兵庫県は、瀬戸内海から日本海にまたがるため、地質的にも気候的にもたいへん多彩な環境をつくっています。ここでは、森林と里山を中心に、県内各地の代表的な自然及びそれらとに、かかわる人間の活動を生物を中心に紹介しています。
六甲山は明治の初期(1900年代ごろ)までは「はげ山」同然でした.その後,植栽(しょくさい)が進められ,現在ではりっぱな森林になっています。二次林(にじりん)および植林としてはアカマツ林,コナラ林,ニセアカシア林などがみられます。ここでは,六甲の代表的な二次林であるアカマツ林を中心に六甲の森林を紹介しています。
花崗岩
風化を受けた花崗岩
兵庫県下の森林の大半は人の利用によって成立している二次林(にじりん)です。二次林の中の代表的な林として,10年から20年周期で伐採(ばっさい)が繰り返される雑木林があげられます。雑木林は県下全域に分布していますが,なかでも川西市や猪名川町のクヌギ林は木炭や昆虫採集地で有名です。ここでは,雑木林と人とのかかわりや雑木林の昆虫を紹介しています。
<台場(だいば)クヌギ>
クヌギやコナラは普通地面近くで伐採されます。その後,切り株からの「ひこばえ」(萌芽(ほうが))が成長し,樹木が再生します。北摂地方ではこの伐採法のほかに,クヌギを地上部1〜2mで伐採し,樹幹からの「ひこばえ」で再生させる方法があります。この方法で伐採を繰り返すと株は太くなり,直径60cmにも達します。このようなクヌギを台場クヌギと呼んでいます。
表日本と裏日本を分ける分水界は中部地方では海抜3000mにも達していますが,兵庫県の石生(いそう)では約90mの低地が瀬戸内側の加古川水系と日本海側の由良川(ゆらがわ)水系の分水界です。
海面が100m上昇すると,本州は兵庫県で分断されてしまいます。この低地帯は氷上回廊と呼ばれ,人の通行だけでなく,各種の生物の分布拡大の経路として利用されています。
縄文時代後期の兵庫県では,低地に照葉樹林,山地に夏緑林(かりょくりん)が広がっていました。温暖な淡路島は南方系の生物をたくさんふくんだ照葉樹林におおわれていました。弥生時代以降,照葉樹林は伐採(ばっさい)され,耕作地やアカマツ林,雑木林に変えられました。ここでは,淡路島に残された南方系の照葉樹林の生物や樹林の関係を紹介しています。
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| 諭鶴羽山 (ゆづるはさん) のカシ型林 |
淳仁天皇陵 (じゅんにんてんのうりょう) のシイ型林 |
煙島(けむりじま) のタブ型林 |
兵庫県の最高峰である氷ノ山一帯には冷温帯の極相(きょくそう)であるブナ林(夏緑林)が残っています。一方,その隣の鉢伏山(はちぶせやま)にはススキ草原が広がり,両山地の景観はまったく異なります。ブナ林とススキ草原という2つの生態系にはどのような差があるのでしょうか。両者の違いを植物相,動物相,地形・地質,土地利用などの点から考えてみました。
ブナ林
ススキ草原
秋には各地でさまざまな種類の野菊がみられます。その中でも,兵庫県の県花ノジギクは,清らかな白い花を咲かせて,晩秋の瀬戸内沿岸を彩(いろど)ります。
ノジギクは瀬戸内沿岸から四国,九州の太平洋沿岸などに分布しています。県内では,姫路市を中心とした西播磨で,海岸に近い丘陵や段々畑の土手,塩田の水路沿いなどによくみられます。
都市圏にはさまざまな緑地が創出され,いろいろな動物がその中に住んでいます。動物の中には,都市圏でしか住めないものさえいます。都市に創出された緑地は,私たち人間にとってやすらぎの場であるだけでなく,いろいろな動物にとっての生活の場でもあるのです。多くの人々が集まって住む都市圏でこそ,人間と自然が共生する知恵がより一層大切になってくるといえるでしょう。