尼崎市の公園でササゴイの巣立ちビナを見つけました。
ササゴイは、サギ類の1種ですが、単独または数羽程度の小さなコロニーで繁殖します。写真左のヒナが口にくわえているのは、羽毛のようです。くちばしでくわえたり、放したり。この行動は、巣立ちを迎えたサギ類のヒナによくみられます。おそらくエサを捕まえる練習なのでしょう。水の中にあるものは、空中から見ると本当の位置から少しずれて見えます。これは、光の屈折率(くっせつりつ)というものが空気と水とで異なることからおこる現象です。サギ類の仲間は、水の中を歩きながら、もしくは水ぎわにじっと立ってエサを探します。そして、エサを見つけるとくちばしをさっと水中に突き入れて、エサを捕まえます。この時、サギたちは一瞬のうちに水中のもののずれを計算し、くちばしを入れる位置を調整しています。彼らが上手にエサをとれるようになるまでには、たくさんの訓練が必要なのでしょう。
写真左は、巣の下で拾ったササゴイの落し物です。ヒナの羽毛、卵の殻、フン、それと食べ残しのザリガニと小魚、昆虫の羽根。このような、鳥の落し物から彼らの生活を垣間見ることができます。ですが、巣の下を長い時間うろつくのはよくありません。親鳥に攻撃されてしまいました。
遠藤菜緒子(自然・環境マネンジメント研究部)