収蔵資料紹介
堀コレクション(神戸層群産植物化石)
「白川峠の木の葉石」という言葉をきいたことがありますか。白川をはじめとする神戸市西部ではむかしから植物化石が採れることが知られていました。子供の頃に化石採集に行った人もいるのではないでしょうか。この植物化石を含む地層は神戸層群と呼ばれ、およそ3千5百年前(新生代第三紀漸新世)に堆積したものです。神戸層群の植物化石は産出量が多いだけでなく種類が豊富で保存状態もよいことから、世界に誇る化石といえます。
写真はメタセコイヤの化石で、一昨年亡くなられた堀治三朗さん採集の標本です。堀さんは中学3年のときに神戸層群の植物化石を採集して以来その魅力にとりつかれ、就職してからも仕事のかたわら精力的に化石の採集を続けられました。堀さんの研究から神戸層群産植物化石は253種にものぼることがわかっています。その60年にわたる採集と研究の成果である4,000点をこえる化石を博物館に寄贈していただきました。このなかには新種と思われるものもまだ含まれており、今後の研究が期待されています。
(地球科学研究部 半田久美子)
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Copyright(C) 1997, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1997/06/18