現在の主な収蔵資料
一 隕石類
地球外物質である隕石は、珪酸塩鉱物とニッケル鉄との量の割合によって、主として珪酸塩鉱物の「石質隕石」(落下頻度6%)、ほぼ等量の珪酸塩鉱物とニッケル鉄の「石鉄隕石」(落下頻度1%)、主としてニッケル鉄の「鉄隕石(隕鉄)」(落下頻度86%)の三つに大別されます。
1 パラサイト(石鉄隕石、チリ・イミラック産)
パラサイトは、ニッケル鉄中に大粒のカンラン石が散りばめられているような斑状組織を示します。
標本は11Kgでパラサイトとしては大型です。
2 細粒オクタヘドライト(鉄隕石、ナミビア・ギベオン産)
鉄隕石のうちニッケル鉄が4〜6%Niのカマサイトと13〜46%Niのテーナイトから成るものはオクタヘドライトと呼ばれています。切断面では、カマサイトとテーナイトのウィドマンシュッテッテン像という特有な組織がみられます。
標本は重量100Kgの大型で、特異な形態をしています。
3 炭素質コンドライト(石質隕石、オーストラリア・ビクトラリア州・マーチソン産、1969年9月28日落下)
石質隕石は、多くはカンラン石・輝石・鉄の硫化物等で造られており、コンドリュールという丸い粒を含むコンドライトと、これを含まないエイコンドライトに区分されます。炭素質コンドライトは、炭素・水・硫黄等の物質に富んでいる特異なもので、最も原始的な隕石といわれ、惑星を造る素となったと考えられています。マーチソン隕石は、アミノ酸等の有機物が検出されたことで有名です。標本は373gでマーチソン隕石の中では大型です。
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Copyright(C) 1998, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1998/03/27