◇ ミュージアムメイトの心に残る出逢い
私がミュージアムメイトになって間もない頃、ある老人会の方々をご案内する ことになり、ドキドキしていました。入館前のオリエンテーションを始めまし たが、みなさんの話声で私の声はかき消されてしまいました。そのうち、 一人のおじいさんに、「声が小さい!!」と怒られてしまい、そのまま展示 解説開始となりました。そのおじいさんを気にしながら、一生懸命解説をして いますと、うなずきながら聞いて下さっています。 予定の時刻がやってきました。 「おもしろかった。ありがとう。」 そう言って下さり、お帰りになりました。 あのおじいさんに怒られなければ、あんなにがんばって解説できなかったかも しれません。最初は驚いて、「どうしよう…」と不安になりましたが、最後の “ありがとう”の言葉に、とても嬉しく感じたことを覚えています。 (ミュージアム・メイト 前原千秋)