収蔵資料紹介
ノミのプレパラート(阪口コレクション)
あらゆる昆虫採集のうち最も大がかりなものはノミの採集ではないでしょうか? 一口にノミといっても、世界には1,750種、日本だけでも69種ものノミがいて、それぞれ決った動物の血を吸っています。ノミを採るにはその寄主動物を捕える必要があります。故阪口浩平博士は、そのようなノミの研究者でした。博士がもっとも苦労なさったのは北海道のヒグマからクマノミを採る際だったそうです。
写真はオオミズナギドリに寄生するハゴロモトリノミで、ジェームソン博士とともに若狭湾の冠島で発見し、記載命名された際のタイプ標本です。鳥に寄生するノミは、一般に、吸血するとき以外はあまり鳥の体にとび移らないため、鳥の巣を探って発見するのだそうです。この標本も幼鳥の近くの堆積物から見い出されました。
博物館に収蔵されている阪口博士の昆虫標本はおよそ5万点、そのうち約4,000点がこのようなノミのプレパラート標本です。
(系統分類研究部 沢田佳久)
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Copyright(C) 1997, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1997/07/16