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ため池は稲作のために人間がつくっものですが、自然と調和しながら、何百年にもわたって利用されてきました。ため池は、オニバスやアサザなどの水生植物、カワバタモロコなどの魚類、トンボ類などの昆虫には格好の場所となってきたのです。しかし、水田の減少や他に水源ができたことから、ため池は埋め立てられたり、かつてのような管理が行われなくなり、貴重な生き物が減りつつあります。
水田は川の近くや水のたまりやすい場所につくられ、人によって規則的な季節による変化が与えられてきたので、水を好む生き物が水田のリズムとともにそれぞれの生活をして、子孫を残してきました。しかし、圃場整備が進んだ影響で、水田の乾田化により住みにくくなったこと、水田から水路、川と続く流れが分断されたことにより、かつてはふつうに見られたゲンゴロウ、はてはメダカまでがレッドデータブックにあがるようになっています。
Copyright(C) 1999, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo Revised 2004/1/20