ご利用案内

交通アクセス

利用案内(観覧料金)

団体でのご利用

ひとはくの展示

セミナー情報


ひとはく活用術

移動博物館車 ゆめはく

自然・環境科学研究所

恐竜化石

ひとはくKids

行政や企業の方へ「シンクタンク事業」

学校関係者の方へ「学校教育支援」


2012年7月アーカイブ

hatsukagawa2012_1.jpg

2012年7月30日は、武庫川水系羽束川での観察会が行われました。場所は、三田市野外活動センターのすぐ横です。こちらのイベントは、三田市立有馬富士自然学習センターさん主催のイベントとなります。学習センターの専門指導員の中峰さん、河内さんをはじめ、NPO法人きっぴーフレンズのみなさま、ご協力ありがとうございました。
参加者は約40名です。ちょっと少ないように思いますが、適正人数です。説明もひとりひとり行き届きます。この場所での観察会は、大勢になると深みもあって目が行き届かないので抽選とさせていただいております。倍以上のたくさんの方に申し込み頂いていたのですが、申し訳ありませんでした。これに懲りずにまたお申し込みいただくか、博物館等の観察会にご参加頂ければと思います。

 
s-DSCN0398.jpg  s-DSCN0406.jpg

博物館から車で約20分程度のところで、水はとてもきれいです。箱メガネをつかって川底をながめると色んな生物が活動している様子がはっきりと見えます。この観察方法、意外にはまりますので、ぜひお試しください。夏休み中に、ぜひ足をはこんでみられてはいかがでしょうか。

s-DSCN0403.jpg 川底でカワニナが石面についた付着藻類をノシノシと食べている様子はなかなかユニークです。
写真は、学習センターの河内さんが撮影されたものです。ありがとう!

hatsukagawa2012_2.jpg

hatsukagawa_2012_4.jpg hatsukagawa2012_3.jpg

みんな思い思いの方で採集を続けて、台の上に採集した昆虫や魚などをあつめてゆきます。左上の写真にあるように、樹が覆い被さり、流れが緩くなっているところで、砂地や落葉がたまったところをすくうと、これまで採れていなかった生物やシマドジョウやヤゴ、モンカゲロウなどが採れました。川のなかの環境の違いを、できるだけ多くの方に体感いただくために、会の後半になってから採集をアドバイスします。そうすることで、なぜコンクリート3面張りの川が生物にとってダメなのか、実感していただくことができます。最後は、じっくり台の上でみんなの採ってきたものをデジカメ撮影しつつ、まとめをおこないます。

・・・と、いつもならこれで終わりなんですが、今回はとった生物を博物館に持ち帰って、そのまま大急ぎでオープンセミナーへ。

opsemi2012_suisei1.jpg   opsemi2012_suisei3.jpg  

羽束川でとってきた水生生物をこんな感じで顕微鏡とカメラをつなげて大きな画面にうつします。リアルに鰓のつくりやトゲや毛などの細かいところまで、生きた状態で観察するとド迫力!!水生昆虫が呼吸するときの仕組みや、餌をたべるための仕組み(口器を超拡大)、泳ぐための仕組み(尾の拡大)を生きた水生昆虫でしっかりと観察&解説します。これは、図鑑では学ぶことができません。
午前中の観察会から引き続き参加してくれたひともたくさんいました。採った生物の中から1つを選んで右上の写真にあるような装置(顕微鏡とデジカメが合体)で自ら撮影してもらいます。それを小型のプリンターで打ち出して、ラミネートしてできあがりです。オリジナル水生昆虫ブロマイドが完成します。

opsemi2012_suisei4.jpg 朝から夕方まで水生昆虫三昧だったお二人さん、お疲れ様でした。ゲンジボタルの幼虫とオジロサナエのブロマイドを作成して、バックにはエルモンヒラタカゲロウのドアップを写して大満足です。

野外体験からはじまり、ちょっとお勉強したあと、博物館にもどってじっくりと色んな機器をつかってじっくりと観察し、印象に残った生物を撮影し、カードにして記念に持ち帰っておさらい。今回は、三田市立有馬富士自然学習センターさんとひとはくのセミナーをジョイントして、まるごと一日かけて水生生物を観察してみました。水生昆虫体験がはじめてのお母さんも、名前は覚えれないけど、全部【小さな虫】だったのが、違いが分かるようになったとのことでした。
オープンセミナーは、このあと水生昆虫は3/24までありませんが、魚の調べ方のオープンセミナーは、8/18に開催が予定されています。関心のあるかたは、ぜひ博物館までお越しください。

(みつはし ひろむね)

ashiyagawa2012_1.jpgいつもひとはくと連携してイベントを実施してくださっているNPO法人さんぴぃすさんの年間を通じた野外活動プログラム「アシレンジャー2012」による、川の観察会が2012年7月26日に行われました。
野外で実際に生き物を採集して、観察し、たくさんの生き物を見比べることが、生物多様性を知ることのはじまりです。できるだけ良い場所で、安全に楽しくすごせることをもっとーに観察場所を選びました。芦屋川の上流にて観察会を行いました。参加者は、平日なのになんと、およそ80名!!いつもご参加ありがとうございます。
観察の場所は、芦有道路の芦屋ゲートのすぐ横。芦屋の中心部からバスで約20分程度です。ここは砂防ダムのすぐ上流になっていて、傾斜がやや緩く、小さなこどもでも川遊びしやすくなっています。それに加えて、夏でも水がとても冷たくて、きれいなために、いわゆる「上流のきれいな水」に生息する水生昆虫がたくさん採集できます。

s-ashiyagawa2012_honki.jpg  s-ashiyagawa2012_sawagani.jpg

川での水生昆虫さがしは、とても簡単で、じつにたくさんの種類が観察できます。網を流れの下流側で受けておいて、石をひっくりかえすとサワガニや水生昆虫、魚がとれます。本気モードで流れのはやいところで採集する人もいれば、みんながとったものをじっくり観察する(これが一番勉強になる!)方法まで様々です。
s-ashiyagawa2012_ohwaki2.jpg
とれた生物を丁寧にNPO法人さんぴぃーすの大脇さんが教えてくれます。

s-ashiyagawa2012_dai.jpg   s-ashiyagawa2012pool.jpg  

ひとしきり採集したら、台の上にあるタッパーに種類毎にわけて並べてゆきます。それと大きな魚やカニなどは簡易プールにいれてゆきます(右上:空気を入れなくても大丈夫なプールが近頃では売られています)。ここでみんなで観察してゆきます。

s-kaisetsu.jpg 最後にとれた種類をみんなで調べて、タッパーに分けてゆき、名前を書き出していって何種類ぐらいいるのか、自分がとってない種はどんなものか、珍しいもの、多かったものを、容器にいれてしっかりとおさらいします。黒板の写真とタッパーの生き物をデジカメで撮影してゆけば、きっと種類を覚えるのも苦労しないでしょう。この日は、約40種類の生物を確認しました。

s-ashiyagawa2012_kokusaiH.jpg

今回の観察会は(も)、とても参加人数が多かったのですが、NPO法人さんぴぃすのスタッフの方をはじめ、兵庫県立芦屋国際高校のお兄さん、お姉さんが手伝ったくださったおかげ、みんな楽しく安全に過ごせました。婚姻色のでたオイカワをつかまえてにんまりです。ご協力ありがとうございました。
NPO法人さんぴぃの野外活動プログラムは、毎月1回たのしいイベントが催されています。興味のあるかたは、ぜひこちらにもご参加ください。

(みつはし ひろむね)



 


 
サバ大学で修了式
当博物館と学術交流協定を結んでいるサバ大学訪問。
サバ大学にてジャングルスクールの修了式を行いました。

収蔵庫見学
その後、大学の貴重な収蔵庫を見学させていただきました。

サバ市内でショッピング
午後はショッピングを楽しんでいます。
お土産を両手いっぱいにいよいよ空港へ向かいます。

クアランルプールで乗り継ぎ

コタキナバル空港からクアラルンプールで乗り継ぎ。
いよいよ関西空港に向かいます。
関空到着は8月1日7:15予定です。

ブログを楽しみに見て下さった方、途中通信状態が悪く
ご不便をおかけしました。
またお世話になった方々、関係者の皆様、全員、病気や
怪我もなく無事帰国の途へ着くことができそうです。
貴重な経験をありがとうございました。

              情報管理課 阪上勝彦

ジャングル体験発表\
旅もいよいよ終わりが近づいてきました。
まとめとしてジャンブルで最も印象に残った体験を
それぞれ発表してもらいました。
もちろんサイエンススクールの生徒も発表に参加しています。

