ人とどう向き合うべきか : 総説」(人と自然 Humans and Nature 24: 33−44)
http://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin/No24_04.pdf
の図1(40ページ)にあります。


 

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 ふたご座流星群

2014年12月14日
今年最後の大きな天体ショー(?)かな、ふたご座流星群
50枚の内の1枚
 こんな感じで撮ってきました(2014/12/13 22:40~23:25)。途中から雲に覆われ40分間ほどの観測でしたが、肉眼では10数個確認できました。写真は50枚の内の1枚に残ってました(ISO3200 F3.5 SS30")。
 極大(もっともたくさん流れると予想される時間)は14日21:00頃といわれていますが、前後1週間位は流れていますから、十分観測出来ると思います。

 ですが、めっちゃ寒いので風邪などひかないよう万全の防寒対策でお出かけください。



めっっっっっちゃ、寒いねんて(‥;)

もうすぐ楽しいクリスマスですねs-s-kutusita.jpg
4階ひとはくサロンには 大きなクリスマスツリーがあります
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12月のうきうきワークショップは、クリスマス スペシャルバージョンで
恐竜の歯のレプリカを チョコレートでつくるイベントを用意しておりますよ☆゚o。
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12/24(水)  「チョコで作る恐竜の歯」

時間:①10:30~11:30 ②13:30~14:30                        
場所:4階実習室 参加費:300円 各回定員:15名

当日10:00から4階ひとはくサロンにて、参加申し込みの受付を開始
※定員になり次第終了

カラフルな アンモナイト化石のレプリカも つくることができます。
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12/25(木)・26(金)  「とっても簡単!化石のレプリカづくり」

時間:10:30~16:00 随時受付 (時間内はいつでもご参加頂けます。)
場所:4階ひとはくサロン 参加費:100円

※材料がなくなり次第終了

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▲くわしくは、こちらをクリックしてください

ほかにもイベントがいっぱい!ぜひ遊びにきてくださいね。

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▲フロアスタッフのイベント、くわしくはこちら

ちなみに 年末年始のおやすみは

2014年12月28日(日)~2015年1月2日(金)となっております。
ひとはくは、1月3日(土)から開館しますよ!

                                                              (フロアスタッフ まつだ)

-2℃(マイナス2度)を記録した12月7日、
今年最後のKidsサンデーが開催されました。

さすがに元気なキッズたちも朝は寒かったのか、
寒さがすこしゆるんだお昼頃からぞくぞくと遊びに来てくれました。

◆わくわくネイチャー・テクノロジー自然ってすごい!
『どんぐり☆ラボ』&『タのしいネ☆プレイルーム』
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141207Kidssunday (6).JPG 141207Kidssunday (4).JPG
『どんぐり☆ラボ』では植物はかせとどんぐりの不思議を探りました。
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141207Kidssunday (1).JPG
『タのしいネ☆プレイルーム』ではドングリやオオオナモミなどの「タネ」を使ったゲームや工作に挑戦!
 
◆オープンセミナー『落葉をはりつけ 絵をかこう』
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◆四季の星空案内 冬編
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4階ひとはくサロンから深田公園を見てみると...一角に人だかりが!
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『ひとはく探検隊「落ち葉であそぼう!」』に参加の皆さんでした。
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詳しくはコチラ(フロアスタッフのブログ)!

今回のキッズサンデーでは、キャラバンで伺った幼稚園に通っているお友だちが、
ご家族で遊びに来てくれて、ひとはく研究員やスタッフと感動の再会!が何度かありました。
スタッフ一同、とっても嬉しかったです(^^)
キッズたちを連れてきてくださった保護者の皆様ありがとうございます。

次回のKidsサンデーは2015年 1月4日(日)です。

新年のひとはくは1月3日(土)からオープンしています!
毎年恒例、NPO法人人と自然の会のみなさんによる
「ひとはくのお正月~日本の昔遊び~」(13:00~15:00)
では、羽根つきや凧あげなどができます!
もちろん、フロアスタッフの楽しいプログラムも実施しますよ!

