ひとはくでは、2002年度から、県下各地に出向き、地元の方々といっしょに展示やセミナーを実施する「キャラバン事業」を実施してきました。2007年度からは、じっくり腰を据えて、3年計画で、地域の方々とともに自然環境を調べ、成果を県民のみなさんに伝えていく活動を進めることになりました。
自然・環境評価研究部(昆虫&植物)では、2007年度から、香美町大笹のハチ北観光協会のみなさんとタイアップし、ハチ北高原の魅力を発見し、発信するプロジェクトに取り組みます。ハチ北高原はスキーで有名ですが、自然環境がすばらしく、かつ、フィールドのすぐそばに宿泊施設がたくさんあることから、ひとはくのセミナーでもしばしば活用しています(セミナー:B05、C02、F01)。
第1回の研修会が、先週、2007年5月15日、16日にかけて行われました。テーマは春の植物。
15日午後は、20名の参加者が3班に分かれ、植物が専門の3人の研究員といっしょに、山を歩きました。
秋の紅葉も美しいですが、この季節は山の緑がたいへん美しいです。
植物担当研究員のうんちくをききながら歩く。へえ、そうなんだ。地元にいながらよく知らなかった、きれいな花に感動した、という感想が多数。
人気のラショウモンカズラ(シソ科:羅生門葛)(↑左)
大きな紫色の花が目立ちます。名前の由来はけっこうえげつない。
ユキザサ(ユリ科:雪笹)(↑右)
かわいい花です。「笹」で「雪」だから、大笹のシンボルにしてはどう?という意見も。
16日午前は、前日の成果をもとにワークショップを行い、おすすめの植物を選んで発表し合いました。
「標準和名は○○だけれど、地元では△△と呼んでいまして、料理にもよく使います。」等々、話題は尽きません。
お客さんを案内するときに使えるように、観察した情報をシートに記入しています。かわいい絵が入った、ハチ北高原オリジナルの、すてきなガイドブックができればいいですね。
ハチ北観光協会のみなさんの多くは、地元で民宿を経営されている方々です。まずは民宿のみなさんにハチ北の自然を知っていただき、さまざまな自然体験メニューを開発し、県民のみなさんが気軽に自然観察に訪れることができるよう、われわれも支援していきます。数年後には、民宿が博物館になっているかもしれませんね。楽しみです。
ハチ北観光協会URL http://www2.nkansai.ne.jp/org/hatikita/
(自然・環境評価研究部 高橋 晃・高野温子・布施静香・八木 剛)