11月9日(日)に兵庫ゆかりのナチュラリスト、小泉八雲コーナーの関連イベントで、
八雲のひ孫小泉凡さん(島根県立大学短期大学部准教授:小泉八雲記念館顧問)
をゲストに「ナチュラリスト小泉八雲」を開催しました。
神戸に2年間、新聞記者として居住し、神戸で帰化した小泉八雲を、100年前にタイ
ムスリップして、八雲の聞いた虫の音などの音の世界を体感しようというイベントです。
まずは、 河南堂珍元斎の講談「虫売り」から。
<写真1>講談「虫売り」のはじまりはじまりー!
黒子、司会は、友情出演の河南堂御免奈斎、阿部星香さん。
<写真2>江戸の虫売りの様子を再現しました。
売り声は、京風売り声「ギースどうどすー。松虫どうどすー。鈴虫どうどすー・・・」。
江戸風は不明で、虫売りは、京都には戦後しばらくまでいたようで、京都の宿屋
「枳殻荘」のおじさんに教えてもらった売り声で演じました。
<写真3>虫売りの屋台
虫売りの屋台は県立美術館との連携で、県立美術館の藤原義勝ミュージアムティーチャー
に制作してもらいました。虫売りの主は珍元斎、使用人は、友情応援の四十一斎、御免奈斎です。
屋台はすごく重い・・・。お疲れ様。
<写真4>
八雲の書いたエッセー「虫の演奏家」から、虫売り誕生物語を講談+落語風で演じる河南堂珍元斎。「へるん先生(八雲)の近所に住む喜六は、新しい仕事の紹介をへるん先生に頼みにやってきます・・・。」、講談「虫売り」は11月24日にファーブル講談で再演します。
<写真5>
小泉凡さんは「八雲のとらえた明治日本の音〜虫・蛙・鳥そして街の音」と題したお話。
明治日本で、八雲がとらえた虫の音をはじめとする「音」についての楽しいお話でした。
日本の音楽や虫の音、物売りの呼び声など日本の庶民の文化に対する八雲の愛情を
とても感じました。
<写真6>
大谷剛研究員は、八雲が聞いた鳴く虫、カネタタキ、クサヒバリ、カンタンなどの声の聞き分けの解説。
<写真7>
さあ、聞き分け訓練ができたら、いざ、 深田公園へ。凡さんも一緒に、今も鳴いているはずの
クサヒバリ、カネタタキ、カンタンの声を大谷研究員や連携グループ「きんひばり」の案内で、
八雲が愛した鳴く虫の声を聞きに出かけました。
<写真8>
<写真9>
残念ながら、この日はあいにくの冷え込みで、鳴いていたのは、ハラオカメコオロギのみ・・・。
大谷研究員によると気温が15度より下がると鳴かないようです。昨日まで鳴いていたのに・・・
あー残念。代わりに、「きんひばり」のメンバーが飼っている鳴く虫を見せてもらいました。
ちなみに翌々日の11日あたりから気温が上がり、ふたたびカネタタキは鳴きはじめました。
<写真10>
鳴く虫のかわりに、ネズミトリに捕獲されたズズメバチを凡さんと見学。まだ生きているのもいて、
大迫力でした。
人と文学と自然が融合したイベントで、受講者からも「楽しかった!」といわれ感謝です。
受講者は、小泉凡さんと記念撮影したりして、外は寒かったですが、熱いイベントでありました。
<写真11>
虫売りで使った屋台を「ナチュラリスト小泉八雲コーナー」に展示しました。八雲が聞いた虫も鳴いています。(CDですが・・・。)虫籠の中の、鳴く虫たちは、「きんひばり」の溝田さんの切り紙とフロアスタッフの藤田さんと瀬良さんによる折り紙です。虫の写真の提供は八木研究員と「きんひばり」の吉田さんです。ありがとうございました。
それから、河南堂珍元斎によるオリジナル虫売り扇子が屋台の中に<プレゼント>と書いて、そっと
おいてあります。ファーブル大作戦!期間中の毎週末1本づつ置いてあるので、ぜひゲットしてください。
ファーブルTF 川東丈純