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収蔵資料紹介
セツブンソウ
 セツブンソウは落葉樹林の林床や林縁に群生しているキンポウゲ科の多年草です。周りにはまだ一面雪が残っているような時節のある暖かい日に、春が訪れるのを待ちきれずに一斉に花を咲かせた光景は実に見事です。
 草丈はせいぜい15cm、花の大きさは2cmくらい、白い5枚の花弁のように見える萼片のなかに蜜腺に変化した黄色の花弁と薄紫色の葯の醸し出す色調はまさに日本人好みの花と言えます。
 平成9年8月に発表された環境庁のレッドデーターリストによると、セツブンソウは絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)にランクされています。その主な原因が、園芸用の採集によるということは非常に残念です。
 幸い、兵庫県下にはまだいくつかの自生地が残っていますので、人と自然の博物館では毎年自生地を破壊しないように十分配慮しつつ種子を採集し、一部では増殖用に播種し、一部は低温室に保管して、他の貴重な種子と共に発芽検定等に用いています。

(生物資源研究部 永吉照人)

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Copyright(C) 1998, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1998/01/23