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展示の周辺

一度は食べてみたいドリアンとジャックフルーツ
〜1F 「共生の森」の展示から〜

 「共生の森」のジオラマにはドリアンとジャックフルーツの木が使われています。これらは、マレーシア・サバ州(ボルネオ島)からもってきた実物標本です。

熱帯の果実の味
 ドリアンやジャックフルーツはマレーシアでは人気のあるフルーツで、果樹園で採れた果実が町の市場に出荷されたり、道ばたの小屋でたくさん売られています。我々はラフレシアの採集に成功したあと、ドリアンとジャックフルーツも展示したいと思い、木を探しに行きました。野生のドリアンを探すのは難しいので、栽培しているものを譲ってもらおうと思いました。果樹園に行くと親切にいろいろ見せてくれ、実っている果実を無造作にも取って出してくれました。ドリアンはフルーツの王様ともいわれ、よく熟れたものはねっとりと濃厚で、なんともいえないおいしさがありました。でも、とても臭くてたくさんは食べられません。大きなジャックフルーツも初めて食べたのですが、ジューシーで独特の香りがあり、最初はおいしいと思いました。しかし、やはり濃厚な味に、一切れで満腹しました。それでも「うまいだろう?もっと食べろ食べろ」と勧められ困りました。

果実のなる木はとても大切
 さて、木を譲ってもらう話はうまくいきませんでした。というのも、果樹は貴重な現金の収入源なので、何年にもわたって果実をつける木を切ることはできないのです。標本収集に協力してもらったサバ大学のマリアッティ博士に相談したところ、秘書のゴメラさんの家にもドリアンとジャックフルーツが植えられていることがわかりました。しかしドリアンは最近、実を付けなくなったので切ろうかと考えているとのこと。早速、その木を譲ってもらうことになりました。ジャックフルーツも3本のうちの1本を切らせてもらいました。こうして博物館にもってきたドリアンとジャックフルーツの木の幹に、レプリカの果実と、本物に似せた人造の葉をつけてジオラマとしています。果実の重さを実感できる展示も工夫しました。あとは食べて味とにおいを体験できるといいのですが、これはもうマレーシアへ行くしかないですね。





(系統分類研究部 高橋 晃)











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Copyright(C) 1999, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 2001/3/14