ご利用案内

交通アクセス

利用案内(観覧料金)

団体でのご利用

ひとはくの展示

セミナー情報


ひとはく活用術

移動博物館車 ゆめはく

自然・環境科学研究所

恐竜化石

ひとはくKids

行政や企業の方へ「シンクタンク事業」

学校関係者の方へ「学校教育支援」


2007年7月アーカイブ

 尼崎市の公園でササゴイの巣立ちビナを見つけました。070725%281%29.JPG
 ササゴイは、サギ類の1種ですが、単独または数羽程度の小さなコロニーで繁殖します。写真左のヒナが口にくわえているのは、羽毛のようです。くちばしでくわえたり、放したり。この行動は、巣立ちを迎えたサギ類のヒナによくみられます。おそらくエサを捕まえる練習なのでしょう。水の中にあるものは、空中から見ると本当の位置から少しずれて見えます。これは、光の屈折率(くっせつりつ)というものが空気と水とで異なることからおこる現象です。サギ類の仲間は、水の中を歩きながら、もしくは水ぎわにじっと立ってエサを探します。そして、エサを見つけるとくちばしをさっと水中に突き入れて、エサを捕まえます。この時、サギたちは一瞬のうちに水中のもののずれを計算し、くちばしを入れる位置を調整しています。彼らが上手にエサをとれるようになるまでには、たくさんの訓練が必要なのでしょう。

070725%282%29.JPG
 写真左は、巣の下で拾ったササゴイの落し物です。ヒナの羽毛、卵の殻、フン、それと食べ残しのザリガニと小魚、昆虫の羽根。このような、鳥の落し物から彼らの生活を垣間見ることができます。ですが、巣の下を長い時間うろつくのはよくありません。親鳥に攻撃されてしまいました。


遠藤菜緒子(自然・環境マネンジメント研究部)

丹波の恐竜化石の第一発見者、村上茂さん。現在は、今年の4月から丹波市山南町にある
「丹波市立上久下地域づくりセンター」で木、土、日曜以外は活動推進員として地域振興の
ために働いておられます。


「丹波市立上久下地域づくりセンター」で働く村上さん

先日、ひとはく新聞編集委員2人が、取材のために、その村上さんに会いに行きました。

化石を発見されるまでの村上さんは、畑仕事や地域の仕事、また趣味のゴルフに勤しんで
おられたそうで、人生が化石発見によって変えられてしまったそうです。
上記センターで働く村上さんは、電話や来客対応に追われ、とてもお忙しそうで、こちらがお
話を伺う時間をとるのも申し訳ない感じでした。「私の人生は恐竜化石によって変えられまし
た。これからは恐竜化石と一緒に地域を変えていきたい。これからは、たくさんの人と交流し
て自然の素晴らしさを伝えたい。」と笑顔で話されていました。
みなさんも、村上さんに会いに行けば、楽しいお話を聞かせてもらえますよ〜。
村上さんも「気軽に来てください」とおっしゃっていました。


同センター前の村上さん

なお、この取材の様子は次回のひとはく新聞第2号(9月末発行予定)で詳しくお知らせいた
しますので、お楽しみに〜 o(*^▽^*)o~♪

2007ボルネオジャングル体験スクールは、岩槻邦男館長をはじめ、館員5名と安間繁樹さん、
添乗員、看護師、スクール生22名、みんな元気に7月24日(火)関西国際空港を飛び立ちました。

今年で9回目となるスクールには、これまでもたくさんのスクール生が参加しています。卒業生た
ちの中には、研究者となって自然環境や野生動物などを研究している人もいます。
8日間のスクールでは、ボルネオ島のダナムバレー自然保護区内で、マレーシアの子どもたちと
一緒に生活をします。早朝からバードウォッチングや自然観察トレッキング、夜のナイトウォークま
で、さらに、地上数十メートルの樹冠を体験するキャノピーウォークなど、1日中ジャングルを満喫
して、まさに感動の連続です。

