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リサーチプロジェクトの最近のブログ記事

 尼崎市の公園でササゴイの巣立ちビナを見つけました。070725%281%29.JPG
 ササゴイは、サギ類の1種ですが、単独または数羽程度の小さなコロニーで繁殖します。写真左のヒナが口にくわえているのは、羽毛のようです。くちばしでくわえたり、放したり。この行動は、巣立ちを迎えたサギ類のヒナによくみられます。おそらくエサを捕まえる練習なのでしょう。水の中にあるものは、空中から見ると本当の位置から少しずれて見えます。これは、光の屈折率(くっせつりつ)というものが空気と水とで異なることからおこる現象です。サギ類の仲間は、水の中を歩きながら、もしくは水ぎわにじっと立ってエサを探します。そして、エサを見つけるとくちばしをさっと水中に突き入れて、エサを捕まえます。この時、サギたちは一瞬のうちに水中のもののずれを計算し、くちばしを入れる位置を調整しています。彼らが上手にエサをとれるようになるまでには、たくさんの訓練が必要なのでしょう。

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 写真左は、巣の下で拾ったササゴイの落し物です。ヒナの羽毛、卵の殻、フン、それと食べ残しのザリガニと小魚、昆虫の羽根。このような、鳥の落し物から彼らの生活を垣間見ることができます。ですが、巣の下を長い時間うろつくのはよくありません。親鳥に攻撃されてしまいました。


遠藤菜緒子(自然・環境マネンジメント研究部)

 リサーチプロジェクトのひとつとして、サギ類とカワウの集団繁殖地(コロニー)調査を行うことになりました。
ホームページをアップしましたのでお知らせします。

ホームページへは、こちらをクリックして下さい!
 ひとはくのトップページ > 学ぶ > リサーチプロジェクト > 鵜サギコロニー調査 からどうぞ!


 この調査は、兵庫県内のサギ類やカワウのコロニーの分布を調べるものです。サギ類やカワウは比較的大きな鳥なので、集まっていたら一目でわかります。それでも、コロニーの情報はこれまできちんと収集されてきませんでした。このサイトにお寄せいただいた情報などをまとめて分布図を作りたいと考えています。みなさんのご参加をお待ちしています。また、みなさんに、身近なサギ類やカワウのコロニーの観察を通して、野生動物や自然について考えていただけたらと思っています。そのためのツールとして、サギ類の識別方法やコロニーに関する解説などこれからどんどん追加していくつもりです。ぜひ、ご覧ください。

070624.JPG 先週末、伊丹市昆陽池公園へカワウのコロニーを見に行きました。公園の敷地内に足をふみ入れたとたん、カワウのヒナたちのエサをねだる声にでむかえられました。池の真ん中の日本地図をかたどった島に、たくさんのカワウの巣がみられます。卵を抱いている親鳥もいましたが、すでに巣立ちビナらしき姿も見られました。公園の外からも、次々とカワウが帰ってきます。カワウやサギ類は、エサ場で捕ったエサを飲み込んで巣に持ち帰ってくるのです。コロニーに戻ってきたカワウ達は、きっとたくさんのおみやげを持って帰ってきたことでしょう。子育て真さかりの昆陽池でした。
 昆陽池のコロニーでは、1996年から10年以上にわたって繁殖が続いているそうです。カワウやサギ類のコロニーは、条件がよければ何十年も続くことがあります。かつては、埼玉県の野田の鷺山、青森県の猿賀のウおよびサギ繁殖地など天然記念物に指定されるような大きなコロニーがいくつもありました。しかし、近年では、土地開発や住宅地の拡大などによって、サギ類やカワウがずっと住み続けることができる場所が少なくなってしまいました。そのため、多くのコロニーは毎年転々と場所を替えるようになりました。サギ類やカワウが安心して住める場所はどこにあるのでしょうか。考えさせられます。

(遠藤菜緒子)
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