厳しい寒さから一転して春本番の暖かさになりましたね。
早春にだけ現れる虫たちも、順調に出てきているようです。

晩秋から早春にかけて現れる「キリガ」と呼ばれる蛾のなかまがいます。
やわらかな毛並みや上品な色彩から、人気の高い蛾です。キリガには、晩秋にだけ現れるもの、晩秋に現れてそのまま越冬し早春にかけて活動するもの、早春にだけ現れるものがあります。(※1)

JR「T田尾」駅は、山間にあって、灯火にいろんな蛾が飛んで来ることで、わりと有名な駅です。2008年3月16日(日)、キリガの採集に訪れた少年たち(※2)のようすを観察しました。



改札前。「二匹のディスタンス」(※3)風に、ならんでもらいました。かわいいでしょう。左:スギタニキリガ、右:スモモキリガ。


階段でしゃがんでいるのは、気分が悪いからではありません。蛾は地面に落ちていることが多いです。珍品が無惨に踏まれていて、ああ、なんてことを・・・と思うことあり。


蛾は、天井にはりついていたり、すき間にいたりします。ちょっとお行儀悪いですが、隅々まで見ることは重要です。


ええもん採れましたかー? 夜はさすがに寒いっすねー。という感じ。


スギタニキリガ 早春だけに現れる、キリガの中では大型の種類。普通種だけど、思わず見とれる美しさです。格調高いっすよー


自転車置き場の地面に落ちてたシロトゲエダシャク。メスは翅がない「フユシャク」と呼ばれる蛾のなかまです。フユシャクの中では最も遅く現れる種で、3月に見られます。薄い翅とふさふさのアンテナ(触角)が上品。


※1、3 「共生のひろば」第3号に掲載の「宝塚市武庫川渓谷と西宮市甲山のキリガ相」「二匹のディスタンス」を参照下さい。(現在印刷中ですので、配布およびホームページでの公開はしばらくお待ち下さい。)

※2 ひとはくのセミナー「ユース昆虫研究室」現役および卒業生(テネラル)の人たちです。ユース昆虫研究室オフィシャルサイトはこちら。過去のようすがごらんいただけます。セミナーはこちらからお申込いただけます(中学生限定。〆切:4月1日です)。

キリガの採集についてさらに関心がある方にはこちらが超おすすめです。


自然・環境評価研究部 八木 剛 でした。

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