7月31日(火)早朝、どんな顔で日本に帰国するか楽しみですね。

梅雨が明けると、いよいよシーズンです。
 「日本でいちばん美しい赤とんぼ」をキャッチコピーに、ミヤマアカネを追いかけて6年目に
なりますが、わからないことがまだまだいっぱい。小学生やお母さんお父さんといっしょに、
調べることを楽しんでいます。主体は、ひとはく連携活動グループ「あかねちゃんクラブ」。
代表は、元ひとはくミュージアムティーチャーで関西学院大学非常勤講師の足立 勲先生です。
 「あかねちゃんクラブ」では、昨年、翅(はね)に番号をつけてミヤマアカネの動きを調べる「マ
ーキング調査」をしました。その結果、2ヶ月以上生きて> いることがわかったり、仁川から池
田まで飛んで行った個体もあり、大いに盛り上がりました。
 今年の課題は、羽化地点の特定=あかねちゃんはどこで生まれるのかな?ということ。その
ために、一度は羽化の現場を見てみよう。ということで、8月上旬に、夕方から翌朝まで、ビー
ル片手に(?)蚊に食われながら、川で羽化を観察することになっています。どうなるのやら・・・

 今年もマーキングをしますよ〜。はねに番号のついたミヤマアカネをみつけたら、博物館の
八木までお知らせ下さいね。

<関連資料>
すべてこちら(http://hitohaku.jp/publications/book.html)からダウンロードできます。
「みやまあかねとすてきななかまたち」 ミヤマアカネを素材とした学習の手引き
「プチ図鑑 兵庫の赤とんぼ」 兵庫県にいる赤とんぼの見分けかた
「熱く燃えた!ミヤマアカネマーキング調査(共生のひろば 第2号:pp.62-66)」
 マーキング調査の楽しさ

以上、八木 剛@自然・環境評価研究部でした。

%94%AA%96%D8.1.%82%A0%82%A9%82%CB%82%BF%82%E1%82%F1%83E%83C%83%93%83N.jpg

写真1.「あかねちゃん」のイメキャラ

写真2.羽化直後のミヤマアカネ
 羽化は朝までに終える。ミヤマアカネの特徴ははねの茶色い帯。

写真3.マーキングされたミヤマアカネ
 秋になるとオスは赤く色づき、美しい。

企画展「瀬戸内海のいまとむかし」の片隅に、石材として瀬戸内をわたった岩石を展示し
ています。日本列島で大量に石が使われた時期は3回あります。最初に多く使われたの
は石器時代で、硬くて加工しやすいものは石器として各地に出まわりました。そのひとつ
が香川県の五色台や屋島から採れるサヌカイトという岩石です。次に古墳時代になると、
古墳や石棺の材料に各地の凝灰岩類が使用されました。なかでも高砂市の竜山石(た
つやまいし)は「大王の石」として知られています。そして、戦国時代から江戸時代になる
と、城の石垣に膨大な量の石が使われました。その代表が大坂城で、瀬戸内各地の花
こう岩が集められました。瀬戸内海はこのような石の交流の場でもあったのです。

 これらの岩石の成り立ちや利用のされ方、見分け方などを、
9月16日(日)の展示解説、http://www.hitohaku.jp/education/open_seminar.html#03 
9月24日(月)のセミナーhttp://www.hitohaku.jp/education/07syousai/A14.html 
で解説いたします。

詳しくはひとはく手帖またはホームページをご覧ください。
先山 徹(自然・環境評価研究部)

写真1 屋島。高松周辺には屋島や五色台など、上部が平坦な山塊が分布しています。
このような山地の平坦な部分にサヌカイトの溶岩が分布しています。


写真2 小豆島の海岸に残された残念石。
瀬戸内の島々や沿岸の各地には大坂城築城のときに使われずに取り残された
「残念石」が見られます。
写真は1980年代の小豆島の海岸で、現在は公園として整備されています。
一つ一つの石に文化財の番号がついているのがわかります。

みなさんは、ちょうちょの幼虫を飼ってみたことがありますか?

小さな幼虫がチョウになるまでには、いろんなできごとがあります。この夏休み、ぜひご家族で飼ってみてください。きっといい思い出になることでしょう。

ひとはくでは、現在「チョウの幼虫を飼ってみました」展を開催中です。
この展示は、3回シリーズのセミナー「チョウの幼虫を飼ってみよう」に参加された4家族のみなさんが、実際に、いろんなチョウの幼虫を飼ってみたときの観察日記です。
子どもたちの日記は、見ているだけで、心がなごみますね。
もちろん、貴重な飼育情報も満載。へえ、こんなこともあるんだ・・・ぜひごらんになって、みなさんも観察の参考になさってください。


観察日記の一部です。よく観察していますね。素直なコメントがすばらしい。


これは、アゲハチョウの幼虫です。ここまで大きくなるのにどのくらいかかるのかな?


