「化石大集合2010」では、古い方から古生代、中生代、新生代と、大きく3つに区分されている地質時代ごとに、人と自然の博物館に所蔵されている化石の中でも特に状態の良いものを選んで展示し、各時代を分ける大量絶滅事件についても解説しています。展示標本の中には開館後に購入して、これまで展示機会の少なかったものなど、ひとはくの「お宝」とも言えるすばらしい標本も含まれています。
 ここでは解説のさわりとして、各時代の標本の中から一つずつ紹介します。
 古生代では「デボン紀の化石密集標本」です。

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                     (写真1:デボン紀の化石密集標本)  

これは多数の腕足類に三葉虫、ウミユリ、コケムシなど古生代デボン紀の海底に生息していた生物の殻が密集して含まれているもので、当時の海底で腕足類が繁栄していたようすをよく物語るものです。

 


 中生代では、ジュラ紀の「リムルス」(カブトガニ)です。 

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                       ( 写真2:「リムルス」(カブトガニ))

この標本は、始祖鳥など大変保存のよい化石の産出で有名な、ドイツのゾルンホーフェン産の化石で、カブトガニの体の後ろには、このカブトガニの這(は)った跡が残っています。つまり、化石となったカブトガニの死の直前のい行動が記録されているのです。

 

新生代では「コピドドン」(哺乳類)です。

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                                                  (写真3:「コピドドン」(哺乳類))

この標本は新生代古第三紀の化石産地として有名なドイツのメッセル産で、腹部の内臓の痕跡や、体毛なども保存された、大変保存状態のよい標本です。
 このオ^プンセミナーでは、特徴的な標本の解説の他に、各時代の生物全体の特徴、時代による生物界の変化、各時代を分けた大量絶滅事件などについてわかりやすく解説します。その中で、理解していただきやすくするために、腕足類などの、手にとってごらんいただくことのできる標本も用意しています。

 

                      古谷裕(恐竜タスクフォース)

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