ミニ企画展「驚異の螺旋生物 魅力あるカタツムリの世界」
1 趣旨
「貝殻展示」だけになりがちな「カタツムリ」の展示ですが、今回の展示では、工芸作家の河野甲さんと共に高度な造形技術によって創作された軟体部分をつけて、リアルなカタツムリの姿を再現し、芸術と生命の融合をはかりました。これまでとはちょっと違った視点でカタツムリの魅力に触れ、カタツムリと人と自然の素敵な関係を探ります。近年では、生息地の改変や外来種の移入が課題として顕在化し、カタツムリも例に漏れず、その生息状況が悪化しています。この展示では、身近なところに生息しているカタツムリを通じて、生活環境や自然と生きものを感じ、考えるきっかけを創りたいと考えています。最新の研究トピックや兵庫県で普通にみられる種類、希少な種類についての紹介、カタツムリの名前が冠せられた昆虫なども交えます。
一方で、この展示は文部科学省生涯学習政策局の委嘱を受けて実施する「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」としての巡回展であり、橿原市昆虫館を皮切りに西日本を中心として、全国各地の性質が異なる様々な博物館の立地や特性を活かした巡回展示を行い、各館をまわるたびにコンテンツが充実してゆくスパイラルアップ型展示としても実験的な試みとなります。
2 展示概要
(1)期 間: 平成28年12月9日(金)~平成29年1月9日(月・祝) 終了しました。
(2)場 所: 兵庫県立人と自然の博物館 4階ひとはくサロン
(3)主 催: 兵庫県立人と自然の博物館
(4)共 催: 自然史レガシー継承・発信実行委員会
(北海道博物館、栃木県立博物館、国立科学博物館、三重県総合博物館、
橿原市昆虫館、大阪市立自然史博物館、兵庫県立人と自然の博物館、
北九州市立自然・歴史博物館)
(5)協 力: 八月社(河野甲)、西宮市貝類館、阪神貝類談話会、
NPO法人西日本自然史系博物館ネットワーク
3 展示物
日本国内および兵庫県内に生息するカタツムリの標本(約200点)と生息状況や生態に関する解説を中心として、河野甲氏による造形作品を展示します。また、特別なトピックスとして、柳田国男氏による民俗学の古典「蝸牛考」の紹介のほか、外来種のカタツムリ、ヘビとカタツムリの共進化に関する最新研究事例や貝のような巣をつくる水生昆虫のカタツムリトビケラについて標本等を活用して紹介いたします。
チラシはこちらから ⇒ katatsumuri.pdf (0.6MB)