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2007年12月アーカイブ

ミュージアムショップからのお知らせです。

「ツボカビ防止キャンペーン」の一環として作製したツボカビエコバッグが、お蔭様で大変御好評をいただいております。「もう少し大きいほうが使い勝手が良い」というご意見をいただきまして、ツボカビ防止マークはそのままに大きなサイズの生地のしっかりしたショッピングバッグをこのたび作製いたしました。

shoppingbag.JPG

縦型と横型の2種類を用意しています。教材入れやお買い物、また贈り物としてもお使いただければと思います。

ヨコ型:300×360×140  タテ型:360×300×140 (タテ×ヨコ×幅 mm)
価格:800円(税込み)
お問い合わせ⇒ こちらをご覧ください

なお、前作のツボカビエコバッグは、御好評につき完売いたしました。ご愛顧ありがとうございました。
近日、追加製作を予定していますので、引き続きよろしくお願いします。

ミュージアムショップは、新年は1月3日から営業します。ご来店を心よりお待ちしています。
来年もどうぞよろしくお願いします。

20日の朝刊(産経)で、オオサンショウウオがカエルツボカビ症に感染していることが報道されました。
(→産経新聞の記事へ)
(→スポーツ報知新聞の記事へ)

野生の個体とありますが、数年間飼育されていた個体なので、完全な野生個体ではありません。
「研究者らは絶滅の恐れも」という記事がありますが、少し過大表現だと思います。
海外からやってきたツボカビとは違うタイプのものらしいので、国内に元々いた可能性があるからです。

元々いたということは、オオサンショウウオと共進化してきた可能性があり、大きな被害はでないことが予想されます。
ただ、外国からきたツボカビが感染し被害がでるという可能性はあるので、これからもペットのカエルを扱うには注意が必要です。
詳しくはこちら→http://hitohaku.jp/tsubokabi/infor.htm

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

沼島のシダ植物

2007年12月19日

沼島(ぬしま)は淡路島の南方5kmほどにある周囲10kmほどの島です。
兵庫県の最南端で、兵庫県では唯一、中央構造線の南側になり、全島で、緑・紅・
白などさまざまな縞の入った結晶片岩が見られ、地質的にも興味深いところです。

 シダ植物の記録は少ないのですが、南方系のシダ植物があります。


(写真:ナンカイイタチシダ)

イシカグマ、ナンカイイタチシダは淡路本島にも分布しますが、沼島では全島に渡
ってみられます。
また園芸植物としてよく見かけるタマシダの県内で唯一の自生地もあります。

 また、島のはかつては湿地帯で、沼島の名の由来の「沼」がありました。


(写真2:デンジソウ)

1973年に水生シダ植物で四葉のクローバーそっくりのデンジソウ(田字草)が沼島
で採集されていますが、ここに生育していたと思われます。
デンジソウの胞子は地中で数十年は生きているので、デンジソウが復活するかもし
れませんが、あいにく池として深く掘られてしまったので、その可能性は低くなって
しました。

鈴木 武(自然・環境再生研究部)

丹波市の山南住民センターに「丹波竜化石工房」が12月1日、オープンしました!
(丹波市整備)
化石のクリーニングの様子が発掘現場である山南町で見ることが出来ます。


(写真:クリーニングの準備を始めるスタッフ)


(写真:プラスタージャケットを開封!)

工房オープン当日、化石が入っているプラスタージャケットを約150分かけて開封
すると、中からきれいに骨が並んで見えました。この化石の産状の型を取り、レプ
リカを作り、クリーニング作業を進めていきます。
レプリカをつくるためにシリコンで型どりしたら、この綺麗に骨が並んでいるのが見
れなくなってしまいす。
今が見どきです!


(写真:ガラス越しに見学する人たち)

こちらの工房は午前と午後のそれぞれ2時間、ガラス越しに作業が見学できます。
見学出来るのは、水曜〜日曜日で午前のうちの2時間、午後から2時間
(年始年末の12/29〜1/3は、お休みだそうです。)

みなさま、こんにちは!
外は寒〜い日が続きますが、ひとはくは暖房が入ってあたたかい毎日です。
さて、12月も半分が過ぎ、もうすぐクリスマス。
ひとはくサロンもすっかりクリスマスモードです。
今回は「フロントスタッフの仕事のやりがい」について紹介します。

フロントスタッフの仕事は、お客様の対応とイベント運営がほとんどを占めてい
ます。今のメンバーは子どもが好きで、動物、昆虫、植物に興味を持ち、絵が
上手な人の集まりです。

私たちにとって大変な仕事は、(予算ゼロ状態で)自分達で考えたイベントを運
営する事ですが、成功した後の喜びはひとしおです。やはり準備は大変です!
晴れた日にコツコツ自然の素材集め→どんぐり、松ぼっくり、落ち葉は博物館か
らすぐの深田公園に拾いに行きます。他にもダンボール・ラッピング・リボン・ワ
インコルク・わりばし・楊枝・リサイクルしておもちゃになりそうな物は、スタッフ
同士で声をかけあってイベント用に収集しています。普段は、ポイッとゴミにし
てしまっているグッズを再利用してまた子ども達に楽しんで遊んでもらえると、
よかったなぁ〜と思います。