タビンワイルドライフリゾート出発
タビンワイルドライフリゾート出発を前に記念撮影。
お世話になったレンジャーさんたちにもお礼を述べたあと、
レンジャーさんのハーモニカでお別れの歌声が自然と湧き、
いい雰囲気でお別れができました。

サイエンススクール生徒とお別れ
5日間ともに寝食を共に過ごしたサイエンススクールの
生徒とも今日でお別れ。このあと空港でお別れしました。
お互い寂しい感情も湧いていたようです。

最後の夕食
ラハダトゥ空港から空路約1時間、コタキナバルに戻り、
ホテルで最後の夕食を楽しみました。

明日はサバ大学でジャングルスクールの修了式。
最初で最後のショッピングも楽しんだあと、クアラルンプールを経由し、
いよいよ関西空港(MH502便)へ向かいます。

全員、病気、怪我もなくジャングルでの生活を終えています。

                       情報管理課 阪上勝彦

みなさんこんにちは\(^∇^)/

梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。

夏休みが始まったお友達も、ぜひ 博物館で「ひとはく」ならではの体験を。(●^o^●)

このホームページの他にもセミナーやイベントの情報がゲットできます(^◇^)

例えば…フローラ88さんに行くと…

    まず入口に⇒ フローラ

   店内フードコートにも…

フードコート

 

       こちらは、オマケです(^−^) 

恐竜の骨格 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フローラ88さんで探してみてくださいね\(^O^)/

 

            フロアスタッフ てらお ゆみこ☆彡


早朝トレッキング
早朝トレッキングで自然観察
テナガザルが私たちの前を、
木から木へ移動していきました。
ゾウの群れは姿を見せてくれませんでした。


安間先生の講話
安間先生から、ボルネオの熱帯雨林と動物について
開発の歴史からボルネオ経済、プランテーション、
タビン地区の動物保護に至る講話を聴かせていただきました。


川遊び
マッドボルケート(泥火山)に行く予定が、
ゾウの群れが近くにおり、危険ということで中止。
午後は川遊びで楽しみました。


ナイトサファリ
夕方よりナイトサファリに車4台に乗車し出発!
ブタオザルの群れやアオムネハチクイ、
サイチョウが空を駆け巡り、
日暮れ時にはムササビが空を飛んで行きました。

明日はジャングルでの体験発表を各自が行い、
タビンを出発、コタキナバル空港に向かいます。
 
                情報管理課 阪上勝彦

ダナンバレー出発
午前中のトレッキングの後、高橋校長先生の講話を聴き、
2日間活動したダナンバレーを出発しました。


ゾウのお出迎え
タビン野生生物保存区へ移動
保存区に入ると、ブタオザル、ゾウが早速出迎えてくれました。

小雨の中のナイトサファリ
小雨の中、ナイトサファリに出発
ゾウの親子の群れの数々、ヒヨケザル、ベンガルヤマネコ、
オオコウモリ、サイチョウ、マメジカなど多くの動物を見ることができました。

通信状況が悪く悪戦苦闘中です。画像はもう少しお待ちください。

                                 情報管理課 阪上勝彦

 

ダナンバレートレッキング  トレッキング吊橋 
午前中、ダナンバレーフィールドセンターで
熱帯雨林の原生林をトレッキング。

オラウータン遭遇
野生のオラウータン親子に遭遇。
参加者全員、今年も見ることができました。

水生昆虫の採集
午後は、水生昆虫の採集
各班でチームを作り、採集、観察、記録、発表まで取り組みました。


ナイトウォーク
夜はジャングルのナイトウォーク
今年はクモ、蛍ぐらいであまり遭遇することはできませんでした。

                         情報管理課 阪上勝彦

ラハダトゥ空港着
コタキナバル空港から約1時間のフライト。
着陸前には油ヤシのプランテーションを見ながら
ラハダトゥ空港へ無事着陸。


ラハダトゥサイエンススクール交流会
ラハダトゥサイエンススクールへ向かい、交流会。
各班が日本の紹介を兼ね、プレゼンテーションを行いました。
サイエンススクールからは伝統のKETUPAT(クトパットゥ)
の講習、プレゼントがありました。
その後の交流会では、お互い写真を撮り盛り上がりました。

ダナンバレー自然保護区へ
ラハダトゥから車でダナンバレー自然保護区へ約3時間
約60kmがご覧のような悪路です。
サイエンススクールの生徒8名も合流しています。

ダナンバレーフィールドセンター到着

予定通り無事ダナンバレーフィールドセンターに無地到着。
全員無事元気です。

                       情報管理課 阪上勝彦

 今回の仙台市でのキャラバンでは、昨年7月に訪問した仙台市六郷児童館と七郷児童館を再び訪れました。昨年の仙台でのキャラバンはキッズひとはく推進室が発足して初めてのキャラバンで、私たちにとっても記念すべきものでした。

 ひとはくを7月24日に車で出発した一行は夜10時過ぎに仙台駅近くのホテルに到着しました。12時間近くかかってしまいましたが、途中のサービスエリアなどで、蝶やセミなど採集しながらの道中になりました。
 
 7月25日六郷児童館には、ひとはくから古谷の他、キッズひとはく推進室メンバーとしては、小舘さん、清水さんそして、今回は中瀬副館長と、昆虫博士の大谷さんも一緒です。仙台市太白山自然観察の森の黒川さんも駆けつけて下さいました。さらに、博物館近くに在住の細川まりえさんも参加してくださいました。


 六郷児童館では、まずは多くの子どもたちとの1年ぶりの再会のあいさつとメンバー紹介。

 その後、デジタル紙芝居「アンモナイト物語」をみんなで見てもらいました。

 次に、少し化石の話を聞いてもらった後は、3グループに分かれて、化石のレプリカづくり、植物の種を使ったダーツゲームなどの遊び、昆虫やヤモリ、イモリなどの生きものに触ったり、蚊帳の中に話した蝶やセミなどに触ったりしてもらいました。

 今年は雨模様なので室内に設置した蚊帳の中では、アブラゼミの雄が触られると大きな声で鳴いたり児童館の子どもたちが前日に捕まえておいてくれたバッタを踏んでしまい、思わず「キャー!」。賑やかな時間が続きました。

 みんなで楽しい時間を過ごした後は、記念撮影をして、「しぜんかわらばん」のへの応募をお願いして、お別れとなりました。六郷児童館のみなさんありがとうございました。「しぜんかわらばん」で再会できることを楽しみにしています。

7月25日、第14回ボルネオジャングルスクールの出発の日がやってきました。

関空出発

関西国際空港に参加者26名全員無事集合しました。
出国手続き等を終え、マレーシア航空053便予定通り
11:00過ぎに関空を離陸しました。

機内の様子

機内では、初めての飛行機、海外とあって、機内食にわくわく
耳が痛いといった小中学生もいました。
ゲームや読書にそれぞれが時間を費やしていました。

クアラルンプール到着

約6時間の飛行でマレーシアの首都であるクアラルンプールに到着。
(現地時間16:06着陸)
約1時間の自由時間もありました。ただし、班別行動です。

ボルネオ島上陸

クアラルンプールを19:20離陸、ボルネオ島コタキナバル空港に21:45着陸しました。
日本から実質12時間かけてついにボルネオ島に上陸しました。

明日からは、さらにラハダトゥ空港まで移動し、ラハダトゥサイエンススクールを訪問、
ダナンバレー自然保護区に入ります。

ブログの更新はネットの状態次第?です。

                                情報管理課 阪上勝彦

本日午前、第14回ボルネオジャングル体験スクールの一行が、

元気に関西国際空港を旅立って行きました。

 

syuppatsusiki.JPG takahasisensei.JPG

▲出発式 高橋校長先生のあいさつ

 

harunasan.JPG▲スクール生代表 濱名愛さんのあいさつ

 

さあ、今年はどんなスクールになるのでしょうか?

