ひとはく謎の講談師、河南堂珍元斎でございます。
あけましておめでとうございます。本年もよろしうご贔屓のほど・・・。
さて、県美ひとはく連携事業の一席でございます。
時は、昨年の12月13日(日)。
それは、県立美術館で現在開催中の特別展「ジブリの絵職人男鹿和雄展」にあわせ、背景美術作品の中に登場するさまざまな自然、いきもの、人の暮らしなどを科学的にひとはくの博士が解説する「ひとはく背景画セミナー」で、この日は「〜里山とランドスケープ〜」と題した1回目でございます。
「となりのトトロ」などの背景画の中に登場する風景を、ランドスケープアーキテクトの観点から分析し、実際の里山や庭園の風景写真との比較で、背景画をさまざまな視点で解説しました。
セミナーのあと、再び展示を見たお客様は「話を聞いてからの絵と聞く前とでは絵の見え方が違う!」と納得。
風景は見る人の教養によってかわるもの・・・なのでーございます。
続いては、間の狂言として、珍元斎が出演。相方の四十一斎と御免奈斎と組んでの「講談:阿波狸合戦」。
この話は、出品されている「平成狸合戦ぽんぽこ」の元ネタの1つといわれる徳島に伝わるお話で、今回のために書き下ろした珍元斎バージョンを披露。
背景画の元になった、狸たちが駆け回り、人間と共存していた、かつての日本の暮らしや里山の原風景を口演と寸劇で再現いたしました。
そして、最後は服部保研究員による「照葉樹林と里山」。
「もののけ姫」に登場する照葉樹林から日本の植生の移り変わりや里山の炭文化などを解説。
服部先生の撮った屋久島の写真ともののけ姫の背景画の照葉樹林があまりにそっくりでびっくり・・・ほんとの風景から書きおこした絵だということを実証したのでございます。
この日は満員御礼で、3コマで延べ200人の方々に楽しんでいただきました。
ひとはく背景画セミナー、ああ、見逃したという方のために、あと2回開催します。
いずれも14時から兵庫県立美術館レクチャールームにて下記の日程にて、乞うご期待。
1/9(土) ひとはく背景画セミナー2〜身近な里山とはるかなる琉球〜
「里山の虫:鳴く虫」大谷剛研究員
「里山の虫:ほたる」八木剛研究員
「琉球の自然と風景」太田英利研究員
1/11(祝) ひとはく背景画セミナー3〜里山と植物〜
「背景画の中の植物」高橋晃研究員
「里山講談 クヌギ寅次郎の冒険」河南堂珍元斎
「背景画から読み解く里山の生態系」三橋弘宗研究員