ひとはくの年始年末のお休みは
2014年12月28日(日)~1月2日(金)です。

年末年始はキッズの皆さんも大忙しだと思いますが
風邪などに気をつけて、楽しい時間を過ごしてくださいね!

最後に、クリスマス☆クイズをプレゼント!

Q:クリスマスカラーが入っている虫さんです。名前がわかるかな?(答えは最後)

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クイズの答え:①ヤマトタマムシ②アカエリトリバネアゲハ
       (たかせゆうこ/キッズひとはく推進プロジェクト)

本格的な寒さが近づいていますね。
お布団、こたつ、ストーブ、お鍋、恋しい季節になりました。
みなさん、体調を崩さないよう寒さ対策をしっかりなさってください!

さて12月7日(日)に、ひとはく探検隊を行いました。
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今回は、植物博士の黒田研究員と深田公園で
色々な種類の落ち葉を拾って遊びました!

身近なものでできる遊びに、子供たちからは驚きの声がたくさん!
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何ができるのかわくわく♪


拾ってきた植物について、熱心に質問する子もいました。

きのみもたくさん!
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みんなそれぞれ、お気に入りも見つけました。
こちらは双子のどんぐり、とってもかわいいです。
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約1時間で...
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葉っぱ、きのみがこんなにたくさん!
どれも衣替えをしていて、とてもきれいですね(^^)!

寒い中、たくさんのご参加ありがとうございました。

 

次回のフロアスタッフのイベントは、
12月13日(土)、14日(日)の「画はくの日」です。
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たくさんある展示のなかで今回のテーマはどこでしょう?
今年最後の「画はくの日」。
週末はぜひ、ひとはくへお越しください。

フロアスタッフ きただにさやの

ユニバーサル・ミュージアムをめざして60

インクルーシブ。 ん? 何のこと?-1

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

seminar 0 black_line.gif博物館セミナー「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」

 

 口(くち)では「誰にでも読みやすい文章」を書いたり、「誰にでも わかりやすい話し方」をすることは、とても大切なことだと言います。しかし、実際にやってみると、大変に難しいことが よくわかります。言葉は、時や場所がら、場合に応じて柔軟に使い分ける必要があるからです。具体的には、たとえば、いつ育ったかによって書く文章は変わりますし、使う話し言葉も変わります。おじいさんや、おばあさんに、子ども言葉で話したのでは相手を傷付けます。素直なおじいさん・おばあさんなら、怒り出すかもしれません。反対に小さい子どもに対して、おとなのように話しかけるのも変です。これは考えものです。

 

 同じように、自分とは違うコミュニケーション手段を使う人に対しては、自分と相手が共にわかる方法を探さなければなりません。たとえば、耳があまり聞こえない難聴者や聴覚失認者、ろう者には、話しかけるよりも、書いて意味を伝えることが大切です。また手や腕にマヒがある人は文字を書くことが苦手ですから、書きたくても、ゆっくりとしか書けません。わたしは右半身にマヒがありますが、字や絵が必要な時は左手を使って、それこそ、ヨチヨチと書き、また描くのです。わたしとの〈文字を介した対話〉では、テンポが遅いのは我慢(がまん)して いただかねばなりません。

 

 ひとはくの博物館セミナーで、わたしは「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」を企画してきました。ちょうど12月3日から9日までは障害者基本法によって障害者週間と定められています――12月9日が「障害者の日」です――し、国際連合で1992年に宣言された「国際障害者デー」が、毎年12月3日です。それに合わせて、このセミナーを企画したのです。「障がい者と社会のあり方」について、既存の考え方に縛られずに、皆で本音をぶつけてみようという意図があります。

 