現地からの報告も楽しみです。

 

nakayoshi.JPG uedasensei.JPG

▲スクールへの期待に、話も弾みます。

 

8月1日(水)関西国際空港でまたお会いしましょう。

 

tenimotsukensa.JPG sakaue.JPG

▲いよいよ出国 家族の見送りもここまで。

 

 

YAO.JPG(生涯学習課 西岡敬三)

東日本大震災によって被害を受けた方々に元気になっていただくため、昨年訪問した仙台市内の児童館を再訪し、福島第一原発の事故によって避難生活を余儀なくされている、楢葉町の仮設住宅を訪問するため、先ほどキッズキャラバンが仙台へ出発しました。

 

今日も9時30分に出発するって言ってたのに、もう10時30分です。

でも、キッズひとはく推進室では、これは想定内です。

見送りの人たちも、「まだかなぁ〜」

s-P1100318.jpg

さぁ、やっと出発です。

 

s-P1100321.jpg

今日もハンドルを握るのは古谷主任研究員、助手席には大谷主任研究員、見えませんが後部座席には小舘研究員が座っています。

今回も私が見送りしたから、安全運転で行って帰って来てくれるでしょう。

気をつけて行って来てくださいね。

 

今日は仙台に宿泊し、明日25日は六郷児童館、26日は七郷児童館、27日は会津美里へ伺い、昆虫、植物、化石、に関するプログラムを体験していただきます。

このあと、中瀬副館長、キッズひとはく推進室の塚本さん、高瀬さん、清水さん、荒川さんがそれぞれの行程で現地へ向かい合流します。

 

 

s-P1100324.jpg現地での様子を、ブログで紹介してくださいね。

 

                 小林美樹(キッズひとはく推進室&生涯学習課)

博物館へいつも遊びにきてくれている

小学5年生の新田君と中(あたり)君はとっても仲良し。

先日、ひとはく二十歳ポイントカードを二人そろってゴールポイントに達成!

認定証が発行されました。

やったね!

s-KIMG2213.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとはく二十歳ポイントカードは、今年で20歳になるひとはくを記念して作ったカードです。

「ひとはく二十歳ポイントカード」は20周年を記念するイベントを紹介した全12頁のカラー刷りパンフレットに、ついています。5月10日から10月31日までの間に来館あるいはイベントやセミナーに参加いただいてスタンプを集めると、ちょっとすてきなプレゼントがもらえるのです。)

 

 ひとはくは楽しい!と、毎週のように来てくださるお客様も多く、ゴールを目指している方も多いはず。そんなみんなにとっては嬉しいニュースですね。

みんなもゴールポイント達成!!を目指して、夏休みはひとはくにたくさんお越し下さいね。

夏休み期間中は毎日が開館日!楽しいイベントも毎日実施しています。

詳しくはうきうきカレンダーをご覧ください。

7月号

8月号

 

自由研究になる題材もいっぱいですよ。

ぜひご家族みなさんでひとはくへお越しくださいね。 

 

                           フロアスタッフ みの あんな

  さぁ、いよいよ近づいて来ました!! ボルネオジャングル体験スクールの出発(o^^o)

年季の入ったコンテナ
 毎回このコンテナに機材や筆記用具や画用紙、救急品等をパッキングして、ジャングルに持っていきます。角が壊れてしまったものもあるので、何回か代替わりはあるものの、ひょっとしたらこのコンテナが一番渡航回数が多いかも(゚ε゜;) ちなみに、私は4年連続4回目です。

 現地ラハダトゥ・サイエンス・スクールからの参加者の顔写真と名前を送ってもらい、一人ずつの名札も準備します。現地の中高一貫のスクールの同じくらい年代の友だちが8名参加します。なので、しおりも日本語版に加えて英語版も作ります。そして指導者用にも作るので、全部で3種類50冊くらい準備します。

   イスラム系の名前だにゃん  英語はちんぷんかんぷん

 そして、いよいよ荷造り。漏れのないように準備したハズなんだけれど、忘れ物があるかないかは、現地に行って初めて判明するんだろうな、きっと。

詰め込みすぎて、フタが閉まらない!!

 出発は、7月25日 水曜日の11:00の便です。クアラルンプール空港で乗り換えて、コタキナバルに向かいます。ホテルに到着するのは22:00過ぎになるようです。
 帰国は、8月1日 水曜日の8:00前の予定です。
 うまくいけば、現地からblogやfacebookに速報をお届けしますので、またご覧ください。

 では、まもなくの出発です (^^)/~~~

 

 

facebookページは こちらから ↓

     https://www.facebook.com/BorneoJungleSchool

 

生涯学習課 やお4回も連続で行った人はいないらしい(^^ゞ

深田公園うきうき探検隊(略して「ふかたん」)とは、ひとはくの研究員が隊長となって、公園を探検するイベントです。

 

7月22日(日)の午後2時、だんごむし博士の隊長・鈴木研究員と一緒に公園へ出発!

今回の探検テーマは「だんごむしを探してあそぼう!」です。

 

だんごむしはどこにいるかな〜?

 

s-cor091078.jpg

まずは博物館にある植木鉢やプランターの下を観察・・・すると、だんごむしをたくさん発見。

s-P1130238.jpgのサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 続いて落ち葉がたくさんある公園へ向かいます。

 

落ち葉をひっくり返してみると、「だんごむしがすごくいるよ〜」との声があちこちから。

だんごむしは落ち葉をエサにしているのです。

s-P1130242.jpg 

 

 

 

 

 

 

 ほかにもワラジムシやハサミムシ、アリの巣などいろいろなものを発見!

 

博物館へもどってから、捕まえた「だんごむし」を使って迷路で実験。

だんごむしは迷路をぬけられるかな?さっそく走らせてみました。

だんごむしは左へ曲がると次は右へ曲がるという習性があるそうです(^^)おもしろいですね。

s-P1130249.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆さんの身近にいる生き物ですので、見かけたらじっくり観察してみてください。

 

次回の深田公園うきうき探検隊(ふかたん)は、922日(土)。

探検テーマは「バッタとり」、隊長は八木研究員です。

誰がいちばんバッタを捕まえられるかな?さあ競争だ!

 

皆さまのご参加お待ちしております。

(フロアスタッフ まつだ)

7月21日(土)17:00〜21:00、初級鳴く虫インストラクター養成講座の第2回です。

このシリーズでは、3回の講座で15種の鳴き声を覚えます。
室内でのトレーニングのあと、野外で実地教習です。


IMG_1600.jpg
夕闇の深田公園へ
セミも鳴いています。ニイニイゼミに、アブラゼミ少し、ヒグラシもちらっと。
入れ替わるように、コオロギ類が鳴き出します。

IMG_1602.jpg
目を閉じて耳をすますと、黙祷しているような感じになります。

IMG_1621.jpg
この日は、8種の鳴き声が聴かれました。うち3種は、第1回で学習した種です。
コガタコオロギは少なくなり、キンヒバリは姿を消しましたが、深田公園各所でケラが鳴いていました。


IMG_1624.jpg
受講生の一人、押川くんが、ヤブキリをつかまえました。右は昼間につかまえたキリギリス。ちがいがよくわかります。


IMG_1630.jpg
人なつっこいヤブキリくんなのでした。

当日の動画(虫の声)は、こちらでごらんいただけます。

(八木 剛 記)


aogaki_sajigawa_saisyu.jpg7月21日は生物多様性について、朝から夕方まで楽しくみんなで学ぶ日でした。

午前の部は、丹波市立青垣いきものふれあいの里で、丹波地域の貴重な生き物の保全に取り組んでおられる5つの団体の方からお話を伺い、参加者と意見交流のワークショップを行いました。サギソウクリンソウバイカモホトケドジョウオオムラサキとそれぞれの方が工夫と地道な努力を重ねて、地域生態系の保全に取り組んでおられる内容はとても実践的です。子どもから大人まで、模造紙に意見を書いたり、資料や生きた蝶を片手に意見交流が行われました。

ikimonofureai0460.jpg ikimonofureai0451.jpgikimono0449.jpg

上の写真のような感じです。ぐるぐるとテーブルをみながローテションします。
親子のチームもあれば、おじさんだけのチームも。多世代交流で、丹波地域の貴重な地域資源について取り組みや課題を共有しました。このワークショップは、兵庫県丹波県民局さんが中心となってとりまとめて下さりました。

このあと現地へと移動ですが、参加者のかたは展示を観覧。現在、青垣いきものふれあいの里では、『淡水魚展』を開催されています。7月7日から8月31日までとなっています。加古川水系の魚たちが勢揃い、これは超お勧めです。夏休みは丹波にでかけて、展示をみて、そして川遊びを!このほかにも、さまざまなイベントが企画されています(樹脂封入標本づくりもあります)。

ikimonofureai0464.jpg
そして川へと移動します。
観察会の場所は、丹波市青垣町芦田地区の佐治川です。
午後からの参加者も多く、約80名ほどの大所帯に。
ikimonofureai3047.jpg観察会は、丹波県民局、丹波市、青垣いきものふれあいの里のスタッフ&友の会の皆さんがテントの設営や道具の準備をすすめて下さいました。今回は、ライフジャケットも用意して、安全対策もばっちり。昨夜までの雨もあがり、水位も低下して、天気も晴れて観察日和となりました。青垣いきものふれあいの里の松井施設長が進行をつとめて下りました。

ikimonofureai3052.jpg ikimonofureai3065.jpg

テーブルを川のなかにおいて、採れた生物を集めてゆきます。みんなで採った水生生物を観察できるように並べます。こうすることで1匹しか採れなかった種類、小さいけど貴重な種類も、みんなが見ることができます。さらに、川のなかで、写真にあるようにブラックボードにイラストを描いて、生物の特徴を解説。トビケラのからだの特徴について生ものを使って、手にとってじっくり観察することができます。これが、"LIVE"ならではの良さですね。ちなみに右の写真のビデオカメラはテレビの取材です。参加者の皆さんはテレビに映るかも?

