■第2回高校生のための生きもの調査体験ツアーin台湾 3日目■
生きもの調査体験ツアーin台湾3日目です。今日は盛りだくさんの1日になりました。
朝7時半にバスで出発し、台北市内で一番古く、300年近い歴史をもつ龍山寺の参拝に向かいました。
<龍山寺(18世紀半ばに建てられた台湾で一番古いお寺)の見学>
拝観後、台北市立動物園にバス移動し、遊歩道の散策とハコガメ追跡調査体験をしました。
台北市立動物園では、個体数の減少したハコガメの保護に取り組んでおり、野生に放つ際に、マイクロチップをカメの甲羅に装着し、追跡調査ができるようにしているそうです。今日の体験では、動物園職員が予めチップを装着した甲羅を園内に隠し、それを受信アンテナで探し出すことを試みました。
<左:台北私立動物園にいたツマムラサキマダラ(Euploea mulciber)>
<右:台北私立動物園にてセマルハコガメ(Cuora flavomarginata flavomarginata)の電波発信器を使った追跡研究のレクチャー>
<発信器を装着した模型を使っての追跡のデモンストレーション>
昼前には、午後からのキノボリトカゲの食性調査のため、高校生みんなでトカゲの捕獲に挑戦しました。キノボリトカゲは木の幹などに同化していて非常に見つけにくく、すばしっこいため、捕獲するのは大変です。森の中でトカゲを探し出せる眼と、素早く捕まえる腕の両方が問われ、皆が苦戦する中、 "トカゲハンター"なるセンス抜群の日本人高校生が多くのキノボリトカゲを捕まえました。
<左:発信器を装着した模型を使っての追跡のデモンストレーション>
<右:スウィンホーキノボリトカゲ(Japalura swinhonis)の雄>
昼食後にはみんなが楽しみにしていたキノボリトカゲの食性調査です。
ひとはくの太田先生の指導のもと、キノボリトカゲの胃にスポイトで水を流し込み、再び吸い出して、何を食べていたかを調べます。
繊細な手の動きが要求されることから、高校生たちも恐る恐るといった様子でしたが、トカゲを傷つけまいと、真剣な表情で取り組みました。個体によって食べている量や内容物が違うのですが、主にアリやハエの仲間などが胃の中から取り出されました。
<雌をノギスを使って測定> <一人ずつスウィンホーキノボリトカゲの胃内容を吸いてみる>
<左:スウィンホーキノボリトカゲの胃内容を吸いてみる>
<右:吸い出された胃内容物の一例、アリや他の昆虫の外骨格の破片などが含まれている>
夜には、明日のコウモリ観察のための捕獲トラップを、遊歩道に設置しに行きました。明日の朝、どんなコウモリがかかっているか楽しみです!
<コウモリ捕獲用のハープネットの解説と設置>
公益財団法人 国際花と緑の博覧会記念協会
佐々木 洋平