 ところが、しばらく前から何とはなく皆さんの集まりが悪くなってきました。なぜかと考えて思い付いた理由が、この企画は飽きられてしまったかもしれないと言うものでした。それとも、ひとはくは公共の博物館ですから、「県の福祉施策を宣伝する場に利用しているのではないか」と誤解されたのかもしれません――わたしは本務が兵庫県立大学の教員ですから、「兵庫県はまったく関係がない」とは言いませんが、あくまで研究者であり、大学の教員です。行政職員のつもりはありません。とりあえずは、障がい者を含むヒトの多様性や社会の多様性を全面的に肯定してみる。そこから出発すると、世界はどう見え始めるのかが、わたしの発想の基本です。セミナーの企画にも、基本的に研究者の発想があるのです。ですから、場合によっては兵庫県行政の施策方針に反する主張もあるに違いありません。

 

 2014年の博物館セミナー「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」は、受講された方が少なかったので、最初は困ってしまいました。しかし、ある時、ふと気がつきました。

 

受講者が少なければ、その方の特別な要求に合わせたセミナーを創ってみたら、どうなるのだろう。

 

 さまざまな方が参加して下さるのなら、あまり特定の方ばかりの要求に合わせたセミナーはできません。極力、皆さんが満足できるように、セミナーのやり方を工夫しなければなりません。しかし、2014年度は人数が少ないのだから、セミナーのやり方を、特定の人に合わせることができます。よい考えに思えました。

 

 わたしは、このアイデアにワクワクしました。それって、つまり、インクルーシブ・デザインのやり方ではないのか? そう、まさにインクルーシブ・デザインです。受講者は、ただ座っている「お客さま」ではなく、その人なりの要求を出し、それに講師(=三谷)が応えて、セミナーを創り出す。その中から新しいものが生まれる。そういうことかもしれません。一回ごとに、個別のセミナーを創っていくのです。

 

 そのようなセミナーを創り出すためには、あらかじめ受講者の困難さを、よく知っておく必要があります。幸い2014年度の受講者は、以前から深い付き合いのある方ばかりでした。

 

 具体的なセミナーの内容は、後で述べます。今は、まだどうしても超えられないインクルーシブなセミナーの課題を書いておきます。

 
☆   ☆

 ひとつは、いくら工夫しても残る「特定の人」のことです。今回は、この困難がある方はおられませんでしたが、たとえば「赤ん坊」はセミナーには参加できません。なぜなら、赤ん坊は言葉がわからないからです。少なくても2歳ぐらいにならないと、会話ができません。本当の意味で社会性が育つのは、小学校の高学年ぐらいだと言います。

 

 「赤ん坊がセミナーに参加できないなどと、当たり前のことだ」と切って捨てないで下さい。ここで言う「赤ん坊」には、1歳に満たない本当の赤ん坊もいますが、それよりも、もっと多くの人が含まれるからです。幼児や児童は「赤ん坊」とは違いますが、精神の発達では赤ん坊に毛が生えたようなものです。知的障がい者の心は――肉体の年齢はどうであれ――発展途上の段階です。認知症者でも同じです。一旦は獲得していた社会性ですが、だんだん失われることが多いのです。これらの人全員が、今は「赤ん坊」と呼んでいる人たちです。この「赤ん坊」に接する術(すべ)を、ぜひとも見つけなくてはいません。

 

 もうひとつは、どのデザインにも付き物の短所のことです。ユニバーサル・デザインにせよ、インクルーシブ・デザインにせよ、長所があれば、必ず短所もあります。このブログは「ユニバーサル・ミュージアムをめざして」ですので、ユニバーサル・デザインに寄りかかっているみたいですが、実際にはインクルーシブなものの見方をしていることも多いのです。

 

 わたしが言いたいことは、他の人の優れたアイデアをそのまま借りてきて実行するということではなく、アイデアの優れたところを生かしつつ、自分たちの実際に生活するコミュニティに合った具体的なものを創り出す。それが超えていかなければならない課題だと思います。ユニバーサル化、インクルーシブ化といった名前にはこだわらずに、物事の本質を探っていきたいと思うのです。