ikimonofureai_observe.jpg    ikimonofureai3087cut.jpg

採れた生物のリストを作成しつつ、探せていない種類や生息環境についてレクチャーして、より多くの種類をあつめるために、みんなに協力を求めます。ちょっと早い流れにも親子でアタック。こんな感じで観察会を約2時間ほど開催しました。リストにとりまとめたところ、およそ50種類の魚類や水生昆虫などが採集できました。さすがにたくさんの”眼”があることで、種類が集まります。特に、調査に長けている『青垣いきものふれあいの里・友の会』の皆さんがお手伝い下さっていることがなによりも大きいです。安全管理や準備もふくめて、いつもありがとうございます。この生物リストは、県の環境調査として記録されます。標本の一部は、ひとはくと青垣いきものふれあいの里で保管され、環境学習や研究などで活用されます。

  丹波地域の生物多様性に関する取り組みや佐治川の多様な生き物を実感ができるスペシャルな一日でした。夏休みには、ぜひ丹波におでかけください。青垣いきものふれあいの里で勉強して、きれいな川で水遊びや生き物観察を体験してみてはいかがでしょうか。このほか、観光情報はこちらです(ちなみに丹波市立植野記念美術館ではちびまる子ちゃん展やってますよ!)。

  阪神間からお出かけされる方には、途中には『丹波の恐竜化石発掘地』や恐竜展示がある『ちーたんの館』、もちろん『人と自然の博物館』にもお立ち寄りいただければと思います。

  (みつはし ひろむね)

7月のKidsサンデーはあいにくの雨模様。
外での生きもの探しプログラムが中止になって「残念〜!」の声が聞こえました。

0701kidssunday (19).JPG 

その一方でひとはく館内ではいたるところで黒山の人だかりが!


0701kidssunday (18).JPG   0701kidssunday (26).JPG

パネルシアターも、デジタル紙芝居も、浮沈子づくりも七夕万華鏡づくりも満員御礼!
みんなの太陽のような笑顔^^で、館内は明るいサンデーでした。

3回目となるキッズ館長のみなさんもはりきって務めてくれました。

まずは自己紹介。ちょっぴりドキドキしながら名前と好きな生きものを紹介できました。
0701kidssunday (24).JPG   0701kidssunday (25).JPG 

ホンモノの館長室での記念撮影。「館長、笑顔がいいですね〜」

0701kidssunday (6).JPG   0701kidssunday (10).JPG

0701kidssunday (9).JPG   0701kidssunday (11).JPG

    

写真撮影の待ち時間は生きものの研究。「これカブトムシ!」「あ、チョウチョ!」

P7010037.JPG入り口でお出迎えのお仕事中にお客様から質問が!

「ひとはくの見どころは何ですか?」「・・・3階に貝の標本があります!」 

0701kidssunday (5).JPG


「キッズ館長のみなさん、お仕事はいかがでしたか?」

0701kidssunday (2).JPG

「収蔵庫の中にはいって、とりさんやうさぎさんを見たのが楽しかったです!」
「図書室の本がすごかった!」

0701kidssunday (15).JPG
          

               「お出迎えでチラシを配るのが楽しかった!」 

P1020024.JPG

みなさん、お疲れ様でした!

次回のキッズサンデーは夏休み真っ最中の8月5日。
いつもより少し多めにプログラムを用意して、みなさんをお待ちしています!

8月のキッズサンデーの予定はコチラ!

0701kidssunday (22).JPG

 

←かわいいキッズ館長に館内の

 どこかで会えるかもしれませんよ!

 

 

 

 

 

 

 

    <キッズひとはく推進室・たかせゆうこ>

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして11

 

『さわって楽しむ博物館』を

読んでみました

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

 

Touch to enjoy_A Museum.jpg

 「さわる」という行為は,多くの博物館や美術館ではタブーになっています.ひとはくにはハンズ・オン,つまり,もともと「展示物をさわって楽しもう」という意図で兵庫県のほ乳類はく製を展示したコーナーがありますが,はく製のそばには「お手を触れないで下さい」という,意図とは矛盾した張り紙があります.3階出入り口近くの「森に生きる」のコーナーです(はく製をさわることの意味と限界については,最後にふれます).

 

 小さい頃,ある美術館で油絵の絵の具があんまりデコボコしていたので,その具合を確かめたくてそっと触っていたら,係りの人から叱られたという経験が,わたしにはあります.その油絵があんまり大きすぎたので,しかたなく露出展示――ガラスでおおわない展示をこう呼ぶそうです――をしていたのでしょう.

 

 博物館や美術館の重要な役割は,貴重なものの保存です.ひとはくであれば,化石などは大切に保存しなければいけませんし,滅んでしまいそうな生きた植物は,自然に返すまでの間は,特別な施設で人工的に増やしてやらなければなりません.そのことと大勢の人が「さわる」ということは矛盾しているようです.どうでしょうか?

 

 この『さわって楽しむ博物館』の編者の広瀬浩二郎さんは,国立民族学博物館の研究員です.ご自身が全盲の視覚障がい者で,科学研究費プロジェクトの代表としてこの本をまとめられました.プロジェクトの名前はユニバーサル・ミュージアム研究会といいます.

 

 国立民族学博物館(みんぱく)は,昔からマイノリティーの立ち場を尊重してきた博物館です.民族学は世界中のさまざまな人びとの生活や考え方を調べる学問ですから,マイノリティーの立ち場を尊重するというのも,うなずけます.それに,みんぱくの初代館長は梅棹忠夫(うめさお・ただお)さんです.梅棹さんは強度の弱視でした.弱視の梅棹さんであってみれば,マイノリティーの立ち場を尊重するのも当然でしょう.もっとも,梅棹さんは「ほとんど視力を失った」ということでは確かにマイノリティーなのですが,「マイノリティー」という括りでは収まりきらない人だという気がします.

 

 梅棹さんは,ひとはくとも関係があります.ひとはくの館長だった河合雅雄さんは学部時代,梅棹忠夫さんの指導で卒論を書かれたそうです.思わぬところで,思わぬ人に巡り逢うものです.

 

 「さわる」話題に戻ります.

 

 広瀬さんは,視覚障がい者のことを「常日ごろ,手で触れることに慣れた人」という意味で「触常者」と呼んでおられます.「触常者」にはモノに「さわる」時,大切なマナーがある.それは,"優しく"資料を取り扱い,"ゆっくり"時間をかけて鑑賞する,そして想像力と創造力を発揮して「モノとの対話」を実践するというマナーだとおっしゃいます.多くの博物館や美術館関係者の心配をよそに,このほど注意してモノにさわるのですから,たとえ壊れやすい磁器のようなものであっても,壊すことはありません.そのようにしてミュージアム,つまり博物館や美術館で学ぶことを,広瀬さんは「手学問」と呼ぼうと提案しておられます.

 

 ひとはくを訪れる来館者には,「見学時間は全体で2時間.お弁当を食べて昼過ぎには帰る予定」などという団体があります.これなど視覚に頼らないと「2時間でざっと見わたす」こともできません.とても,「手学問」で,"優しく","ゆっくり"と「モノとの対話」を実践することなどできそうもありません.(印刷をした)カタログのような「2時間でざっと見わたす」といった扱いでは,せっかくの展示物が哀れにさえ思えてきます.

 

 わたし自身は視覚障がい者ではありません.広瀬さんのようには「さわる」ことに慣れているわけではないので,「手学問」という言葉で表されるほど深く,触覚でモノと対話した経験はありません(なかったと思います).しかし,広瀬さんがおっしゃっているのは,見学態度だけを言っているのではないようです.それは,モノを通して時間や空間の広がりを感じ,さらにはモノを通して人と人が結びつく,そのダイナミズムをおっしゃっているような気がします.

 

 『さわって楽しむ博物館』の第5章美濃加茂市民ミュージアムの藤村 俊さんがお書かきになった「人が優しい『市民ミュージアム』」という文章は,その事がとてもわかりやすく書いてあります.藤村さんは「博物館とは『ものと人』の繋(つな)がりを通じて,『人と人』の繋(つな)がりを強める場所」だとおっしゃいます.美濃加茂市民ミュージアムでは古墳時代の勾玉(まがたま)を,それも本物の勾玉を,手にとって,ゆっくりとさわることができるのです.まさに「手学問」です.大切にさわり,次の観覧者にそっと手渡す.本物の勾玉が傷ついたら大変です.でも,観覧者は古代の勾玉から時代の流れを感じ,優しく次の観覧者に手渡すことで,人と人の繋がりを再確認できるのです.

