博物館ここがおすすめ
博物館とよばれるものには、生きた動植物を扱っている動物園・植物園・水族館も含まれます。しかし、さまざまな資料を収集・保管している一般の博物館では、生きたホンモノの展示は難しいといえます。
「人と自然の博物館」には、生きてはいませんが剥製や標本・化石等のホンモノがたくさんあります。また、氷ノ山のブナ林などの精巧なジオラマや、レプリカといった人工物も数多く展示されています。常にさまざまなモノを展示する博物館には、現存しないモノや捕獲できないモノが人工物によって展示されるのも当然です。
自然に興味をいだき、その大切さを知ってもらうために人間の技術と英知で復元した、さまざまな工夫がみられます。例えばブナ林では、一日の変化が照明・香り・鳥の鳴き声等で感じとれます。また五人家族が一週間で消費する水の量を示すコーナーでは、中に水の入っていないものの、ペットボトルの数だけで使用する水の重さをじゅうぶんにうかがいとれます。
ホンモノでないことにガッカリされる方も、ミュージアムメイトの「ホンモノから型どりしたレプリカです」という解説に、「うまくできているねぇ」と感心されることがしばしばあります。優れた技術・工夫に感心されるのも当然のことですが、このような人間の英知は遠い昔に人間の祖先が自然の恵みを利用することから始まったこと、またなぜレプリカでしか見れない状況にあるのかということも、この博物館で感じとっていただけたらと思います。
その橋渡し役としてのミュージアムメイトをもっと活用していただき、博物館をより一層身近なものとして楽しんでいただけたらと思っています。
(向井志穂)
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Copyright(C) 1997, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1997/03/15