ホンゴウソウに続き、今度はシロシャクジョウが見つかったというニュースが飛び込んできました。
上の写真の白いマッチ棒みたいなのがシロシャクジョウです。私も今回初めて生きたお姿を拝見しました。兵庫県RDB Aランクの希少種です。何せ70年前に採られた標本が一点あるだけで、もう絶滅したんじゃないかといわれていました。70年ぶりの再発見ということで、発見された地元の植物愛好家の方々の案内でひとはくから3名、市や県民局からも担当者が集まり、生育状況を見に行きました。
現場は植林地でしたが、入口では立派な番犬がお出迎え。突然現れた怪しい人間たち(?)に向かって吠え立てていました。
番犬をやり過ごして、いざ現場へ
林道の中を進むと、、、ありました!一番上の写真のように、林道沿いにぽつぽつと、でも思ったよりも数多くあります。ざっと見積もって1000株ほどでしょうか。大群落といってよいでしょう。
高さが5〜10センチ程度の小さい植物なので、みなさん地面に這い蹲るようにして写真を撮っています(笑)。
標本を作るために、数株を根元から採集しました。図鑑には「根茎は膨れ多数のひげ根がある」と記載がありましたが、実際に採集してみるとその意味がよく分かります。
花をアップで撮りました。右はつぼみで、左の花が開花しています。花被片(=はなびら)が黄色いですね。発見者の方たちの話によると、昨年以上に多くの株が出現していたとのことです。シロシャクジョウはもともと熱帯が分布の中心の植物なので、兵庫県のシロシャクジョウはかなり北に分布していることになりますが、帰館して詳しく調べたところ北限は福井県でした。ちょっと残念。でも県内では70年ぶりの再発見ですから、大発見には違いありません。情報提供いただき、現地を案内頂いた丹波自然の会の皆様、ありがとうございました。
(自然・環境評価研究部 高野・布施/ 自然・環境再生研究部 鈴木)