 

 

Minokamo_City_Museum.jpg

美濃加茂市民ミュージアムのページ

 

 ひとはくでたとえるなら,研究員やフロアスタッフ,市民団体「人と自然の会」の皆さんとその他の来館者が,人と人の関係を結べるようなものではないでしょうか? 博物館で過ごす,ゆったりとした時間の流れを感じませんか? 博物館や美術館というのは,元来,そのような場所なのかもしれません.

 

 第15章のキッズプラザ大阪の石川梨絵さんは,ユニークな報告をお書きになっています.「子ども向け暗闇体験プログラムの教育的効果」という題で,「暗闇でさわることを学ぶ」という報告です.あるアクティビティで,子どもたちとスタッフが,真っ暗な中をロープを頼りに歩いていきます.途中には,ぬいぐるみやカイロ,保冷剤など,触覚と温度を感じる皮膚感覚を刺激するモノが置いてあります.ぬいぐるみやカイロなら,さわっても安全です.子どもたちはキャーキャー騒ぎながら,やっとのことで終点のテーブルにたどり着きます.そのテーブルには「触常者」,つまり視覚障がい者の広瀬さんがいて,真っ暗闇の中で,座る位置まで子どもたちを誘導してくれるのです.

 

 

KidsPlaza_Osaka.jpg子ども向け暗闇体験プログラムのようす

 

 「この暗闇体験を通して,子どもたちの視覚障害者へのまなざしが変化する」と石川さんは言います.子どもたちの目の前にいるのは,「支援の必要な不自由な人」ではなく,「暗闇の中でも自分たちを誘導できる」スーパーマンのような「触常者」なのです.このことで人が持つ多様性を学びます.そして多様性を学ぶことで,子どもたちは「触常者」を尊敬しはじめるのです.

 

 これこそ「モノを通して,人と人が結びつくダイナミズム」です.

 

 この『さわって楽しむ博物館』を読んでいて,わたしの得意なことは何だったのだろうと,しばらく考え込みました.現役のフィールドワーカーであった頃には,一日中歩いて疲れはてても,冷静にものが考えられることであったのかもしれません.あるいは,最近であれば,ほかの人よりも早く原稿が書けることでしょうか? そんな自分の得意なことがすなおに認められれば,ろう者やマヒのある人,高齢者や社会的なマイノリティーもスーパーマンになれそうな気がします.そこでは,敬意を持って人と人が結びつくダイナミズムが見られることでしょう.

 

 最後に「さわる」という行為とひとはく3階のはく製の展示について,わたしの意見を書きましょう.

 

 わたしは基本的に「はく製は,触るものではない」と認識しています.ハンズ・オンの展示ということで,はく製を出すことが決まったのですが,はく製はハンズ・オンには適当でないように思います.

 

 わたしが「はく製は触るものではない」と言うのは,決してはく製が傷むからではありません.はく製に触れた人が危険だからです.幸い,ひとはく3階の「森に生きる」に使っているはく製は,害になる防腐のための薬品は使っていません.ですから,たとえ子どもが触れたとしても,うるさく叱る必要はありません.しかし,昔,作られたはく製には,さわると害になるものが,現実にあるのです.そのことをていねいに教えるのがおとなの役割だと思います.ですから,はく製をハンズ・オンに使うのは反対なのです.

 

 はく製ではなく,はく製に代わる似たものを探してみましょう.動物の頭骨はどうでしょうか.これなら防腐をしてありません.さわっても安心です.それこそ「手学問」で,"優しく","ゆっくり"と骨との対話をしてみれば,見ただけではわからなかった発見がいろいろあるはずです.

 

 わたしは.生まれて初めてチンパンジーの頭骨を手にした時のことが忘れられません.それはガイコツなどではありませんでした.脳が入っていた穴を下からのぞき込むと,生きていた頃のチンパンジーの思念が,思わず立ちのぼるのを感じたのです.科学とは別のものが立ち上がった瞬間でした.

 

 

三谷 雅純(みたに まさずみ) 

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/人と自然の博物館

 

『さわって楽しむ博物館――ユニバーサル・ミュージアムの可能性』

(広瀬浩二郎 編著,青弓社)

moriaogaeru_tasuno1.jpgたつの市立河内小学校さんから、モリアオガエルの画像をいただきました。
サルスベリの樹なんですが、滑ることなくスイスイとのぼっています。
先日、河内小学校にモリアオガエルの出前授業にでかけてきました。教室から野外にでて、池のまわりで、卵をながめつつ、樹が池の上を覆い被さる位置関係の大切さ、下の池の生物相のこと、モリアオガエルの生活について解説しました。鳴き声もリアルタイムで聞くことができて、ほかのアマガエルやトノサマガエルとの違いを学ぶことができました。やはり現地での学習は効果的です。

moriaogaeru_tasuno2.jpg  moriaogaeru3.jpg

河内小学校は以下の地図のとおりです。
背後にまとまった森林が残されているのが分かるかと思います。
GoogleMapsで見てみてください。モリアオガエルにとっては、まとまった森林があることがとても大切なんです。学校の池と森をつなぐ”通り道”ができたことで、カエルがやってきたのだと思います。


この森をたどってみると、モリアオガエルが移動するうえで、やっかいな場所も見つかります。
下の地図をご覧ください。ちょうどこの部分が、まとまった森と森がつながりにくくなっている場所です。あと少しの距離なのですが、カエルが地面を這って移動にするにはなかなか険しいです。

こうした生息場所のつながりは、エコロジカル・ネットワークとよばれるもので、生物多様性国家戦略のなかでも、重要な観点であることが記されています。学校や農地、市街地などの小さなビオトープで生態系を”飛び石”のようにつないでゆくことが求められています。逆に、カエルは、池があると思って卵を産んだら、オオクチバスやブルーギルの巣窟だったりすると繁殖は望めません(これをエコロジカルトラップといいます)。


大きな地図で見る

このように地図からみて生物の生息に適した場所を探したり、生息に適した場所どおしをつなげて行くことは、生物多様性を保全し、再生するうえでも必要なことです。最近になって、生物が分布している情報や森の状態、道路や町の状態から、どんな場所で生き物が生息しにくくなっているのか、コンピューターで計算して予測する研究が行われています(生態学の最先端分野です)。予測することで、未然に環境の悪化を防ぐことや効率よく自然を再生することにつながります。来年から改正施行される”環境影響評価法”では、開発に先立ってリスクを未然に防ぐ取り組みが義務化されるようになりました。

小学校の池にモリアオガエルがやってきたという情報も、実は生物多様性を守る上で欠かせない情報となります。貴重な情報をお寄せ頂き、学習プログラムとして取り組んでおられる、たつの市立河内小学校の皆様、ありがとうございました。ひとはくの『かえるの鳴き声聞いて見よう』のホームページにも写真を掲載いたしました。

(みつはしひろむね)

sasayama_hioki.jpg7月17日の『川の水生昆虫の観察会』、篠山川日置地区(泉橋の上流側、城東支所の裏)での会は無事終了いたしました。70名近い、たくさんのご参加をいただきありがとうございました。この場所は、加古川水系の支流にあたる篠山川の中流域になります。ここまで上流にくると水の汚れはずいぶんとマシになります。ヒゲナガカワトビケラをはじめ、エルモンヒラタカゲロウ、ヒラタドロムシなど典型的な中流域の生物相を観察することができました。魚も、アユやカワムツ、ギギ、ムギツク、シマドジョウなどが確認できました。

観察会の前の日にはたくさんの雨が降っていて、水位が上昇気味でした。小さな子どもさんの参加が多くて気になっていたのですが、参加くださった方々にも、安全面で多大なるご協力をいただきましたおかげで、ちびっこも水遊びを満喫できた模様です。開催にご協力いただきましたNPO法人人と自然の会、伊丹北高校のみなさん、摂津市立第2中学校のみなさん、有り難うございました。

ただ、生物相は雨のあとで、少し濁っていたことなどもあり、ちと貧弱でした。トンボ類がまったくの不作。本川の脇にあるワンドで、コオイムシやタイコウチがとれたこと、ヒラタドロムシの成虫がたくさん見れたのが収穫でしょうか。そのほかは、わりと普通種ばかりで、水生昆虫好きの方にはちょっと不満だったかも知れません。 来年はどこにしようか、いまから思案中です。『小さな子どもも遊べる浅い水辺』、『近くにトイレがあること』、『川へとアクセスしやすい』、『わりと色んな生物がとれる』、『水がある程度きれい』、『車が止めれる』、『観察会の帰りに寄り道して楽しいところがある』といった条件を満たすところは、なかなか多くないです。頑張って場所を探したいと思いますので、ぜひ来年もお越しいただければと思います。

夏休みに川のいきもの観察したい方は、以下の講座がおすすめです。
 ・7月21日(土) 青垣町・遠阪川での観察会/青垣いきものふれあいの里主催
 ・7月26日(木) 芦屋川上流での観察会/NPO法人さんぴぃす主催
 ・7月29日(土) 三田市小柿・羽束川での観察会/三田市主催
 ・8月2日(木) 芦屋市宮川河口の観察会/NPO法人さんぴぃす主催
 ・8月8日(水) 三田市藍本日出坂地区での観察会/三田の川ルネッサンス懇談会の主催

ぜひ、夏には川で自然観察を!

