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よりみち自然観察ポイント

深田公園


 深田公園はフラワータウンの中心部に位置し、自然の地形をうまく生かした面積約19haの都市公園です。公園の周囲に広がる樹林の大半は、かつての里山がそのまま残されたものです。そのためコナラ、アベマキ、アカマツ、コバノミツバツツジ、モチツツジといった植物を始めとし、アカシジミ、スミナガシ、ミドリシジミ、クロアゲハ、タイコウチ、ギンヤンマなどの昆虫類、セグロセキレイ、オシドリ、コシアカツバメ、キジバトなどの鳥類などの豊かな里山自然の生物をここでは楽しむことができます。人と自然の博物館は、この豊かな自然を持つ深田公園の中央部に位置しています。


1.深田大池

 深田大池は、フラワータウン内のため池では最大の約10,000平方メートルという広い面積を持ち、たくさんの水生生物が生息しています。また池の北側は里山の残存林に、南側はサクラ類の植栽や美しい遊歩道に囲まれ、里山や草原性の生物も少なくありません。しかしこの池の魅力はなんといっても鳥です。カイツブリを始めとし、カワセミ、オシドリ、マガモ、バン、ヒドリガモなどの鳥類を水面に見ることができます。


2.博物館北側の林

 現在この林は、15mにも達するコナラの優占する雑木林ですが、15年ほど前はアカマツ優占林でした。林の外観を見るとすばらしい落葉広葉樹林に見えますが、林内はアラカシ、ヒサカキ、アセビ、ヒイラギなどの照葉樹が繁茂し、照葉樹林へと遷移し始めています。暗く、生物多様性の低い状態になっているので、わたしたちはこの林を良好な状態に戻すために、林内の照葉樹を伐採し、多様な生物が共存できる明るい森づくりを始めています。林内をちょっとのぞいてみましょう。


3.自然の流れ

 この水路は、最初は人工的で生物の少ない単調な流れでした。平成8年度にこの水路を多くの生物が住むことのできる湿原状の流れに変えました。ここにはサワギキョウ、キセルアザミ、ハナショウブ、ミズギボウシ、ジュンサイ、ヒツジグサなどの植物の他、カワニナ、セスジイトトンボ、クロスジギンヤンマ、ショウジョウトンボ、ギンブナ、ブラックバスが見られます。やがてヘイケボタルも生息できるようになるでしょう。


4.芝生広場周辺の林

 この林も里山の残存林ですが、高木層のコナラの発達が素晴らしく、11月末の紅葉は見事です。この林にはオオウラジロノキ、アリマグミなどの貴重な植物が多数生育し、カブトムシやクワガタも見られますが、博物館北側の林と同様に遷移が進行し、林内の荒廃が目立つようになってきました。たくさんの生物が生きていけるようにこの林の管理をわたしたちで進めていきませんか。

(生物資源研究部 服部 保)   


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Copyright(C) 1997, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1997/10/09