5月に行なわれた第1回目のセミナーでは、チョウをつかまえて卵を産ませる方法や、卵や幼虫をみつけかたを学習しました。


7月に行なわれた第3回目のセミナーでは、みんなの観察日記を持ち寄って、展示をつくりました。ここはお父さんの出番だ!!


展示会場では、参加者のお1人、三村純代さんがつくられた「飼育のコツ」(A4判3ページ)を配布しています。経験にもとづく貴重な情報がいっぱい。ぜひご利用下さい。


※「チョウの幼虫を飼ってみました」展は8月12日まで、4階「ひとはくサロン」で開催しています。

※ 夏休み期間中の毎週土・日・月曜日の13:00から15:00には、研究員らによる「昆虫標本づくり実演コーナー」が4階ひとはくサロンで開催されます。こちらもぜひごらんください。


最後になりましたが、「チョウの幼虫を飼ってみよう」に参加され、たくさんの幼虫を飼育し、すてきな観察日記をつくってくださった受講者のみなさんに、お礼を申し上げます。

以上、「チョウの幼虫を飼ってみよう」担当は、中西明徳・八木 剛でした。

バイケイソウ

2007年7月25日

若い実をつけたバイケイソウ

 2007年7月21日,高橋主任研究員と大学院生の千川君とともに,但馬でバイケイソウの調査を行いました.この植物は,兵庫県では自生地が殆ど確認されていないため,県版レッドデータブックでAランクに指定されています.
 梅雨明け間近のうだるような暑さの中,がんばって登山したかいあって,花序のついたバイケイソウを確認することができました.県下で花(正確には若い実)が見れて感激!

 布施静香 (自然環境評価研究部)

 7月7日にオオサンショウウオの階段づくりををしました。繁殖期の遡上を邪魔する堰(せき;1mの段差)の前にチョットした階段をつくって、そこをのぼってもらおうという試みです。 地域の子どもたちにも階段づくりを手伝ってもらい行った「プチ工事」です。土木・博物館・地元住民・(社)兵庫県自然保護協会・京都大学などの協働で行いました。夜には、オオサンショウウオの観察会も開催し、参加者のみなさんにじっくりとオオサンショウウオを見ていただきました。

蛇篭運び

蛇篭づくり

迂回路設置

オオサンショウウオの観察

 オオサンショウウオは繁殖期(8月下旬から9月上旬)の前になると、産卵に使う特別な巣穴を探して上流へ移動します。その時に、農業用に水を引いたり、土石流がでないために作られた段差(堰)が、オオサンショウウオの移動を邪魔しています。特に、最近つくられている、コンクリートでガッチリ河川を横断するような、高い堰の下では、登れなくてたまっているオオサンショウウオが多く見つかります。

 昼間にみんなで作った階段、本当に使ってもらえるのかとソワソワしていると、作って3時間後にさっそくオオサンショウウオがそれを使って遡上していきました!こんなに簡単に登るのかと、協力してくださったみなさんもビックリ。私自身も驚きました。今回のプチ工事が、単発のイベントに終わることなく、いろいろなところで行われていってほしいと思います。

階段をのぼるオオサンショウウオ


 (左写真:階段をのぼるオオサンショウウオ)

遡上成功


 (左写真:遡上成功!)

ABCテレビも取材にきてくださり、階段づくりやオオサンショウウオの遡上の様子を放送してくれました。(※NEWSゆう:7/9 18:29〜)

田口勇輝(自然・環境マネジメント研究部)

 先日は,マダケの花について紹介させていただきました.
 今日は最近マダケに非常に多く発生しているタケ類天狗巣病についてご紹介します.

