丹波の恐竜化石の発掘では、国内初となる恐竜の全身骨格発掘に期待がかかっています。これは恐竜の中でも竜脚類・ティタノサウルス形類に属する大型植物食の恐竜、いわゆる「丹波竜」です。

実は発掘中に、この「丹波竜」を食べに来たと思われる肉食の恐竜の歯がたくさん見つかっています。肉食恐竜たちは歯を折りながら、かぶりついていたんですね。
そんな恐竜たちの中でも、今回、獣脚類・ティラノサウルス類の歯が見つかったのです。

   展示ケース

▲第3次発掘で見つかった「丹波竜」の歯と獣脚類の歯が同じ展示ケース内に。

ティラノサウルスの復元模型の前に、見つかった2本の歯を展示しています。

 

長さ2cmにも満たない前顎歯ですが、ティラノサウルス類の特徴である「D型」の歯です。予想される体長は5メートル?
すでに新聞やインターネットでは報道されていますが、ティラノサウルスといえば後期白亜紀に13mにも達したティラノサウルス・レックスを思い浮かべられる方は多いでしょう。
このティラノサウルス、いつ頃から大型化したのか詳しいことはわかっていません。というより1億年以上前の原始的なティラノサウルス類は、小型のものの化石しか見つかっていないのです。

最近、中国で1億年前よりもやや古い前期白亜紀の地層から大型化に向かう中間型のティラノサウルス類の化石が発見されました。
そして今回、その地層よりも古い「篠山層群下部層」(1億4千万年〜1億2千万年前)から発見されたのです。
このことはティラノサルス類の進化を考える上で、世界的に見ても重要な発見となるわけです。

 

歯1のサムネール画像 歯2のサムネール画像

▲1本は折れていますが上から見てD型がわかります。もう1本は前顎歯を舌側から見えるように展示しています

いよいよ、この歯を明日18日(土)から一般公開します。
8月31日(月)までの夏休み期間中、3階「丹波の恐竜化石」展示室にて見ることができます。

この機会に、じっくりとご覧ください。

(恐竜タスクフォース・生涯学習課長 平松紳一)

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