武庫川の下流でアユの観察と産卵場づくりを行います!
武庫川の下流域には、かつてたくさんアユがたくさん生息していました。福知山線の宝塚や武田尾では、アユ弁当が駅弁にあったほどです。しかし、河川の改修や流域の開発によって、アユの生息がすっかり困難な河川になってしまいました。そんな状況を改善するために、兵庫県では、現在作成中の「武庫川水系河川整備計画」のなかで、アユをシンボルフィッシュとした生息場所の再生が計画されています。
アユの生息環境が悪化した要因は、色々あるのですが、問題の一つは産卵場所となる川底に泥がたまること、糸状緑藻の繁茂です。産卵場所となる浅い「瀬」がうっすらと膜をかぶったようになって(左図を参照)、せっかく産卵しても卵が酸欠になりがちです。これは、上流からの汚濁負荷や泥の流出、井堰によって流れがよどんでしまう影響などが関連しています。人が大勢住まい、川の水を安全に下流に流せるように川幅を広げて、井堰で流れが淀み、水をたくさんとって、ダムで洪水を抑え、上流から土砂の供給を減少させると、どうしても川底の様子は変わってしまいます。特に、今年のように晴天つづきで渇水になると、川底に藻類が繁茂すると同時に、泥が被りやすくなってしまいます。
そこで、アユの産卵に適した場所で、川底を耕し、たまった泥を洗い流し、川底に隙間をつくることで、産卵や孵化の成功確率を高めることを試みます。こうした取り組むは、古くから各地の川で行われていることでして、地域の人が総出で、秋になると「川を耕す」ことが行われていました。今でも、アユ釣りが盛んな川では、行われている技法なんです。川に入ってガザガサと大勢が暴れるわけです。
上の写真のように、すでに子供たちが川遊びに来ているのですが、魚がたくさん増えて、子供たちが増えると川底が一層きれいになるかもしれません。
そんなわけで、都会を流れる武庫川の天然アユの再生に向けて、漁業組合さんと一緒に、アユが産卵しやすい産卵場づくりに挑戦する参加者を募集します!
あわせて、水生生物の観察も行いますので、関心のあるかたはぜひご参加ください。
案内用チラシはこちら!(mukogawa.pdf)
【開催に関する詳細情報】
◆と き: 平成22年10月3日(日) 9時30分〜12時 【小雨決行】
◆ところ: 武庫大橋(国道2号線)下流付近。
※駐車場がないため、公共交通機関を利用しておこしください。
◆内 容: ☆天然アユの産卵場づくり
(川底を上流から下りてくるアユが産卵しやすい形状に整える作業をします。)
☆川の生き物採集と観察
◆対 象: 小学生以上(ただし小学生は保護者同伴)
50名(多数の場合は抽選し、申込〆切後、1週間以内に通知)
◆講 師: 兵庫県立大学・兵庫県立人と自然の博物館 田中哲夫・三橋弘宗
◆主 催: 武庫川漁業協同組合、武庫川流域環境保全協議会
◆申込〆切: 9月22日(水)必着
◆申込方法: チラシ裏面の申込用紙に記入して、郵送またはFAXで送信してください。
電子メールでも受け付けています。「むこがわ探検隊参加希望」と明記の上、住所・氏名・電話番号・FAX番号・年齢を記載してお申し込みください。
※集合場所や持ち物など、当日の詳細な内容は、申込締切後に参加者に通知します。
●申込・問合せ先
〒665-8567 宝塚市旭町2-4-15
武庫川流域環境保全協議会事務局
(兵庫県阪神北県民局県民室環境課)
TEL:0797-83-3146 FAX:0797-86-4309
E-mail:hanshinkkem_01@pref.hyogo.lg.jp
(みつはし ひろむね)