 タケ類天狗巣病は,麦角菌科の糸状菌の一種Aciculosporium takeが感染することで起こる竹の病気です.この菌に感染した竹は,その枝がこぶ状にふくれると同時にそこから無数の小枝が出てほうきや鳥の巣状(昔の人はこれを天狗の巣に例えました)になる病状を示します.
%82%C2%82%E9%8F%F3.jpg
写真-1 タケ類天狗巣病の初期の症状(つる状)

%82%D9%82%A4%82%AB%8F%F3.jpg
写真-2 タケ類天狗巣病の初期の症状(ほうき状)
(花のようにもみえることから「竹が花を咲かせた!」と間違う人もいるようです.)

%96%5B%8F%F3.jpg
写真-3 タケ類天狗巣病の中期の症状(房状)

 病状がすすむと,竹の稈(かん)の生長量や新しい稈(かん)の生える量が少なくなり,病気がひどくなると葉が落ちて竹全体が枯れてしまいます.
 この病気は,原因菌の分生子(とてもちいさな種のようなもの)が竹にくっついて枝や稈(かん)の先にある生長点に寄生することで起きるといわれています.この分生子は雨滴などの水滴内に混じって広がり,その水滴が枝や稈(かん)の先に付くと竹は病気にかかってしまうそうです.ですから,雨の多い梅雨の時期や台風の時期にこの病気がひろがることが知られています.

 このような竹の病〜タケ類天狗巣病〜が近頃西日本を中心に各地で広がり竹林が弱ったり枯れたりしているので問題となっています.
 私たちが兵庫県三田市で76カ所のマダケ林でタケ類天狗巣病がかかっているかどうかを調べたところ,73カ所(96.1%)のマダケ林が病気にかかっており,その1/4はひどく枯れていることがわかりました.
 みなさんのお住まいの地域ではマダケの病気が発生していませんか?一度ゆっくりながめてみてください.
 観察の助けとなる資料を載せましたので参考にしてください.
タケ類天狗巣病発症状況判定シート(PDF 264kb)


                           自然・環境再生研究部
                                 橋本佳延

 リサーチプロジェクトのひとつとして、サギ類とカワウの集団繁殖地(コロニー)調査を行うことになりました。
ホームページをアップしましたのでお知らせします。

ホームページへは、こちらをクリックして下さい!
 ひとはくのトップページ > 学ぶ > リサーチプロジェクト > 鵜サギコロニー調査 からどうぞ!


 この調査は、兵庫県内のサギ類やカワウのコロニーの分布を調べるものです。サギ類やカワウは比較的大きな鳥なので、集まっていたら一目でわかります。それでも、コロニーの情報はこれまできちんと収集されてきませんでした。このサイトにお寄せいただいた情報などをまとめて分布図を作りたいと考えています。みなさんのご参加をお待ちしています。また、みなさんに、身近なサギ類やカワウのコロニーの観察を通して、野生動物や自然について考えていただけたらと思っています。そのためのツールとして、サギ類の識別方法やコロニーに関する解説などこれからどんどん追加していくつもりです。ぜひ、ご覧ください。

070624.JPG 先週末、伊丹市昆陽池公園へカワウのコロニーを見に行きました。公園の敷地内に足をふみ入れたとたん、カワウのヒナたちのエサをねだる声にでむかえられました。池の真ん中の日本地図をかたどった島に、たくさんのカワウの巣がみられます。卵を抱いている親鳥もいましたが、すでに巣立ちビナらしき姿も見られました。公園の外からも、次々とカワウが帰ってきます。カワウやサギ類は、エサ場で捕ったエサを飲み込んで巣に持ち帰ってくるのです。コロニーに戻ってきたカワウ達は、きっとたくさんのおみやげを持って帰ってきたことでしょう。子育て真さかりの昆陽池でした。
 昆陽池のコロニーでは、1996年から10年以上にわたって繁殖が続いているそうです。カワウやサギ類のコロニーは、条件がよければ何十年も続くことがあります。かつては、埼玉県の野田の鷺山、青森県の猿賀のウおよびサギ繁殖地など天然記念物に指定されるような大きなコロニーがいくつもありました。しかし、近年では、土地開発や住宅地の拡大などによって、サギ類やカワウがずっと住み続けることができる場所が少なくなってしまいました。そのため、多くのコロニーは毎年転々と場所を替えるようになりました。サギ類やカワウが安心して住める場所はどこにあるのでしょうか。考えさせられます。

(遠藤菜緒子)
Copyright © 1995-2014, Museum of Nature and Human Activities, Hyogo, All Right Reserved.