ヤマモモ(ヤマモモ科)は、
冬にも緑色の葉を付けている
常緑樹(じょうりょくじゅ)で、
近くの公園や道路沿いなどで
よく見られる木です。
今年の6月までの観察では、
ヤマモモの果実を食べる
生きもの のことを
「ヤマモモ食堂のお客さん」
として、いくつかの記事で
紹介しました。
よろしければ、下記の
ひとはくブログ記事を
ご覧ください。
<ヤマモモ関連の記事>
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2024年6月25日
ヤマモモ食堂のお客さん(イートイン 編)
https://www.hitohaku.jp/blog/2024/06/post_3103/
2024年6月25日
ヤマモモ食堂のお客さん(テイクアウト 編)
https://www.hitohaku.jp/blog/2024/06/post_3105/
2024年6月29日
ヤマモモ食堂のお客さん(デリバリー 編)
https://www.hitohaku.jp/blog/2024/06/content_32/
2024年6月30日のひとはくブログをご覧ください。
ヤマモモ食堂の「チビ盛り店」と「デカ盛り店」
https://www.hitohaku.jp/blog/2024/06/post_3109/
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さて、今回は、その後の
観察報告です。
ヤマモモの果実は、その後
枝から(木の下の草地や近くの
アスファルトの上に)
落ちてしまい・・・
※画像をクリックすると、写真が拡大するものがあります。
▲樹冠(じゅかん)下に落ちたヤマモモの果実
清掃されずに放置されたら、
果肉(外果皮)部分が
微生物などによって分解
(発酵?腐敗?)
されていきました。
落ちて約2週間経つと、
黒っぽくなってましたよ。
▲アスファルトの上に落ちて
約2週間放置された
ヤマモモの果実(7月中旬)
その後、堅い「核(かく)」の
部分だけ(掃かれて)道沿いの
草地の上に(ヤマモモの枝から
直接落ちたものも含んで)
たくさん残っていました。
草地の草刈りも実施されました。
季節が進み、(夏が長かった?けど)
秋から冬にさしかかると...
12月上旬の朝、6月に大粒の果実が
なっていたヤマモモの下に
ヤマガラ(シジュウカラ科)が
複数いることに気が付きました。
▲ヤマモモの木の下にいるヤマガラ
そのヤマガラは、ヤマモモの核を
くわえると...、
▲ヤマモモの核をくわえたヤマガラ
飛んで近くの木の枝に止まり...、
▲近くの木の枝に止まったヤマガラ
核を脚で押さえて、(キツツキの仲間
が幹をつつくような音をさせて)
くちばしで核をつついていたのです。
▲ヤマモモの核を脚で押さえている
ヤマガラ
そうか、核を割って、中の種子を
食べているのか、と理解しました。
試しに剪定バサミで、
ヤマモモの核を割ってみました
(縦方向の窪みにそって
割ってみると、比較的
容易な気がしました)。
▲ヤマモモの大粒果実の核を割ってみたところ
中には、美味しそうな種子が
入っていましたよ(上記写真の右側)。
その種子の長さは約9mm、
幅が約5㎜、厚みが約5mm
でした。
ちなみにこの種子は、大粒の
果実の核(核の長さが約11mm、
幅が約9mm)の中に入っていて、
殻の厚さは約1~2㎜でした。
堅い殻で守られている種子
ですが、ヤマモモの樹冠の
下には、縦方向に
半分に割られて中の種子
がない核の殻がたくさん
落ちていました。
▲半分に割られた、たくさんの核の殻
ヤマモモの核を観察して、
核の表面に毛が生えているので、
ヤマガラにとって核を脚で押さえ
やすいのかな、と想像しましたが・・・。
▲ヤマモモの核の表面には、
たくさんの毛がある
(左が小粒果実の核で、
右が大粒果実の核)
ヤマガラの行動に気が付いた
日を含めて、何日かヤマガラが
ほぼ同じ時間帯に来ているのを
確認しています。
核の中に保存?されていた
種子は、ヤマガラに核を
割られて食べられてしまった
のでしょうね。
ヤマモモとしては、種子を
食べられてしまうのは
悲しいところでしょうが・・・
皆さんも 周辺の環境で生きもの の
観察をしてみませんか。
研究員 小舘