 
☆   ☆

 次は「インクルーシブ。 ん? 何のこと?-2」として、具体的な博物館セミナー「むすぶ、ひらく、ユニバーサルなこと」のようすをお伝えします。お楽しみに。(一気に書いてしまおうかと思いましたが、書き切れませんでした。)

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所
/人と自然の博物館

小さな学校キャラバン】本年度最終回!!
行ってきました、小さな学校キャラバン ~ 丹波市立神楽小学校 2014/11/27 ~


10月23日からスタートした小さな学校キャラバン。7校目の訪問となる丹波市立神楽小学校に出発しました!
神楽小学校にはビオトープがあります。15年前に総合的学習の一環で、人と自然の博物館の中瀬館長をはじめ博物館の研究員たちのアドバイスでビオトープが作られた経緯があり、博物館にとってもゆかりのある学校です。今回の学校キャラバンにはNHK神戸放送局の取材班が同行されています。
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午前中は、1・2年生19名を対象に研究員の先生が神楽にある樹木について葉の写真を見せながら説明されました。 児童たちも質問に活発に答えていました。
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次に校内にあるビオトープを散策し、兵庫県のレッドデータブックのBランクに指定されているバイカモ(梅花藻)について説明されました。 15年前には、現地の川でもいたるところで見ることができましたが、今ではほとんど見ることができなくなっているそうです。

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先に説明された樹木について、現地で解説されています。児童たちも、樹木の名前をよく知っていて驚きました。
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移動博物館車ゆめはくの中を見学しました。みんなきれいな色をしたチョウや兵庫の昆虫を納めた標本箱に大興奮です。
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再び教室に戻って、次は化石のお話です。まず丹波竜の発見と名前の由来について聞きました。実際の化石を手に持って、その重さに驚いていました。
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次に佐治川で実際見つけた化石についてお話しを聞きました。 この化石は古生代のペルム紀(今から2億8千年前)に、放散虫が死んで海の底に沈み、地形の変化とともに長い年月を経て今ここにあることを、児童たちにわかりやすいように説明されました。また、佐治川は火山の噴火によってできた石が多いそうです。DSC_8279.JPG


次にアンモナイトについてクイズを交えて学習したあと、実際にアンモナイトのレプリカづくりに挑戦しました! 各自好きな色を2つ選んで自分だけのオリジナルなアンモナイトを作りました。
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午後からは、中瀬館長も到着し、3・4・5年生の26人を対象にビオトープについて説明されました。 具体的にビオトープ発祥の地といわれるドイツ、アメリカの事例を用いて神楽小のビオトープについて説明されました。
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中瀬館長も久しぶりにビオトープを訪れられました。15年前に作られたビオトープですが、児童のみなさんのご協力もあり管理ができていると感想を述べられていました。
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最後に、ゆめはくの中の標本箱を見学しました。NHKのインタビュー取材もありました。
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この日はNHKの取材班もあり、児童たちにとっても思い出に残る充実した一日になったと思います。
本年度からスタートした「小さな学校キャラバン2014」は丹波市立神楽小学校で最終回となります。
また、来年度新たに訪問させてもらうかもしれません。お楽しみに!!

小さな学校キャラバン隊

展示物に近づくと、スマートフォンで展示物の説明がみられるアプリ
『館ナビ』ご存知でしょうか?
ひとはくでは、実証実験として試行しています。

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体験いただくには、お手持ちのiPhoneにアプリをインストールする必要があります。

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博物館の3階入口、『館ナビ』案内板にQRコードがありますので、そちらでもインストール可能ですよ。


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▲『館ナビ』アプリ

『館ナビ』ガイドを開き、展示物に近づくと...
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情報(写真・文章など)が自動 表示されます!


3階・2階の展示物の情報が自動的に切り替わってみることができ 面白いですよ(^^)

ぜひ、おためしください。

◆『館ナビ』アプリ(無料)


・実施予定期間:2014年10月24日~2015年3月31日(予告なく中断・休止する場合があります。)
・対応する機種:iPhone(iPhone4s以降)/iPad

App Storeで『館ナビ』と検索すると、簡単にインストールできます。

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