“博物館シッタカブリ案内人”より
当博物館の「利用の手引き」の最終の16ページに「博物館学習推進員(博物館ものしり先生)」という見出しで数行の文が始まっています。「ものしり先生」にはびっくり仰天し、プレツシャーを感じることしきり!赴任以来9か月、よくまあこのプレツシャーに耐えられたものだと我ながら感心(寒心)することしきり・・・・のこのごろです。当博物館の皆々様に有形無形のバックアップを頂いていればこそ、ここまで辿りつけたのだと感謝しております。
申すまでもなく、当館の展示内容は36名にもおよぶ当館研究部の諸先生方の生涯をかけたご研究の成果の一部が、それぞれに紹介されているもので、一介の高校教員OBには到底その真髄に歯が立つ道理が有りません。しかも36名のスタツフの方々それぞれの専門分野です。研究成果は他に先んじて発表しなければならない。それ故、ときに、夏休みも日曜も無く徹夜の運続であったり、ヒルの襲撃をものともせずジャングルを歩き、危険を顧りみず、むしろ、研究活動そのものがエレクリエーション、いわゆる「休み」などは全く必要としない。別の面から言えば世界を相手の真剣勝負。かかる研究活動の成果を紹介する説明役としてはいささか役不足と感ずる者ですが、かといって、手をこまねいているわけにもいかず、せっかくの貴重な研究成果を可能なかぎり、より多くの方々にお伝えするお手伝いが出来ればこれにこした喜びはありません。
かっては海藻について研究者の端くれとしてあちこち潜り歩いた者として、しみじみと考えるこの頃です。貴重な研究成果を紹介する展示パネルは出来るだけ丹念に読んで頂けたらと、内心秘かに祈らざるを得ない心境です。かく申す私自身は、「潜り」のせいか膝を傷めてしまって半ば引退の状態に甘んじざるを得ない今日この頃ですが、あちこちを潜り歩いた「海内旅行」は、「海外旅行」ゼロの実績に充分取って代りうる思いでおります。できれば一生続けたいとさえ思うことしきりです。ともあれ、当面は入館者の皆様に出来るだけ効果的に、しかも正確に展示内容の紹介が出来ればと、文献その他の資料をもとに、ますます努力を続けなければと思っているところです。
(学習推進員 高田 昭典)
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Copyright(C) 1995,1996, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo
Revised 1996/03/16