米国古脊椎動物学会(Society of Vertebrate Paleontology)は、年に一度例会を開催します。その例会には、米国の研究者のみならず世界中の研究者が集うため、実質的には古脊椎動物学の国際大会となっています。昨年は英国のブリストルで開催されましたが、今年は米国のペンシルバニア州ピッツバーグで四日間に渡って開催されました。今回の大会には、約20ヵ国、総勢約900名の研究者が参加し、700を超える研究発表がおこなわれました。
例年この大会では多数の研究者が発表するため、研究内容により選別され複数の会場にて発表が行われます。発表は口頭発表とポスター発表に大きく分かれており、口頭発表が四会場、ポスター発表が大きな会場一つで行われます。大会参加者は、事前にプログラムを調べ自身の興味のある演題を聞きもらさないように多数の会場を行き来します。
今回私は、上の写真のようにポスターで研究成果を発表しました。このポスター会場では、お酒やスナックが振舞われ、世界中の古生物学者が交流を深め、研究についての情報交換が行われます。お酒を飲みながらの発表は、日本国内の学会ではあまり馴染みがないですが、少しお酒が入ることで、国籍を超えてスムーズにお互いが打ち解けることが出来るようです。
発表の成果も上々で、カエル化石研究の第一人者で中国科学院古脊椎動物古人類研究所(IVPP)の館長である王原博士から、「非常に重要で興味深い化石だ。今後双方の研究成果を議論するために密に連絡を取り合っていこう」とコメントを頂きました。今年も12月中旬から第五次発掘が行われます。恐竜だけでなく、カエルのような小さな生物も多数産出すると思います。今後も随時、調査・研究活動を報告しますのでご期待ください!
池田 忠広(自然・環境評価研究部)