◇ 収蔵資料紹介
ベリル(アクアマリン)
ベリルは日本名を緑柱石といい、航空機やロケットのエンジンな
どに利用される軽金属として重要な、ベリリウムという物質の原料
となる鉱物です。ベリルは、また、宝石としても古代から利用され
てきました。ベリルという名前は知らなくても、エメラルドやアク
アマリンという名前はご存じでしよう。ベリルのうち、特に濃い緑
色のものをエメラルド、水色のものをアクアマリンと呼びます。こ
のような色の違いは鉱物中に含まれる微量な成分の違いによるもの
で、エメラルドにはクロムが、アクアマリンには鉄が含まれるとさ
れています。ベリルの名はすでに旧約聖書にもみられ、なかでもエ
メラルドは宝石として紀元前4000〜5000年から利用されて
いたようです。あの女王クレオパトラも、エメラルドの鉱山を持っ
ていたそうです。写真はパキスタン産の標本で、柱状の結晶がアク
アマリン、薄っぺらい鉱物は白雲母です。写真の横幅は約10セン
チメートルです。
(地球科学研究部 先山 徹)
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Revised 1996/01/16