(みつはしひろむね)

本日7月15日(日)第2回ボルネオ・ジャングルスクールの事前学習会が行われました。

スクール生代表挨拶

結団式では1班班長の藤原君がスクール生の代表として
決意を述べてくれました。

班別課題作成

1か月振りに参加者全員が顔を揃えるとともに、現地で発表する「日本」の紹介について
各自が準備した内容を持ち寄り、短い時間で仕上げることができました。
今回の参加者は小学校6年生〜高校3年生です。
上級生がそれぞれ下級生をしっかりサポートしてくれています。

1班 
   1班の課題制作と発表練習

2班のサムネール画像
   2班の課題制作と発表練習

3班
   3班の課題制作と発表練習

4班
   4班の課題制作と発表練習

次回顔を合わせるのは、出発日の7月25日関西空港です。
みなさん元気な姿で会うことができることを期待しています。

                                    情報管理課 阪上勝彦

本日(7月10日),三田市にある湊川短期大学附属キッズポート保育園へ行って来ました。

今回のプログラムは,昆虫博士の大谷研究員による「ハチとアリのひみつ」。最近,ハチやアリに興味津々だという年長さんたちが対象です。

プログラムは13:00にスタート。子どもたちも博士もちょっと緊張気味の様子(^ ^)。

kidsport2012_1.JPG

 

ハチやアリの話を熱く語る博士。机の上のケースにはミツバチが入っています。博士はこよなく昆虫を愛しています。

kidsport2012_2.jpg

 

「オスのミツバチは刺さないんだよ」ということで、まずは園長先生が手にとってみせてくれました。
kidsport2012_3.jpg目をかがやかせる子、おっかなびっくりの子、反応はさまざまです。
でも、信頼する園長先生が持っているんだから、きっと大丈夫!
ケースの中には蛹から出てきたばかりのメスのミツバチもいます。このメスたちは、まだ針が柔らかいので、刺さないんだって。

 

 

 

 

「みんなも手に取ってみよう」ということで、オスや蛹から出てきたばかりのメスを手に乗せます。 

kidsport2012_4.jpg kidsport2012_5.jpg

 

こどもたちに囲まれて、博士もうれしそう。

kidsport2012_6.jpg 

 

手に乗せたミツバチを観察することもたち。年長さん全員が手に取ることができました! 

kidsport2012_7.jpg kidsport2012_8.jpg

次は博士への質問タイム。事前にこどもたちが考えていた質問を、博士にぶつけます。ハチやアリに関する真事実も判明!先生たちもフムフム。 

kidsport2012_9.jpg

 

途中で来られた先生には、園長先生自ら講義。ミツバチって本当におもしろい!

kidsport2012_10.jpg 

 

14:00 終了。どうもありがとうございました。 

kidsport2012_11.jpg

 

最後は博士と握手&タッチ。また会おうね〜。

kidsport2012_12.jpgのサムネール画像 

 

博士が帰った後、保育士の先生が年中さん・年少さんへも「ハチとアリのひみつ」を伝えられたそうです。昆虫っておもしろいね!湊川短期大学附属キッズポート保育園のみなさま,お世話になりました。

(キッズひとはく推進室 布施)

 

 


 

ホタルの乱舞

2012年7月 9日

7月9日(月) 夕闇迫る午後7時30分過ぎ

 カメラと三脚とリモートスイッチを準備して、丹波市内某所の田んぼの畦へ出向く。

 狙いは、「ホタル」  丹波市山南町ではヒメボタル祭などが開催され、ヒメボタルの鑑賞がされていますが、こちらはヘイケボタルと思われるホタルです。

 辺りは既に暗くなりかけていて、カメラのピントが合わせづらくて・・・・・・明るい時間帯から準備するのが王道でしょうか。失敗しました。適当に距離を目測してピント合わせをすませました。

 午後8時頃から徐々に飛び始めました。

  乱舞ぅ〜♪

 シャッターは開放で1分くらい放置。コンパクトデジカメでは撮影が難しいかもデス。

 

(お遊びで、5枚の写真を合成したらこんなゴージャスに!!)

うわぁっ♪

 

しかし、例年より時期が遅い気もしますが・・・・

生涯学習課 八尾

 

深田公園に蛇が現れました。

アマゾンにいるニシキヘビのように、木に体を巻きつけて休んでいました。

蛇の種類を確認するため、捕獲することになりました。

 

毒を持っていたら・・と不安ながら、釣り竿・虫とり網・金ばさみ等、それぞれ武器を持って立ち向かい、無事捕獲成功!!

 

早速、蛇に詳しい研究員に鑑定して頂きます。結果はシマ蛇の黒変個体で無毒と分かり一安心。

hebiiti.jpg

(*袋に入れているので若干ぼやけて見えます。)

 

 

体長は30cmほど、漆黒の体をしています。蛇を直接触った事はありますか?このシマ蛇の場合、ツルツルスベスベしていて、背中側とお腹側で鱗の大きさや光沢具合が異なる事を発見しました。

hebini.jpg

(*子どもの頃捕まえて遊んだトカゲの感触を思い出しました。)

 

恐る恐る触って、生温かさを感じて、建物の壁一枚隔てた外には、多くの生き物が生きているということを改めて感じました。次にこんなことがあったら、先頭に立って触れ合うぞ!!今回なんか蛇を見た瞬間に捕獲を一人心の中で断念し、後方で戦況を見守る係として騒いでただけだしなぁ。

 

(総務課 鈴木智仁)

最近雨降りの日が多いですが,,,
今日は気持ちよく晴れた日曜日でした。

この天気のせいでしょうか?
深田公園にへび出現!
黒くて見慣れないへびだったので、少しだけ騒ぎに、、、

シマヘビの黒化個体と判明、毒を持ってないとのことで、
太田先生の案内で、急遽「へび触り体験会!?」が行われました。
ちっちゃな子どもたちにとって
博物館ならではの貴重な体験になりました。


hebitatti.JPG                ▲最初はおっかなびっくり、慣れてくると楽しい!


他のブログでも紹介されたとおり、
今日は賑やかなひとはくの日曜日でした。

 

yurayurakyouryusennsu.JPG isikorokurabu.JPG kontyuhyouhon.JPG

ちっちゃなお子様でも、ご家族でも、大人の方も、みなさまにお楽しみいただける
博物館ならではのプログラムが目白押しでした。


(生涯学習課 西岡敬三)

ひとはくの日曜日

2012年7月 8日
7月に入り、日曜日のひとはくは子どもから大人まで大賑わい!
もうすぐ夏休み!ひとはくのイベントはまだまだ続きます。
まずは下記のあるイベント情報を知って、ひとはくに行こう!

昆虫標本づくり
     「小さな昆虫標本づくり」
小学校低学年のみんなも顕微鏡をのぞいて、虫を見分けています。
ピンセットの扱いも器用にこなしていましたよ。

山陰地方の地質模型
 「石ころくらぶ」(全8回のうち今回2回目)
大人の方々も地質ごとに色分けした地形図を立体的に表現した地質模型に取り組んでいます。
今回は山陰海岸に近い鳥取県〜兵庫県の県境に中心に取り組んでおられました。

ゆらゆら恐竜せんす
「フロアスタッフとあそぼう」では、
30名弱の方々と「恐竜のゆらゆらせんす」を制作しました。
 
恐竜のスケッチ
閉館が近づいても、恐竜のスケッチに取り組んでいる子どもたち、
昆虫やヘビを観察している子どもたちなど賑やかな日曜日の午後でした。

ひとはくの夏休み中のイベント情報は下記をクリック

 うきうきカレンダー
 今週のひとはく
 オープンセミナー
 
 セミナー(事前の申し込みが必要です)
                                  情報管理課 さかうえ

ひとはく20周年記念事業の一環として、移動博物館車が新登場します。
本日、移動博物館車の愛称とそのロゴデザインを含む車両の
ラッピング・デザインについて説明会が行われました。

ラッピングデザイン説明会
説明に参加された人たちに、ひとはくの概要と移動博物館車について説明が行われました。
参加されたみなさんはそれぞれの意欲たっふりに聞き、質問等されていました。
中学生の方も参加してくれました。

運用イメージ
移動博物館車の運用イメージです。

館内案内1
説明会の後、ひとはくをもっと知ってもらうために館内を案内させていただきました。
後ろに見えるのが蝶の展示物ですが、移動博物館車でもこのように展示して
各地を訪問する予定です。

館内案内2
今日から展示されている「丹波市産竜脚類の下顎化石」を見つめる参加者のみなさん。
上記の化石は8月31日まで展示されています。ぜひ、見に来てくださいね!

