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日本の景観美

 多くの博物館研究員にとって野外のフィールドは実験室です。人里離れた自然の真っ直中で調査を続けていると、素晴らしい景観に出会い、それをフィルムに納めておきたいという思いに駆られることがあります。出来映えは今一ですが、そんなーコマを並べてみました。人間の成せる技では足元にも及ばない大自然の営みに乾杯!

(地球科学研究部 小林文夫)   

(撮影:生物資源研究部 戸田耿介、 地球科学研究部 小林文夫・古谷 裕・加藤茂弘)



←岐阜県側から見た北アルプスの主峰(中部山岳国立公園)


 左奥が槍ヶ岳、右が穂高連峰。最近数十万年に急上昇した列島を横断する日本の屋根です。



   トッタベツ岳と北カール(日高山脈襟裳国定公園)→


 岩屑流(氷河堆積物)の堰き止めによってできた池沼群。可憐な氷期の遺存種の宝庫です。



←芦ノ湖と神山(富士箱根伊豆国立公園)


 箱根火山は二子山・駒ヶ岳・神山からなる中央火口丘と軽石流により堰き止められた芦ノ湖を抱く三重式火山です。


         高千穂渓谷(祖母傾国定公園)→


 中部九州には阿蘇火山の火砕流堆積物が広く分布し、柱状節理の発達した溶結凝灰岩が五ヶ瀬川の上流部、高千穂渓谷をつくっています。


←家島諸島西島(瀬戸内海国立公園)


 2万年前は四国と中国地方は陸続きでした。後氷期の海水準の上昇により多島海(瀬戸内海)が生まれました。


      香住海岸(山陰海岸国立公園)→


 永年的な沈降と冬季の季節風による荒波が変化に富んだ奇岩・奇景からなる但馬海岸を創出しました。



←天橋立(若狭湾国定公園)


 沿岸流によって運ばれた土砂が3Kmの陸の架け橋(砂州)をつくり、湾奥の阿蘇海を宮津湾から分断させました。


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Copyright(C) 1997, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1997/07/16