『毎日のもよおし デジタル紙芝居&ボルネオジャングル探検ツアー』では(お客
様が)一人でも二人でもイベントは遂行します(やります)!
集まった方々に合わせて、こども向け、おとな・お年寄り向けにお話をアレンジし
ます。

一番やりがいを(スタッフにとってご褒美をいただいたように)感じる事は、幅広い知
識をお持ちの参加者とお会いできる機会があること。
子ども達とふれあえて、とびきりの笑顔を見られること。
そしてなにより、参加者の年齢にかかわらず「学びが起こる」瞬間があります。
紙芝居をご覧になられて「こんな珍しい生き物が兵庫県にいたのは知らなかった」
と感動していただいたり。

これからも、フロントスタッフは人と自然の共生を考えるインタープリターとして、ひと
はくとお客様をつなぐお手伝い役として、頑張っていきます!
よろしくおねがいします!

(フロントスタッフ 藤田奈美)

もうすぐクリスマス

2007年12月13日

クリスマス気分で歩いていたら、ヒイラギモチをみつけました。セイヨウヒイラギでなく、シナヒイラギ(Chinese holly: Ilex cornuta Lindl.)です。

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「成木の葉は全縁(葉のふちにぎざぎざがないこと)になることがある」。本当だ。

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この辺はみんな全縁です。同じ木なのに不思議。

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変種にマルバヒイラギモチ(var. integra)というのもあるそうです。

今週末の15日(土)は、植物分類学会講演会があります。「Flora of Japan (日本の植物相)」の担当の先生方が、担当の植物についてお話してくださいます。ユリ科、ラン科、キンポウゲ科などについて楽しいお話が聴けそうです(予約不要)。同じ日に昆虫学公開研究発表会もあります。今週もひとはくは盛りだくさん!!

(自然・環境評価研究部 福田知子)

鯰絵

 19世紀の百万都市江戸の町を,安政2(1855)年にマグニチュード7規模の直下型地震(安政江戸地震)が襲い,下町を中心に多数の家屋が全壊,新吉原の遊郭などで火災が発生して,約1万人が亡くなりました.この地震直後に地震鯰をモチーフとしたかわら版が江戸市中で爆発的に流行し,後に「鯰絵」とよばれました.
 この鯰絵は,鹿島大明神が生捕りにした三匹の鯰に縄をかけて江戸屋という蒲焼屋に連行したところを,地震のたびに儲かる大工,鳶職,左官,屋根屋,露天商の五人が,なんとか助けてやってくれと懇願しているようすを描いています.安政江戸地震を表わす鯰を中心に,弘化4年(1847)の善光寺地震を右側に,嘉永6年(1853)の小田原地震を左側に置いて,江戸地震とその直近の三度の大地震を三匹の鯰に置きかえています.
 鯰を助けようという職人たちの掛合いがじつにおもしろく,大工は「鯰のおかげで日当が十分もらえ,好きなものを飲み食いできる.おわびするのでこの鯰を預けてくれ」と懇願します.鳶職は「女の所へ遊びに行けるのも地震のおかげだ」といい,これを受けて屋根屋は「好きな酒が飲めるようになる地震は,命の親だ」と言います.露天商はもっと地震のおかげを強調して「地震が来れば,五貫文や六貫文は朝の内に稼いでしまう」とうそぶきます.これら職人たちが代わる代わる鹿島大明神に許しを願いますが,神様は断固として鯰を許さず,「今後再び地震がおきないためになべ焼きにしろ」と命じて幕となります.
 鹿島大明神と職人たちという,およそ縁のない連中をこのようなやりとりで組み合わせ,庶民の心中に潜在的に存在している地震に「世直し」を期待する気持ちを,鯰絵を借りて表現しようとしている点に,この鯰絵の見所があるといえます. (安政大地震鯰絵・解説にもとづく)

<自然・環境評価研究部 加藤茂弘>

博物館のある、ここ三田では紅葉の真っ盛り、というより終わろうとしていて、季節は秋から冬へ移ろうとしています。
付近の山はなだらかな丘陵地でコナラが優占しています。それで紅葉の色は「赤」や「黄色」というより「茶色」です。茶色というとあまり綺麗なイメージはありませんが、よくみるとかなり美しいものです。
この茶色は北摂三田の晩秋というか、初冬の特徴的な色合いです。

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 ←深田公園の周りに残っているコナラの林


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 →茶色というよりオレンジ色に紅葉したコナラ


晩秋のもう一つの主役はドングリです。博物館の周りの深田公園にはシラカシがたくさん植えられていますが、今年はそのドングリが豊作でした。たわわに実ったドングリですが、このごろはただ落ちるだけで、誰も拾おうとしないですね。
拾ったからといってどうするものでもないですが、たくさん拾って机の中に隠しておくと、忘れた頃に虫がいっぱい出てきたり、ときには根が出たりして驚いたものです。

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 →シラカシのドングリ


朝晩は相当冷えて、今朝、博物館の横の池には氷がはっていたそうです。もうすぐ冬ですね。

                                (自然環境評価研究部 高橋)

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