ラッピングデザイン ポスター
応募締め切りは7月31日17:00 必着です!
みなさん是非、応募してください。
くわしくは こちら まで

                                  情報管理課 さかうえ
  

6/30(土)7/1(日)のフロアスタッフとあそぼう!は万華鏡づくりを行いました。

大人気の万華鏡づくり・・・今回は“七夕”が近いということで“たなばた万華鏡”をつくりました☆☆  

   

cupa.jpg みんながんばってます!

 

manngekyou.jpgみんなの素敵な万華鏡!!

kodomo.jpg 

 kodomox.jpg

  

 

 

 

kodomoxx.jpg

 

 

 

  

七夕が楽しみだね♪

 

 

フロアスタッフ☆たにぐち・ありむら・みの・おの

 吾輩はドジョウジイじゃ。6月16日、歌手加藤登紀子さんの名を冠した、兵庫県多可町中区坂本の「登紀子の田んぼ」に珍元斎と大谷剛研究員と田んぼの多様性を伝えにいってきたのじゃ。

水田  昔ながらの田植え  講師陣の紹介  早乙女姿がいいね  1枚終わって記念撮影 

 まずは、酒米の王者・山田錦の田植えじゃ。子どもたちは、早乙女姿で一つひとつ手植えしたのじゃ。農薬を使っていない豊かな田んぼは生き物がいっぱいじゃ。ゲンゴロウの幼虫ガムシ、カエル、りっぱなミミズ、寝返りのうまいカブトエビなど、みんなさわって大喜びじゃ。

ゲンゴロウの幼虫  ガムシ?  カエル  カブトエビ

登紀子の田んぼ 山田錦の親にあたる酒米・山田穂は、多可の豪農が見つけたといわれ、ここは「山田錦発祥の里」じゃ。町は「日本酒で乾杯の町」も宣言しておって、ベルディーホールで毎年10月1日、加藤さんの「日本酒の日コンサート」をひらく、今回はそのプレイベントのスタートじゃ。

 田植えのあとは、珍元斎のタヨウ星人講談で吾輩たち田んぼのタヨウ星人も大型紙芝居絵巻でデビューしたのじゃ。ゲストのおっさんミツバチも登場し大にぎわい…仲間にはダンゴムシ3兄弟やハナマルタニシ、アメンボーンなどがおる。

滑らかな(?)なしゃべくり  ノコギリも登場  おっさんゲスト  わが輩じゃ!!

 大谷研究員の田んぼのタヨウ性セミナー「田んぼに住む鳴く虫と田んぼに来るミツバチ」の話もあった。コガタコオロギやキリギリス、ケラなど鳴く虫の聞き分けやミツバチを滅ぼす農薬ニコチノイドのことなどなどみんな真剣にきいておった。

  聴きます  大谷研究員の講義   大谷節、炸裂!!

 さあ、メインはタヨウ星人お絵かきじゃ。子どもたちはトビウオマメやハゲタ蚊、巻尺ムシなど思い思いのタヨウ星人を描いたのじゃ。

タヨウ星人お絵描き

 完成した作品は、夏休みに、珍元斎の描いたタヨウ星人と一緒に多可町ベルディホールで展示され、タヨウ星人お絵かきもまたやるそうじゃ。吾輩の勇姿も見られるのでみんな来るのじゃぞ。

 あと、7月9日、10日は西宮神社に珍元斎と大谷研究員のコンビは現れるそうじゃ。えびす様とタヨウ星人はなんの関係があるのか吾輩にはわからんが、どうもエビスビールと西宮のえびす様は関係あるようじゃ。興味のあるモノは夏えびす祭りへ、いざ、いくのじゃ!

エビス祭にLet'sGO

                          田んぼ系タヨウ星人 誕生No.1 ドジョウジイ  ドジョウジイ

 

7月2日に大阪市立自然史博物館で開催された
  「赤ちゃん(0・1・2歳児)連れ来館者対応を考える研究会」
に参加してきました。

館内見学中
(館内を案内していただいている様子)

この研究会は、西日本自然史系博物館ネットワークが企画されたもので、さまざまな博物館から40名ほどが参加されていました。ネットワークの事務局でもある、当館の三橋主任研究員から声をかけていただいたおかげで、ひとはくからは、フロアスタッフ7名、キッズひとはく推進室2名… 総勢9名のメンバーが参加しました。
研修会風景〜♪

昨年度から始まったキッズプログラム。今年度は、約150名のキッズが大使として任命されました。ひとはくにも、大勢のかわいい乳幼児の方々が来館されています。
私たちフロアスタッフは今まで、小学生を対象としたイベントづくりをしてきたのですが…
乳幼児の方々が喜んでくださるイベントはなんだろう?対応はどうしたらいいのかな?

フロアスタッフとして、「どのようにみなさんをお迎えしたらいいのだろう」と悩んでいるところだったので、「まさに、持って来い! ! ! 」のテーマでした。

実際に、赤ちゃん向けのプログラムを実施されている『伊丹市昆虫館子育てがもっと楽しくなるミュージアムづくり研究会と共同)』や『兵庫県立考古博物館』の発表を聞きました。
他の施設の試みに目からウロコ。二館ともプログラムの実施に向けての方向性を最初の時点で明確にされていました。

その後、討論会が始まりました。
博物館でのプログラムは乳幼児に向けて行うべきか?親に向けて行うのか?
受け入れ側のハード面は充実しているか?
展示施設での気配りはどうしているか?これからはどうすべきか?
みなさん、それぞれの方法で取り組まれていて、大変参考になりました。

さまざまな意見がでました^^

(各館の具体的な取り組みを黒板に書き出し)


赤ちゃんを連れたお母さんは平日を子育てセンターや公園などでワンパターンな過ごし方をされています。そこで、新しい事として『博物館』を非日常として選択されます。
その時、親の視点で魅力があり、刺激のある学びや遊びがあれば、『また来館しよう!』と思っていただけます。そのためにも、赤ちゃん連れ来館者に向けて、ウェルカムな雰囲気を作ったり、
人による声掛けや気配りなどきめ細やかな対応(サービス)が必要なのです。
私たちフロアスタッフは重要な位置にあるのだと再認識できました。

他の施設の方では、乳幼児スペースの近くには、必ずスタッフの目があるというお話でした。
安全・安心面を考えたら当然のことですが、お客様に快適に博物館をご利用いただく上でも、またフロアスタッフのこれからを考える上でも、大変参考になりました。
これからどうすべきかは、どの館でも試行錯誤されています。
このような研究会を通して、フロアサービスの充実に向けた情報交換が、今後もできればと思います。

笹山由利子・瀬良裕子(フロアスタッフ)



NPO法人西日本自然史系博物館ネットワークの事務局ということで、当然ながら勉強会に参加してきました。会合のはじまる前には、大阪市立自然史博物館内ですこし展示解説や技法解説を行いました。みなさん、特に子ども向けワークショップやキッズパネルなどに関心があり、フォントは?デザインのカラーバランスや文字数の少なさなど、妙な盛り上がりでした。子どもの書いた絵をどうやって貼っているか、など参考になりました。

