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企画展「六甲山 みどり色の浪漫、未来」あらまし

六甲山は、神戸・阪神間約300万人が毎日見上げている山です。それに誰でも一度は登ったことがあるところではないでしょうか。このほかにも、たとえば阪神タイガースの「六甲颪」など、六甲山の名前は、生活の中で、いっぱい見ることができます。 六甲山はただの山というだけではなく、私たちにとって、特別な存在のようです。 人と自然の博物館では、これまでさまざまな人と自然のかかわりについて企画展で取り上げてきましたが、今回は六甲山と人とのかかわりについて、7つの視点から考えていただきます。



海と山

大阪湾に面した神戸・阪神地区はおよそ300万人の人々が生活する国内有数の大都市圏ですが、そのどこからでも、車でほんの数十分も走ると、標高931メートルの六甲山の自然を楽しむことができます。 海と山。その自然の恵みと人との出会いの中で、神戸・阪神地区は歴史の中でさまざまな足跡を残してきました。 この企画展では、神戸・阪神の人里と、六甲の自然のかかわりを様々に紹介していきます。 六甲山周辺にあった水車小屋分布マップは、今回初登場。




生田の森CG再現!

清少納言が枕草子に「森は生田」と書いたように、平安時代、六甲南麓にはかつてとても豊かな森がありました。平安貴族が歌に詠んだ生田の森は、源平合戦などの戦火や災害をくぐりぬけ、現在に至っています。 展示では、江戸中期の生田の森を、当館初の試みで、コンピューターグラフィックスにより再現を試みました。200年前の生田の森はどのようなところだったのでしょう?

秋風に またこそ訪(ど)はめ 津の国の     生田の森の 春のあけぼの 〜順徳院(続古今和歌集)




名所図会に見る六甲山

名所図会は江戸時代の旅行ガイドブック。ベストセラーとなった摂津名所図会などに描かれた六甲山はどのようなものだったのでしょうか。明治初期に撮影された写真・絵葉書などを交え、「六甲開祖」A.H.グルーム以前の六甲山の姿を推測していきます。




グルームたちの六甲山

神戸居留地101番の旦那、英国人貿易商アーサーH.グルームは六甲山の開祖と呼ばれました。グルームたちが活躍した当時の神戸の様子はどのようなものだったのでしょう。グルームと彼の仲間たちが六甲山に持ち込んだリゾート文化は、現在でもいろいろな形で生きています。その当時の様子を写真資料などで振り返ります。




細雪と六甲山

関東大震災を機に関西に移ってきた谷崎潤一郎は、海と山に挟まれた阪神間の生活を愛し、幾度も転居しながら多くの作品を残しました。代表作のひとつ「細雪」の中には、戦前、甲南の地に花開いた近代都市文化「阪神文化」と、昭和13年7月に発生した未曾有の災害「阪神大水害」が描かれています。この展示では文豪谷崎が見た六甲と阪神、人と自然にスポットをあてます。




六甲に学ぶ

春の六甲山は生命の息吹を感じることのできる、一年でも最も生き生きした季節です。この六甲山をフィールドに活躍してきたナチュラリストは大勢いました。その中から植物学の牧野富太郎博士、鳥の研究家小林桂助氏の足跡を貴重な資料を交えながらご紹介します。六甲の自然の偉大さを再確認してみませんか。 六甲山ホテル所蔵の額「六甲山の鳥類」展示。




そして、未来へ

未来の六甲は誰が作るのでしょう?未来は私たちの歩く先にあるものです。ところで最近、六甲山に登られましたか?季節は春。明日の六甲山に向けて、もう歩き始めている人たちがいます。残念ながら、未来そのものはお見せできませんが、その一部の方々の活動を期間中、随時ご紹介していきます。




主催
兵庫県立人と自然の博物館


協力
国土交通省六甲砂防事務所/兵庫県神戸県民局/兵庫県神戸生活創造センター/ネットミュージアム兵庫文学館/高知県立牧野植物園/神戸市立博物館/神戸市立中央図書館/西宮市立郷土資料館/芦屋市立谷崎潤一郎記念館/倚松庵/生田神社/六甲山ホテル/株式会社 角川大映映画/(株)神戸製鋼所/コベルコビジネスサポート(株)/毎日新聞社/神戸新聞社/神戸新聞総合出版センター/中央公論新社/六甲山高山植物園


企画展六甲山博物館スタッフ
プロデュース
 宮崎ひろ志
展示企画
 宮崎ひろ志 (4,6,7)/ 先山徹 (1)/ 嶽山洋志 (2)/ 田原直樹 (3)/ 客野尚志 (4)/ 赤澤宏樹 (5)/ 鈴木武 (6,7)
映像制作
 嶽山洋志(生田の森)/ 神庭慎次 ( 〃 )/ 檀上祐樹 ( 〃 )/ 赤澤宏樹(細雪)
展示制作協力
 中西明徳/ 高橋晃/ 江崎保男/ 藤本真里
広報担当
 矢野治巳/
展示制作(補助)
 村本惠子/ 佐藤美津美/ 長谷川りえ
デザインディレクター
 嶽山洋志/ 宮崎ひろ志
デザインワーク
 中西綾




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Copyright(C) 1999, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 2003/6/26