さて、勉強会ですが部屋はほぼ満席で、参加者は約40名、13の博物館(+大学生、NPO、展示会社のかた)が参加。話題提供は兵庫県の2つの博物館です。2館ともに、早い段階からキッズプログラムの開発に取り組んでこられ、地域の方々やボランティアさん、幼稚園の先生方の協力を得て、綿密に企画を練って来られてきたプロセスを報告いただきました。どちらもそうですが、外部の方、とくに子育て分野や見せ方に精通されている方が参画され、実演などを通じて相互評価・批評することの効果がとても大きいように思いました。
 総合討論では、当館のスタッフから、「キッズコーナーでの子どもの野放し問題(親はいずこへ?)」についての問題提示があり、これを口火に各館での具体的な対応が引き出されました。それぞれの館での独自の取り組み、考え方、海外での視察事例などをまじえて、多様な意見が出されました。結局のところ、放置は許容せず、託児所じゃないことを伝えたり、頻繁に声かけするしかないとのことでした。となると、場所の問題が重要になります。
 面白かったのは、キッズコーナーをどこに設置すべきか、という課題に対して、多くの館に共通していて、開館から幼児コーナーが想定されていなかったので、展示室の奥まった空いたところを充てていたが、目が行き届きにくく、声かけしにくい、安全&防犯上の理由で、試行錯誤を経て、いちばん多くの人の目につくところに移動されたとのことでした。これは、どの館も同じ意見(失敗と経験)で驚きました。それに加えて、適度な距離(近すぎてもダメ)とタイミングで声かけできる場所、隣接して椅子を置いて親の居場所もつくること、などの意見もありました。さすがに皆さんからの経験にもとづく話で参考になりました。
 その後、色んな方々と立ち話状態でフリーディスカッションと交流。何名かのグループで幼児学習の到達点についての議論に。そのなかで印象的だったのは、幼児が家に帰ってから、「身の回りのいっしょ探し」、「似たもの探し」が体験の効果を測るチェックポイントだという意見がでて、皆さん納得。博物館での実物標本に端を発して、「手を動かす作業の実施」、「はじめての出来た!体験」、「家に持ち帰り」、「身の回りのいっしょ探し」といった一連の学びのプロセスをデザインすることが大切との意見が、参加者から自然と沸き上がりました。
 そんなことで、引き続き、宿題を各館に持ち帰って、ふたたび同じテーマで研究会を開催しようということで解散しました。こうした日頃からの他館との交流や研究員・スタッフのお勉強(研修)を通じて、より楽しく学べる博物館づくりをすすめてゆきたいと思います。
スタッフの皆さん、お休みの日にお勉強に勤しんでいただきご苦労様でした。

みつはしひろむね(研究員)

 

ユニバーサル・ミュージアムをめざして10

 

失語症者に助けてもらう−3

 

Picture7_544pic.jpg 

 活字を大きくして,漢字に直した,デイジー版『くんくんくん おいしそう』は,協力して下さった多くの失語症者にも理解していただけたようです.ただ,どうしても理解できない人がいました.どうしたのでしょう?

 

 失語症者に助けてもらう−1に,すでに書いた事ですが,わたしたちはたくさんの失語症者を前にすると,どうしても「失語症者」とひとくくりにしがちです.でも,障がいは人によって違います.<話せない>人や<書けない>人だけでなく,<聞いて理解できない>人も<読んで理解できない>人もいます.そんな人が、デイジー版の『くんくんくん おいしそう』を「分からない」と言っておられたのです.この困難をどう克服するかは,これからの課題です.

 

 聴覚失認の人 (1) にも,うまく聞いてもらう事ができませんでした.

 

聴覚失認の人は,耳では音を「聞いている」のですが,脳が音を認識できません.その上,話すことや書く事もうまくできません.そんな人は,普通の人のように,短時間で もの事を理解するのが大変なのです.このことは、失語症者友の会の代表の方からも、うかがっていました。それでも皆さん、知識を求めておられるのです。

 

わたしがデイジーで作った文章は,(わたしが付いていたとしても)機械で伝えるのですから,「相手が理解できた事を確かめて,次を読む・画面に表示する」ということはできません.できる事と言ったって,せいぜい <読む・画面に表示する> スピードを変える事ぐらいです.

 

 「機械で作った声」を聞いてもらったのも問題だったかもしれません.人間の声と機械の声は,同じように聞こえても微妙に違います.「『機械で作った声』は,どこか違う」と指摘した失語症の方もいらっしゃいました.

 

 人間の声と機械の声は微妙に違うから,朗読ボランティアという存在が必要なのです.でも,わたしの回りに朗読をして下さる方は,さしあたって見つかりませんでした.第一,これは研究なのですから,本当は朗読をして下さる方にアルバイト代をお払いして,読んでもらうべきなのです.しかし,残念ながら,そんなお金はありませんでした.ただ、DAISYを作ったり,<聞く・読む>ためのソフトは、無償で手に入ります (注2).最初のうちは,これで充分です.

 

 でも,こんな研究は,何だかすてきだと思いませんか?

 

 失語症者でも,症状の重い人は「保護を受けるだけの人」だと思われてきました――今でもそう思っている方が,障がい者の側にも,障がい者でない人にも,たくさんいらっしゃいます.ところがユニバーサル・ミュージアムの実現には,健常者には不可能な<独特の感じ方>が大切なのです.そんな特別な<独特の感じ方>をする人は,まだ,わたしたちが気づいていないだけで,世の中には,たくさん,いらっしゃることでしょう.それは何も障がい者に限った事ではありません.

 

 ある展示を見た時,健常者はガラスの中に展示されたものを普通に見,パネルに印刷された解説を,普通の事として読みます.しかし,視覚障がい者はガラスに囲まれた展示物など何もわかりませんし,コミュニケーション障がい者はパネルに何が書いてあるのかがわかりません.この研究では,コミュニケーション障がい者の代表として,失語症者が協力してくれたのです.

 

 前にもユニバーサル・ミュージアム:ことばの整理に書いたことがあります.ユニバーサル・ミュージアムというのは,ユニバーサル・デザイン――デザインは美しいに超した事はありませんから,インクルーシブ・デザイン――の考え方を取り込んだ博物館や美術館や図書館といった生涯学習施設(しょうがいがくしゅう・しせつ)のことです.みんなの知恵を集めれば,みんなでいっしょに使えるものになる.その「みんな」の中には,いろいろな障がい者もいれば,母語の違う(日本語がうまく話せない)人もいる.小さな子どももいれば,おじいさんや おばあさん もいるのです.そうした人が誰でも気がねなく集まって,学べる場所を作る.そんな場所を創造する.それが<ユニバーサル・ミュージアムを作る>という意味です.

 

 ユニバーサル社会という理想があります.それが実現したら,どんな社会ができるのか,わたしにはまだ,よくわかりません.しかし,ユニバーサル社会は創造していかなければなりません.そしてユニバーサル社会とは,働き盛りの,健康な人だけが作るのではありません.決して「保護を授(さず)ける社会」がユニバーサル社会ではないからです.それは多様な人――健常者や障がい者や母語の違う人や年齢の違う人やら――が力を合わせて作り出す,未来のあるべき社会です.そのひな形がユニバーサル・ミュージアムなのです.

 

 わたしは,ユニバーサル・ミュージアムというのは,ユニバーサル社会を実現するための社会実験だと思います.

 

 

Gorilla&Tree.jpg『くんくんくん おいしそう』(阿部知暁,1994)

 

三谷 雅純(みたに まさずみ)

 

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所

/ 人と自然の博物館

 

----------------------------------------

 (注1) 医学的には,人のしゃべり声と,風の音や水の音のような環境音(かんきょう・おん)は別なのだそうです.人のしゃべり声が認識できないと純粋語聾(ご・ろう),環境音が聞こえないと(狭い意味の)聴覚失認(ちょうかく・しつにん)と呼ぶそうです.ですから,デイジー版の絵本の機械で作った「声」が聞こえないのなら,本当は語聾(ご・ろう)と言うべきかもしれません.ここでは音が認識できない人を,広い意味で「聴覚失認」と呼んでいます.その人は,大人(おとな)になってから失語症になったので,中途失聴者(ちゅうと・しっちょうしゃ)――普通に生活をしてきたのに,事故や病気で聞こえ方が悪くなった人――の立ち場に似ています.

 

 (注2) Microsoft Windows のパソコンに Word というワード・プロセッサが入っていれば,Word 2007Word 2003,またはWord XPの文書からなら,組み込みソフトSave as DAISY Translator2.1.1.0日本語版でデイジー文書が簡単に作れます.Save as DAISY Translator2.1.1.0日本語版は,()日本障害者リハビリテーション協会DAISY研究センターのウェブサイトから,無償でダウンロードできます.

 

DAISY Translator日本語版

 

 ただし,音声合成エンジンをインストールしていないとデイジーはできません.DAISY Translatorを使用して音声の入ったデイジー文書を作成するには,音声合成エンジンが必要なのです.マイクロソフトで,障害のある人向けに日本語音声合成エンジンを配ってくれます.無償です.ドキュメントトーカ日本語音声合成エンジン (クリエートシステム開発株式会社製) CD-ROM申し込み先は次の通りです.

 

日本語音声合成エンジンのご提供について

 

 デイジー文書の再生ソフトは,ATDOのウェブサイトから AMIS3.1日本語版が無償でダウンロードできます.

 

AMIS3.1.3 ファースト・ステップ・ガイド

Copyright © 1995-2014, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo, All Right Reserved.